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JUGEMテーマ:小説/詩 ――冗談じゃないよ。 地球は珍しく、比喩的に頭にきていた。珍しく――否、この太陽系宇宙の中に星として誕生して以来、四十五億五千万年来、初めてのことかも知れなかった。 ――高度生命体を、加えるだって? 岩石の中に? そのまま冷えて固まって、地球の――つまり自分の活動システム、ということは多分エネルギー循環サイクルのダイナミズム、或いは遷移するエネルギーそのものへの耐性が生まれる、だって? ――冗談じゃないよ! 「岩っちー」鯰が、どこか遠慮がちな声音で問いか...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.02.25 Fri 11:53
雪乃が小説を書く時、おおまかなストーリーを思い浮かべたらそれに向かって一通り指が動く通りに書いたあと、推敲して形を整えます。あまり物事を様々な角度から捉えられない雪乃さんは、プロローグからエピローグまでの間を順番通りにしか書けず、その結果進みが悪くなっても無理矢理書かなければ終わらないという若干要領の悪い感じに書いております。 が 最近気がついたのですが 先に台詞だけを書きだして そのあとで地の文を書いた方が効率がいいのでは?  ...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2022.02.23 Wed 23:11
うすぐらくせまいその廊下がかれの全世界だ おさないかれにとっては階段は敷居がたかく 外出なぞはもってのほか その世界でのかれは運転手であり 荷役手であり かいじゅうであり そしてそればかりか王でもある いやともすると神ですらあるのだろう 満足にあるくこともまだかなわないかれは いつも背を上にむけ 自身のてもとだけに注視する おすとうごく ひけばうごく よっつの車輪の不思議 それだけがかれの関心事だ おもいどおりならば歓喜もし うらぎられればたちまち不機嫌となる そしてその感情がたかぶれば 唖々 ...
with a kiss, passing the key | 2022.02.20 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 「え」結城が目を剥き、 「幾らなんだ」時中が眉根を寄せ、 「まあ、そんな」本原が口を押える。 「鹿島さんに確認するわ」木之花は急いでそう報告した。 「今、折衝中」鹿島の声が間髪を入れず届く。「抜かりはないよ。けど……」 「鹿島さん」天津が右耳を手で押えて呼ぶ。「マヨイガは何て」 「新人君たちを買い取りたいって話?」酒林が被せて訊く。「一体なんでまた」 「うん」鹿島の声もまた、どこか戸惑いを帯びていた。「マヨイガはこの三人をこのまま引き取りたい...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.02.18 Fri 12:27
四〇〇〜七〇〇文字の短い語りになりそうな状況を思い描くこと。何でも好きなものでいいが、〈複数の人物が何かをしている〉ことが必要だ。出来事は必ずしも大事でなくてよい(別にそうしても構わない)。会話文をほとんど(あるいはまったく)使わないようにすること。 問一:ふたつの声 ?単独のPOVでその短い物語を語ること。視点人物は出来事の関係者で――老人、子ども、ネコ、何でもいい。三人称限定視点を用いよう。 ニナは「本゜骨ラーメン」と書かれたぼろぼろの暖簾をくぐると、定位置であるカウンターの隅の席...
水平線上の雨 | 2022.02.13 Sun 23:36
ホームルームが終わると真っ先に教室を飛び出す。廊下に人影はない、スタートダッシュ成功。大股でリノリウムを蹴る、きゅっという音。スカートに配慮しつつ速度を落とさないギリギリのライン。階段に到達すると背後でC組の戸が開く。名前を呼ばれた私は踊り場に跳んでいて、着地した足でターンする、きゅっ、そしてまた跳躍。意識が遅れてついてくる、アサノだ、呼んだのは。下駄箱から靴を取り出し同時に上履きをしまう。アサノがばたばた階段を下りる音を聞きながら外へ。 「なんでそんなに足速いんだよ」 去年の帰り道が...
水平線上の雨 | 2022.02.13 Sun 01:05
JUGEMテーマ:日記・一般 JUGEMテーマ:小説/詩 びゃーーッ小説書くのってむずかつぃ――!!!! 今書いてるホラーファンタジーは、実をいうと若干オムニバス形式のスタイルを取っておりますのだけれども(若干て何)、更にぶっちゃけると複数の人物たちのそれぞれの一人称での語り口調で進んで行く形式のスタイルなんですけれども(形式のスタイルて何)、ああああもう! どのエピソードを誰に語らせるべきなのか、もう! わからない! お前ら何が言いたい! という感じで。 ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.02.10 Thu 22:20
JUGEMテーマ:小説/詩 「見殺しにした?」時中が眉根を寄せて繰り帰した。「つまり、この業務上で命を落とした社員が過去にいた、ということですか」 「――」天津も酒林も、俯いてすぐに返答することができなかった。 「え、でもいつの話?」結城が時中を見て問う。「前にさ、そういうニュースは聞いたことがないから単なるリスクヘッジだろうとかって話、しなかったっけ」 「事件がもみ消されたという可能性もある」時中は低い声で言った。 「社員、ではありませんでした」天津は顔を上げ、ゆっくりと説明しはじ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.02.10 Thu 11:56
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