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幼稚園には”お昼寝”の時間があった。 お昼ごはんのすぐあとだったと思うが、 みんなで床にごろごろと寝転ぶのである。 かいちゃんは昼寝などより 棚に並んでいる 『キンダーブック』という本が読みたかった。 みんなと一緒にごろんと横になるのだが、 すぐに起き出して棚のところへ這っていく。 「お昼寝の時間だからね」と最初は制止していた先生も かいちゃんの執拗な熱意に負け、 部屋を暗くしているカーテンを少しだけ開けて 明るいとこ...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.24 Wed 22:35
幼稚園の年長さんになった頃 シスターがピアノを教えてくれることになった。 ピアノの入門と言えば「赤いバイエル」である。 音楽の才能があったのか、この本をあっというまに修了し 勢いに乗って「黄色いバイエル」に突入した時 すっとばしたツケがまわってきた。 ”半拍” が弾けなかったのである。 優しいシスターは一生懸命になって 肩をトン・ト・トンと叩いたり、 手で拍子を打つ練習をさせようとしたが無駄であった。 体ではなく理解力に...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.22 Mon 18:51
「嫁とり 婿とり やれ忙しや」という呪文があった。 出かけようとして 服のボタンが取れかけていたり、 ほころびているのを見つけてしまった時、 脱いでいる時間が惜しいので この呪文を使う。 母が針と糸を取り出して 「嫁とり 婿とり やれ忙しや」と言いながら かいちゃんの服の”ほころび”にぷすりと針を刺す。 つまり『忙しいから脱いでいられないの』 という言い訳であり、 『だから針が刺さらないように守ってくださいね』 というお祈りなのである。 ...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.20 Sat 21:02
「嫁とり 婿とり やれ忙しや」という呪文があった。 出かけようとして 服のボタンが取れかけていたり、 ほころびているのを見つけてしまった時、 脱いでいる時間が惜しいので この呪文を使う。 母が針と糸を取り出して 「嫁とり 婿とり やれ忙しや」と言いながら かいちゃんの服の”ほころび”にぷすりと針を刺す。 つまり『忙しいから脱いでいられないの』 という言い訳であり、 『だから針が刺さらないように守ってくださいね』 というお祈りなのである。 ...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.20 Sat 21:02
”めばちこ” は「柘植(つげ)の櫛」で治す。 柘植の櫛は母の鏡台の引き出しに入っているが、 髪をとかすときはブラシを使っているので ”めばちこ” の時くらいしか出番がない。 なまこ型というのか、背の部分が柔らかくカーブしていて ぽってりと厚みのある小さな木の櫛である。 櫛の背を畳のへりの黒い部分にしゅっしゅっしゅと擦りつけ、 「めばちこ、めばちこ」と言いながら すかさず ”めばちこ” に押しつける。 熱を持った櫛の...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.19 Fri 17:22
幼稚園にはタイル貼りのプールがあった。 園児が座っても胸のあたりまでしか水が来ない、 20人位でぎゅうぎゅうになる小さなプールだった。 夏の暑い日の午前中に年長さんと年中さんが入り、 水温が上がる午後に年少さんの園児が入る。 午前中に用事があって午後から幼稚園に行った時、 年長組の かいちゃんのプールの時間は終わっていた。 先生がたぶん気を利かせてくれたのだろう。 かいちゃんは年少さんと一緒にプールに入った。 しかし かいちゃんがプー...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.16 Tue 23:36
プールと言えば「かまぼこ板」である。 かまぼこ板の表には黒マジックで、 裏側には赤マジックで自分の名前を書く。 プールサイドに居る時は黒い方を上にして、 水に入るときは裏返して赤い方を見せておく。 先生が言うには 「みんなが水から上がっても赤いままの札があれば だれが沈んでいるかすぐに分かる」とのことだった。 図書室の本を借りるときも 本を抜いたところに名前を書いた板を入れておく。 誰が借りているか分かるし、本を戻す場所もすぐ分かる。 ...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.14 Sun 20:59
町内のプールから水滴をぽたぽた垂らしながら 水着にサンダルでぺたぺた歩いていたら 思わぬ災禍に見舞われた。 ビニールのサンダルの2センチ幅のヒモの部分が にゅるんと足の甲のところまで来てしまった。 つまり足が奥まで入ってしまったのだ。 いててて、と思いながら家まで慌てて帰ったが 足が鬱血してきてヒモがいよいよ食い込んできた。 半泣きになりながら母に見せると 母も慌てて脱がそうとしてくれたが ずんずん足がむくんで、もはやどうにもならない。 ...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.12 Fri 20:11
町内のプールから水滴をぽたぽた垂らしながら 水着にサンダルでぺたぺた歩いていた かいちゃんは 思わぬ災禍に見舞われた。 ビニールのサンダルの2センチ幅のヒモの部分が にゅるんと足の甲のところまで来てしまった。 つまり足が奥まで入ってしまったのだ。 いててて、と思いながら家まで慌てて帰ったが 足が鬱血してきてヒモがいよいよ食い込んできた。 半泣きになりながら母に見せると 母も慌てて脱がそうとしてくれたが ずんずん足がむくんで、もはやどうにも...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.12 Fri 20:11
夏休みの間 ずっと淡路島にいたような気がするが 実際は1週間ていどだったのだと思う。 家にいるときは 朝のラジオ体操に出て 首からぶらさげたカードにハンコを押してもらったり 町内にあった小さなプールに行ったりしていた。 町内のプールは深さが40センチくらいの 水遊び場というほうがふさわしいような代物で お母さんたちが順番に見張り番をしていた。 更衣室もシャワーも何もないので 家から水着を着ていって、終わったら濡れたまま帰る。 底...
あべゆかり の 回想法ノート | 2017.05.11 Thu 21:41
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