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小説/詩

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小説/詩
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波の回廊 37

    あとは何を聞いても返事をせず、会社に送れるからといって幸一は出かけていってしまった。 信子はセンチメンタルになりそうな自分に喝をいれ、洗濯をしようと思った。 カゴの中から洗い物を取って洗濯機に放りこもうとすると、ほのかに甘い香りが漂った。 幸一のワイシャツからだ。鼻を近づけると香水の匂いがする。 (帰りが遅いのはそのせいか……。まさか彼女と一緒にアメリカに行くのでは……) 信子の心に嫉妬に近い感情が湧いてきた。   思い通りになら...

 at dawn | 2018.03.02 Fri 10:19

波の回廊 36

    佑子を送り出した信子は、食卓に戻って幸一の前に座った。 「ちょっと相談があるんだけど、いい?」 信子の話は佑子のことである。 実は、佑子がタレントのプロダクションから誘いを受け、それに対して学校の先生方の意見が分かれているのだ。 佑子がモデルになった学園のポスターがきっかけらしいが、そのポスターを撮ったことは幸一にも伝えてあった。 今までプロのモデルを頼んで毎年ポスターを作っていた学園が、今年は先生方やPTAの意見で、実際にいる生徒を使ってはどうかということになり...

 at dawn | 2018.03.01 Thu 10:07

波の回廊 33

    その後、山の手の民宿に泊まった権蔵は、翌日になって再び不動産屋の跡地を訪れた。 となりも更地(さらち)となっていたが、そこで高齢の男女が話をしていた。 ふたりは夫婦で、この土地の持ち主だという。 長いあいだ洋服屋をしてきたが、そろそろやめようと思っていた矢先に地震にあったそうだ。本州の子どもの家に行っていて助かったが、この更地を売って子どもと一緒に暮らすという。 「はあ、その人ならよく知ってますよ。いい子でねえ。高橋幸一というんです」 男は、不動産屋で働いていた...

 at dawn | 2018.02.26 Mon 09:27

波の回廊 32

    権蔵が家の前まで来ると、車庫の前で男の子が雪だるまを作って遊んでいた。 「寒いから入ってきなさい」 玄関ドアをあけて母親らしき女が呼ぶと、その子はカサカサと防寒着の擦れ合う音をたてて家の中へ入っていった。 「こんにちは。すみませんが、ちょっとお訊きしたいことがあるんですが」 権蔵がいうと、 「なんでしょうか?」 ドアをしめようとした女が顔を向けた。 「あそこにあった不動産屋さんのことなんですが」 権蔵は上体をひねって空き地を指さした。女がしぶしぶと外に出...

 at dawn | 2018.02.25 Sun 09:38

【歴史小説】五右衛門忍法帖〜第十二之巻〜

JUGEMテーマ:小説/詩     【五右衛門忍法帖】   第十二之巻

浮世月。 | 2018.02.25 Sun 01:57

詩『拉麺(袋入):Instant Noodles Cooking』

なべにいれた適量の水がわくまでのあいだのあれやこれや トッピングする食材やおはし、調味料などなどなど そんなことをしていても沸騰するまでにはすこし時間がある いや、準備しているそのときだって かんがえていることは些事の些事だ めんどくさいことやいやなことはあとまわし そんなにひまなわけでもない でも、こうやってなべのそこで対流がはじまっているあいだに去来するのは あんなことやこんなことばかりだ あのときのそのことばとそのさいの態度、表情 後悔もしないしうらみもしないけど きがかりといえば...

with a kiss, passing the key | 2018.02.25 Sun 00:00

波の回廊 31

               7   冬の海は荒れていた。 波は山のようにせりあがり、怒りのしぶきを振りまいて、吹雪とともに視界をさえぎっている。 そんな中、一隻のカーフェリーが奥尻島へ向かって航行を続けていた。 小樽新報社の記者境川権蔵が乗っているのだ。 昨年の十月、権蔵は瀬棚港から乗船して奥尻島を目指したが、冬期間その航路は閉鎖され、このたびは江差港からの乗船となった。一時間長く乗っていなければならない。 船酔いなどしたことがない権蔵は、出向前から気分が悪...

 at dawn | 2018.02.24 Sat 11:40

波の回廊 29

    おろした金額もいわず、個人的に来たといって帰った怪しげな男……。 そんな佐伯支店長のことを誰かに訊くわけにもいかず、預金をおろしたという事実を確かめようにも幸一とは連絡がつかないのだ。本店に電話をするなという佐伯のいい分も、もし本当なら、わからないでもない。 信子は佐伯を送り出してから悶々とした気持ちになったが、ガチャガチャと佑子が物を引っ張り出す音で我に返った。 佑子が気持ちを切り替えさせてくれたのだ。   幸一の所在がわからないままに、とう...

 at dawn | 2018.02.22 Thu 10:23

波の回廊 28

    佐伯いわく、幸一が、会社のおカネを持ったまま行方不明だというのだ。 会社の人間はみんな亡くなり、当初は幸一も死んだものと思われたが、預金の保護を進めていくうちに、生き残った幸一が島を出て江差町の本店まで行き、会社の預金のほぼ全額を引き出していたことがわかった。何か会社関係のことで使うのだろうとは思うが、会社のおカネである以上、しかも、社長以下役員全員が死亡しているからには、どうしても幸一から話を聞かなければならないという。 また、佐伯は銀行にいわれて来たのではなく、幸...

 at dawn | 2018.02.21 Wed 09:13

波の回廊 27

                 6   幸一の母信子は、相変わらず佑子中心の生活を続けていた。 面倒くさい夫も、気になる恋人もおらず、店もそこそこ繁盛している信子は、自分のことだけ考えて我が世の春を楽しむこともできたが、信子は佑子の世話をすればするほど、男まさりと思えた自分の心に、やさしさが生まれてくるのを知った。 自分自身が、やさしい心の自分を感じとることができるのだ。それは、男によっても、息子によっても得られなかった不思議な感覚であり、エルメスのスカーフや、シ...

 at dawn | 2018.02.20 Tue 09:03

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