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JUGEMテーマ:小説/詩 「レイヴン」 キオスの呼ぶ声にはっと我を覚えたレイヴンだった。「あ、ああ」 「あのチンパンジーは……どうするの?」キオスは、どこかおずおずとしながらそう訊ねてきた。 「え」レイヴンは一瞬、どのチンパンジーのことなのかわからなかったのだが、すぐにはっと記憶を取り戻した。「あ、ああ」地上を見下ろす。 黒焦げの無残な姿になったチンパンジーはそのままそこにいた。 「──ぼくたちには、何もできないな……」レイヴンは...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.06.08 Sat 07:25
「これからどうするんですか?」 「わからない。いくら見ても聞いても食べても、俺には何もないんだ」 今書いてるのが25000字くらいになり、こねこね直したりしている。文字数進捗がなくなると途端にやってる感がなくなるな。これだけ書いても25000字。10万字とか書いてるひとの気が知れない(褒めてる)。何字書いたら本にしていいんですか? 教えてえらいひと。 借りていた『北斎になりすました女 葛飾応為伝』を読み終えた。資料があまりに少ないがために推測するしかない部分が多いのだろう。読む側としてもほとんど...
水平線上の雨 | 2024.06.03 Mon 19:50
JUGEMテーマ:小説/詩 レイヴンはその後、チンパンジーの群れに声をかける機会を見つけられないまま、彼らが群れの仲間の一頭の元へ向かい、その対象に対し金切声を挙げながらよってたかって叩いたり引っ掻いたり噛みついたりし始めるのを傍で眺めることしかできなかった。「レイヴン」キオスが叫ぶ。「大変だよ。やめさせなきゃ」 「あいつらの言う『さばく』って、こういうことなのか」コスも戦慄を覚えたように茫然と呟く。 レイヴンは二人の声のおかげではっと我に返ることができたが、...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.05.24 Fri 22:48
JUGEMテーマ:小説/詩 オリュクスは素早い。疾風のように素早く、水のように無駄のない動きで流れるように走る。 彼はとにかく元気で、いつもご機嫌で、とにかく自分の体を動かすのが好きな動物だ。自分の体が動くということが、嬉しくて楽しくて仕方がないという雰囲気を醸し出しながら生きている。今もきっとそうだ。 「チーター?」レイヴンはふとそう思った。 何がチーターなのかというと、オリュクスが今一緒にいる──そんな恐ろしい話を避けるならば、わりかし近くにいる生き物、...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.05.18 Sat 06:02
JUGEMテーマ:小説/詩 ”なにを思うか”を共有するその目は、 私と同じ方角に向かって風を見ている 伝説の龍の赤い目は 私と同じ「憤怒」の目 いつも燃えている 「怒り」「悲しみ」らのシンパシーを越えて 感情のいらない強い力で 私達は空を切って目を向ける ”まるで、刃のようだ。” 赤く燃える剣(つるぎ)のようだ。 「足元に湧く泉を穢(けが)す泥...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2024.05.13 Mon 12:45
JUGEMテーマ:小説/詩 「なんか聞こえる?」 「なんか言ってるわ」 「どこ?」 「どいて」 「ちょっと尻尾引っ張らないで」 「やめて」 「どいて」 ハダカデバネズミたちは何やらもめている様子だった。 「あの、ここです」レイヴンは辛抱強く声を張り上げつづけた。「あなた方に危害は加えません。どうか穏便に、話を聞いてください」 「なんか言ってるわ」 「どいて」 「尻尾引っ張らないで」 「なに?」 「どこ?」 「あの、あなた方より少し大きくて...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.05.10 Fri 21:58
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