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小説/詩

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小説/詩
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詩『惨状:For A Horrible Scene』

Jに

with a kiss, passing the key | 2021.12.26 Sun 00:01

【本日のSS】どうか、君だけは

世界に平和が訪れた時。 そこには、貴女だけがいなかった。   またどこかで会える。貴女はこの世界のどこかにいる。そう信じていた。信じている振りをしなければ、進むことも立っていることも出来なかった。誰よりも、何よりも貴方の幸せだけを願ったのに、その世界に貴女がいないだなんて、そんなの。 日々の忙しさで貴女が傍にいない悲しみを紛らわせて、余計な思考を全て忘れて、今日まで生きてきた。   だけど。 いつからそこにあったのか。その日、コックピットのシートの裏に一通の手紙を見つけ...

雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2021.12.21 Tue 23:52

霞を喰ってでも

JUGEMテーマ:小説/詩 到頭、金が底を尽き、 後、一月の間、飲まず食はずの生活を強ひられるが、 それでもおれは楽観的だ。 所詮、生活のことなど取るに足りぬ問題でしかなく、 そんな窮乏の状態にあっても俺は、 尚も問はざるを得ぬのだ。 その周りをぐるぐる回って Waltz(ワルツ)を踊るやうに どうも優雅な気分でゐる。 ――いいか、よく聞け、其のものよ! おれはお前の尻尾は摑んだが、それでも俺はお前に問ふ! 其は何ものぞ! そいつは不敵な嗤ひを残して姿を消した。 俺は霞を喰ら...

My First JUGEM | 2021.12.20 Mon 20:08

詩『制動:Breaking』

Fに

with a kiss, passing the key | 2021.12.19 Sun 00:00

負社員 第43話 右の頬を打たれたら左の法を差し出しなさい(全83話)

JUGEMテーマ:小説/詩   「城岡部長、すみませんでした、怖い思いをさせてしまって」天津は誠意を込めて謝罪した。「それは多分、我々の行う業務の影響による幻覚症状だと思います」 「――」城岡部長は絶句した。「――幻覚……?」そっと、訊き返す。 「はい」天津は深く頷く。「幻覚です。ただ、まあ、あまり騒ぎにはしたくないので……虫の好いお願いではありますが、どうか今回の事は内密にしておいて頂ければ」もう一度深く、頭を下げる。 「――」城岡部長は自分がへたり込んでいたコンク...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.12.17 Fri 09:38

春の思い出

商品の棚の上に並べられた色紙、シルバー ガム 時間があった 毎日の時間が、安心をもたらせた。不満があるのなら不理解、それは言葉 視線。 誰もなく、 ひとり 行く先、帰り道。 誰かいたような、 それで満足だった。   見守られていた。諦めていたからか。 共に見守っていたのだ。  

写真の余白、葉の上へ | 2021.12.15 Wed 12:06

『文体の舵をとれ』練習問題5 簡潔性

一段落から一ページ(四〇〇〜七〇〇文字)で、形容詞も副詞も使わずに、何かを描写する語りの文章を書くこと。会話はなし。  図書室の隅に幽霊の席があります。ある秋の黄昏時、そこにひとりの男子が座っていました。一定のリズムで本の頁を捲っています。グラウンドから野球部の掛け声が、体育館からブラスバンド部の練習する音が聞こえます。図書室にいるのは私と彼だけでした。私はカウンターの内側で、好きなミステリ作家の新刊を読んでいました。  探偵が死体を発見した時でした。顔を上げると、幽霊の席の男子がカ...

水平線上の雨 | 2021.12.12 Sun 00:44

詩『くらやみに3人:The Three In The Dark』

とじこめられた いつ なぜ だれもうおぼえていない 恋人たちともうひとり そうだったはず 勝者と敗残者 そうだったのかもしれず もうふたしかだ むしかえしても せんないばかり いまは ひとりとひとりとひとり 3人ですらない 糧食はついえ 所持金は無意味だ とっくに 努力は徒労であり 死はかつての恐怖だ 時間だけが永遠なのだ さとるときもあれば おびえるときもある そしてあらそいたくなればいつだって それをぼくたちはじっとみている みるしかない なぜって ここもそことおなじ まっくらやみのまっただなかさ

with a kiss, passing the key | 2021.12.12 Sun 00:00

負社員 第42話 ザ・ブラックタカマガハラ(全83話)

JUGEMテーマ:小説/詩   「あー……っぶなかったぁ」低く囁くように声を洩らしたのは住吉だった。 「まこと」石上も安堵に肩を落とす。「罪なき人の命の無益に奪われゆくところであった」 「ってかあいつ」伊勢は苛立ちを顔に表していた。「どこに隠れていやがんだ」 「地球に」大山がぼそりと提案する。「……は、わかるのかな」 「地球に?」皆が訊く。 「うん」大山は頷く。「スサノオのいる、場所が」   「鯰」天津が洞窟の中で声を張り上げる。「地球と話せるか」 「え...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.12.10 Fri 14:42

狙われた男 21

JUGEMテーマ:小説/詩     彼らの話はこうだった。 片方の男の彼女がコンビニで働いているが、その店に、里帰りした不動産屋のひとり娘が幼娘(おさなご)を連れてよく買い物に来ていたという。一歳ちょっとのその子は、ありさという名前で、とてもかわいいのでよく覚えていたらしい。 あの地震のとき、その彼女は高台へ逃げ、そこでその子を見かけたそうだ。赤ちゃんが激しく泣くのでまわりを見ると、若い男が懸命にあやしている。不動産屋の子だと気づいて助けてやろうと近寄ったが、迷惑そうにスッと離れ...

狙われた男 | 2021.12.10 Fri 11:16

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