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月組の大劇場公演、グランステージ『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』とレビュー・エキゾチカ『クルンテープ 天使の都』の初回観劇、新トップ娘役美園さくらのお披露目、2番手美弥るりかの見納めの憶いをもっての大劇場となった。 『無現無双』は、宮本武蔵(珠城りょう)の剣豪をめざす過程と成長が、佐々木小次郎(美弥るりか)との決闘シーンも交えて展開される。次々と場面を変えて成長の過程を描き、慌しい感じはするが、多くの場面は少ない出演者で演じられ、主役が変わり続ける。ラスト...
宝塚的幻想雑記 | 2019.03.17 Sun 20:39
前楽の公演を観て思うところは、舞台全体と同じように個々の演技でも熱量が上がって、より芝居を楽しめるように進化したということだろう。笑いは増えていたことからもそう思う。宝塚での他の公演と同じように、回数を重ね、さらに新人公演を経て、芝居の熟度が高まっていた。 カサノバ(明日海りお)のセリフにアドリブが混ざり、バルビ神父(水美舞斗)もカサノバとの絡み方に粘りが出て存在感が増し笑いが増えていた。全体に進化が感じられるなかで、公演当初と変わらず安定の演技だったのはベアトリーチェ(仙名彩世)だ...
宝塚的幻想雑記 | 2019.03.10 Sun 21:05
今回花組トップして9作目の本公演になる明日海りおは、主役として作品のテーマに合わせてどのような色を発することができる。これまで2作続いたしっかりとした芝居の求められる宝塚オリジナル作品では核としての抜群の存在感を示し、今回の『Casanova』は芝居に歌にビジュアルと、何でもござれと演じきっていた。 祝祭喜劇とサブタイトルにあるとおりコメディータッチな演技に笑いが起こる場面が多い。 コンデュルメルの柚香 光は、シリアスな雰囲気ながら笑いも引き出し、歌もセリフも多くとても目に留まる役を...
宝塚的幻想雑記 | 2019.02.24 Sun 17:28
祝祭喜歌劇『CASANOVA』は主人公の史実を生かしたストーリーをフレンチロックに乗せて展開するポップでライト、前2作の本公演とは変わって明るく楽しめるミュージカルだ。 そして『ポーの一族』以降の印象のままの出演者が一体となって舞台の熱量をあげるスタイルを再び体感して、大劇場に花組が戻ってきた気がした。 シリアスな重苦しさはなく軽くコミカルに浮き立つわけでない、あまたの女性が夢中になる、これまでにない役どころの明日海りお。妖艶な黒魔術使いの夫人のコンデュルメル夫人を演じた鳳月 杏のシル...
宝塚的幻想雑記 | 2019.02.09 Sat 19:30
公演が進みカール(紅ゆずる)のセリフの間やトーンが変わって、さらに泣かせ度合いの上がった『霧深きエルベのほとり』で、悲しいけれど涙なしの場面をあてがわれた七海ひろき。カッコいい男役の最後らしいお別れだった。 七海ひろきには、カッコいいへ振り切った潔さを舞台だけではなく楽屋口へ向かう時にすら感じてしまう。カッコいい男役になり切った本物を演じるタカラジェンヌは、今は七海ひろきの他にはいない。そんな男役のさよならは涙を流しても似合わない。だから、あばよ!荷物を肩にかけ花嫁ベティ(水...
宝塚的幻想雑記 | 2019.02.03 Sun 19:27
聞いたことのある曲のオンパレード『ESTRELLAS(エストレージャス) 〜星たち〜』が、歌謡ショーにならずに宝塚らしいショーになっているのは曲のアレンジと演出によるところが大きい。 邦楽や洋楽それに韓流のポップスが多いと聞くと、ついつい宝塚らしくないショーという思考に陥る。しかし、舞台の雰囲気にマッチするようアレンジされ、原曲のイメージは遠いものに感じられた。 「スターライトパレード」(SEKAI NO OWARI)の礼 真琴、「チャンピオーネ」(ORANGE RANGE)の紅ゆずるはまさにこのパターン。 七海ひろ...
宝塚的幻想雑記 | 2019.01.19 Sat 19:34
2回目の観劇だった。『霧深きエルベのほとり』は芝居が深まって涙腺への刺激がより強くなっていた。単なる悲しい恋の物語ではなく相手のことを思いやる人たちの個性が折り重なった深みのある物語。涙を流してはいけないと思いながらセリフの数々にも心を揺さぶられた。 カール(紅ゆずる)はマルギット(綺咲愛里)の幸せを願うシンプルなセリフが多い一方で、フロリアン(礼 真琴)は冒頭から難しいことを言う。フロリアンとシュザンヌ(有沙 瞳)がいる場面でのセリフが小難しい。 冒頭で「マルギ...
宝塚的幻想雑記 | 2019.01.12 Sat 21:10
2019年の宝塚始めは、星組のOnce upon a time in Takarazuka 『霧深きエルベのほとり』、スーパー・レビュー 『ESTRELLAS(エストレージャス) 〜星たち〜』。 『霧深きエルベのほとり』は56年も前の作品と説明がなければ、書き下ろしではないかと思ってしまうミュージカルだった。 荒くれ、直情的で人情家のカール・シュナイダーを紅ゆずるが見事に演じていた。純粋で世間知らずのマルギット・シュラックを演じる綺咲愛里も負けないくらいにはまっていた。マルギットの許嫁フロリアンを演じる礼 真琴は見ようによっ...
宝塚的幻想雑記 | 2019.01.05 Sat 21:44
2018年は前年に比べると楽しめる作品が多かった印象です。1年を通して振り返ると上演作品の芸術性とエンターテイメント性のバランスがうまく取れていたようにも思います。 私の中での今年のベストは、芸術性という面で筆頭の『ポーの一族』です。美と永遠をテーマとした哲学的なストーリーに豪華で美しい衣装と舞台のセット、これに負けない花組の熱演。宝塚で上演したいという小池先生の30年来の思いの昇華とも思える舞台は、出演者、作品、演出の宝塚歌劇団の総合力が発揮された重厚なレビューでした。観終った後も作品のテーマ...
宝塚的幻想雑記 | 2018.12.22 Sat 12:59
『ファントム』4回目の観劇でした。先週までと舞台から伝わる印象が変わっていました。 今回は約替わりBパターンで、シャンドン伯爵が朝美 絢にアラン・ショレが彩凪 翔に替わり、役がマイルドに表現されるようになったことと、公演回数の経過もあるのでしょうか、エリック(望海風斗)とクリスティーヌ(真彩希帆)ともに感情表現の方法が強弱から濃淡に変わったように感じ、舞台の空気感がしっとりした印象でした。また、ショーでのデュエットダンスではリフトが復活して、前2回で観劇したショーよりも当然ながらまと...
宝塚的幻想雑記 | 2018.12.08 Sat 17:37
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