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泣かせるメサイヤにたくさんの花々たち

ミュージカル『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』はこんなにも泣かせるお芝居だったのかと思う3回目の観劇でした。これまで以上に客席のあちらこちらから鼻をすする音が聞こえてきました。   リノ、山田右衛門作(柚香 光)が将軍、徳川家綱(聖乃あすか)に天草の乱の記録を残すように命ぜられる場面、あれほど四郎(明日海りお)と対立していたリノが震える声で将軍の命に応えることを伝え、幕府の威信を保つことにあれほどこだわっていた伊豆守、松平信綱(水美舞斗)が多くの思いを抱えながら冷...

宝塚的幻想雑記 | 2018.08.12 Sun 21:51

花組は輝きが増してました

3週間ぶりに観た花組公演は、すでに完成度が高かった内容の熟度が増して、『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』の登場人物それぞれの個性が浮き立ち人物の繋がりがより明確になっていました。ショー・スペクタキュラー『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』は野口先生の作品らしい構成に安心し場面ごとに迫力というか個性が強くなって、より魅せられる内容に感じました。   『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』の舞台装置の使い方は感心するくらい見事でストーリーをより盛...

宝塚的幻想雑記 | 2018.08.04 Sat 20:08

夏も完成度の高い『WEST SIDE STORY』

この夏の大阪公演では冬の東京とは配役が変わって、あの時のような評判どおりの公演を観られるのか心配でしたが、杞憂に終わりました。 トニー(真風涼帆)を愛おしく思うマリーア(星風まどか)のあふれんばかり気持ちが後半に向ってどんどん高まり、マリーアの好演がなければラストを迎え感情が高ぶることはありませんでした。 アニータ(桜木みなと)のダンスは、居場所を確保しようとするあふれる情熱とその背後にある差別される悲しみを十分に伝えてくれました。   作品のメッセージと言える夢を持ちながら...

宝塚的幻想雑記 | 2018.07.28 Sat 20:38

花組の成長と新たな魅力

大作を見事に演じた花組が、今回はどんな公演を観せてくれるか楽しみにしていました。だから、初日の公演を観た方のブログも読まず大劇場へ向かいました。   ミュージカル『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』の明日海りおは主役として余裕たっぷりにメリハリの効いた演技と歌でラストまで作品を引っ張っていました。柚香 光の安定の演技に成長を感じられた歌、芝居をしっかり支える瀬戸かずやに悪役としての鳳月 杏の存在感、さらなる成長の感じられた水美舞斗、そして仙名 彩世のこの作品にぴったり...

宝塚的幻想雑記 | 2018.07.14 Sat 21:41

猫のようなネコ

ショー『Gato Bonito!!』での望海風斗はパワフルでよく通る歌声と重量感のあるダンスで存在感抜群の猫の親分でしょう。親分と同じように力強い歌声で寄り添いついていく真彩希帆がともにショーをリードします。猫のダンスだけの場面を魅力的にまとめる朝美 絢もいます。 舞台では皆が猫になりますが、やさしい歌声としなやかなダンスの彩風咲奈は、猫のようにショーに潜り込んで人の目をひいて、トップコンビの作り出す強い流れのショーを緩める緩衝材の役割のようで、これもまたネコのようでした。いつ観ても彩風咲奈のダン...

宝塚的幻想雑記 | 2018.07.07 Sat 21:43

絶対的な存在のラヴィック

  ラヴィック(轟 悠)の”あの凱旋門が見えない”というセリフは、このお芝居でグッと心突き刺さるラストであるはずです。 同じ原作者の映画「西部戦線異常なし」のラストで感じた同種の無常感をほとんど感じられず幕が下りてしまいました。   戦時中の暗い時代に生きること、愛をきっかけに将来への希望を見出そうとします。周りでは生と死が交差しそれらにも関わるなかで、ラヴィック(轟 悠)に希望がなかなか見出せません。これを観ていろいろな思いが沸き上がり、心に無常観が刺さることを期...

宝塚的幻想雑記 | 2018.07.01 Sun 15:58

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Jessica | 2018.06.11 Mon 19:42

フランスを感じた「凱旋門」

先週は出張でフランスにいました。帰国してすぐにフランスが舞台のミュージカルを観ることになったのは偶然です。行ったのはブルゴーニュ地方でしたがゆとりのある落ち着いた豊かな街でした。暗い時代のミュージカル『凱旋門』の恋愛は、そんな時代からの逃避ではなく、心の豊かな人々には日常の必須の行為であって、現代フランスにつながる空気を感じることができました。世界観は十分に伝わり、ミュージカル全体に芸術性が高くて見応えのある作品でした。   一方で今回のミュージカルでは、これまで3年近く観てきた宝...

宝塚的幻想雑記 | 2018.06.09 Sat 23:22

星組95期の躍動

3回目の観劇でした。 前回の観劇から3週間が経過し予想どおり練りこまれ、間の取り方に変化がついていくつかの間にアドリブが盛り込まれ、盛り上がりどころ笑いどころが一層研ぎ澄まされて、さらに楽しむことができました。 「Another World」では、紅ゆずるのアドリブが中盤以降冴えまくり、礼真琴のチャキチャキの江戸っ子ぶりが際立っていました。 ショー『Killer Rouge』は、舞台の一体感が高まっただけではなくて、客席との一体感が強くなっていました。   ミュージカルとショーを通じて活躍が目立ってい...

宝塚的幻想雑記 | 2018.05.27 Sun 21:43

ルージュは明日からのエナジー

ショー『Killer Rouge』は台湾仕様の舞台セット、『ANOTHER WORLD』の余韻が残る大劇場でどう繋がるのか、そんなことは気にならないくらいぶっ飛ばし感のあるテーマ曲でスタート。目まぐるしく出演者のフォーメーションが移り変わるハイテンポな舞台が展開されて、あの世感は吹き飛び紅(くれない)色のショーが開演しました。 トップと2番手がそれぞれの持ち味がバランス良くバリバリ歌って踊って、『ANOTHER WORLD』で垣間見ることのできた星組の組子たちの個性がショーでもそのまま伝わってきたように思える、とても楽しめる...

宝塚的幻想雑記 | 2018.05.06 Sun 18:40

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