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小説/詩
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そろそろ還りたい

JUGEMテーマ:小説/詩    大気圏に突入した火星搬送船MARSHOPE104号は、灼熱色に輝きなおも大地を目指し驀進した。  その一途さには、感心もし感謝もし、けれどどこか哀れに思うところがあった。  我々の目的のために、今それは真っ赤に燃えて目的地にたどり着こうと必死で頑張っている。 「ごめんね」誰かが声もなく囁いた詫びの文句は、我々全員の装着するヘルメットのスピーカから頼りなく洩れ聞こえた。  誰も返答しない、だが皆心のどこかで同じような気持ちを噛みしめているのに違い...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.06.15 Sun 17:23

詩『てがみ:One Of His Letters』

Uに

with a kiss, passing the key | 2025.06.15 Sun 00:00

どうぶつたちのキャンプ 第59話

JUGEMテーマ:小説/詩      キャンディは、自分の名前を憶えていなかった。  というと妙な話に聞こえるかも知れないが、キャンディというのはこの星に来てからつけられた呼称だ。愛称、だったか。  そしていつからこの星に住んでいるのかも憶えていなかった。だがこの星で生まれたのでないことだけは、憶えている。  自分はここ、地球で生まれたものではないのだ。  さらにそして、今。  キャンディは、とても懐かしい気持ちにさせる景色の中を、歩いていた。  四本の、蹄を持つ...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.06.14 Sat 10:12

西の工場

 公園で酒を飲んでいた。隣では友人が木にもたれ、滅茶苦茶にきまった大麻ジャンキーよろしく虚ろな表情で池の向こうを眺めていた。公園の象徴たる大きな池は魚が多く、休日ともなればあちこちに釣り客が診られるのだが、その日は八月の中でも特に直射日光が厳しく、汗をかくのに慣れた老人が一人二人座るだけだった。  彼らの姿も含め世界は陽炎に揺らぎ、全てが蜃気楼のようにも見えたが、実際に幻であろうとわたし達には関係なかった。アルコールと煙はそういうものだ。  友人の持ってきたアイリッシュウィスキーをちびちびや...

記4 | 2025.06.11 Wed 01:48

詩『おきざり:Left Behind』

VGに

with a kiss, passing the key | 2025.06.08 Sun 00:00

どうぶつたちのキャンプ 第58話

JUGEMテーマ:小説/詩      コードセムーは、アメリカバイソンの群れ──数十頭いるところを見ると、雌とその子どもから成るものだろう──を見つけた。 「保護されているんだろうけど、悪いわね」そう呟いた後、一頭の子を分解し収容した。  母親らしきアメリカバイソンが突然姿を消した子を探し始め、駆け回り、大きな咆哮を挙げ、大地に自らの体を叩きつけた。 「お疲れ、じゃあね」セムーは軽くそうとだけ言うと、素早くその場を離れた。 「待ちな」だがすぐに、行く手を阻む者が現れた。 ...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.06.07 Sat 00:03

ロカ・ア・ロカ

 地下鉄の駅は三層に分かれており、赤坂見附を整理したようでもあるが、内情はより混沌としている。  最上層は古くから使われた始発ホームを一つ潰し、トンネル延伸により在来線との乗り入れを実現した上、大量の人員をコンコースに収容できる仕様である。下層への階段やエスカレーターの幅も広くとっている。  階段を降りると当駅止まり専用の小さなホームに出る。輸送旅客数の増加に対応しようと突貫で掘ったトンネルなので、低い天井から壁がドーム上に繋がり、実容積以上に狭く感じられると不評である。また、空調も法定限度...

記4 | 2025.06.06 Fri 19:31

2025年5月のまとめ

 フラグ。変数。それを俺のなかに作る。  俺ががらんどうのデータでしかないのなら可能だ。煙を凝縮し、全く別物に変えることが。冷蔵庫に象を入れるのと同様に簡単にできるはずなのだ。  21000→27000字。ペース落ちてると思ったら四月から変わってなかった。むしろ1000文字増えてるまである。たぶん私の最低ラインが月5000字くらいなのだろう。何もしていないよりはマシ! 何もしていないよりはマシ!(言い聞かせ)  とにかくすべてのモチベが低い。先週末の日曜は一日三時間くらいしか起きていなかった。二十一時間睡眠。...

水平線上の雨 | 2025.06.01 Sun 15:07

詩『ちちかへる:Like A Prodigal Son』

Aに

with a kiss, passing the key | 2025.06.01 Sun 00:01

どうぶつたちのキャンプ 第57話

JUGEMテーマ:小説/詩     「なあ」ふいに、隣で足早に進んでいるボブキャットが声をかけてきた。 「うん、はい」モサヒーは返事をする。 「あの、レイヴンっていう奴が捜してる動物ってさ」ボブキャットは小走りに進みながら空を見上げてそう話した。  上空には鳥や虫が飛んでいる。食いつけそうな位置にそれらが下りて来る好機をうかがいつつ小走りに進んでいるのだ。  器用な動物だ。 「うん、よく知っていますね」モサヒーは慎重に言葉を選ぶことにした。 「ああ……...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.05.31 Sat 12:35

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