[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]

JUGEMテーマ:小説/詩 会社に向かいながら、亜一郎はいまだともりゅんのこと――その本質、その行動、その結果、その笑顔――について、考えを巡らせ続けていた。 ――そうか。彼女は、“ロボット”では、ないんだ。 いつホームに電車が到着したのか、いつその車輌に乗り込んだのか、まったく意識に残っていないまま、亜一郎はそう思いついた。 ――だから、コマンド以外の……それ以上のサービスを、彼女自身の判断で、行うことができたんだ……何の、誰からの何らの命...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2023.03.14 Tue 16:34
JUGEMテーマ:小説/詩 翌朝も端末は、ゆっくりと緑色のランプを点滅させていた。 まだ完全に開いていない目で、画面を見下ろす。 『おはようございます 何かご用はありますか?』 という表示が出ている。 「おはよう」亜一郎はもごもごと挨拶した。「コーヒー入れてくれる?」 『おはよう コーヒー はい ただいま』記述が出る。 玄関のドアホンが鳴ったのは、その五分後だった。 「早いな」スラックスを履き終えたばかりのところだった亜一郎は、つい、着替えが間に合...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2023.03.05 Sun 12:33
JUGEMテーマ:小説/詩 「あはははは」バーチャル嫁ともりゅんは間髪を入れずに爆笑した。「なにその、何か企んでそうな呼び方は」 「ええ?」亜一郎はつられて笑いながらも軽い混乱に陥った。「ええと、あはは、と、ともりゅん」 ともりゅんはじっと亜一郎を見つめる。 「――さま」亜一郎はたまらずつけ足す。 「あはははは」ともりゅんはさらに爆笑する。 TVからは法廷ドラマのエンディング曲が流れ始めた。 「あ、終った」亜一郎はTVの方に顔を向けた。「結局あんま観なか...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2023.02.28 Tue 17:52
そこに 画像として 完璧さを誇る写真となって 緩さを身につけて、偽物の愉快さ 数々のリアルが 偽物のそれに変わり、その子を追い越したのか追い越されたのかもわからない 手に とって みる前に 浸透する黒い笑み、その片割れ、その破片、ゆっくりとした、もう言葉は聞こえない。 プリンセスの手話を見て解釈はなく、笑みのような瞳、その奥。 森を、そう。森林の中。いつもそう、暗かった。辛さを癒す暗闇を彼等から教わった。 彼女等の気配は腐敗してしまっているから、哀しみも同時に...
写真の余白に、 | 2023.02.26 Sun 20:09
JUGEMテーマ:小説/詩 ははは、まさか。 いくらともりゅんだからって、あのともりゅんそのものが来るわけないだろう。 大体アニメのともりゅんは、中学生だったんだ。 今から来るのは、嫁だぞ。立派な大人に決まっている。実写の。現実の。 ピンポーン ドアホンが鳴る。 「はーい」亜一郎は返事しながら玄関へ向かった、心臓を最高潮に高鳴らせながら。 多少震える手で、ノブを回しドアを押す。 そこには、果たして現実の、実写の、長い...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2023.02.19 Sun 17:47
よるがきてあさがさる よるにあいあさにわかれる そのくりかえし はじまりはいつもそのときでおわりがいつもそのあとだ ずっとそれだった そしてそれでよかった くやむこともおしむこともない なぜならこのまちに陽がのぼることもないのだから わたしにとっての1日 それがすべてだ あのひとがきた もちろんよる だがまだそのひとといる まだよるなのだろうか 時計がそれはうそだという まどからおとがする まどからけはいがただよう そとではあたらしいときがおとずれている ここではまだだ そのひととよる ずっと
with a kiss, passing the key | 2023.02.12 Sun 00:00
全1000件中 441 - 450 件表示 (45/100 ページ)