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「また雨の季節になったら、戻ってくるから。」そう言い残し、澪は逝ってしまった。そしてその言葉どおり1年後の雨の季節に、彼女は愛する夫と息子のもとに帰ってきたのだが・・・。切ない愛の物語。 残された父と子の愛にあふれた生活。そこに現れた死んだはずの澪。また3人の生活が始まる。しかしそれは別離の予感を抱えた生活だった。どんなに愛していても、人はいつかは別れなければならない。そうだからこそ、平凡な毎日の生活も大切にしなければならない。「おはよう」「おやすみ」「おいしいね」「大丈夫?」「ちゃんと...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:32
警察人事を担当する二渡に、厄介なことが持ち上がった。3年前に天下りした尾坂部が、約束の任期を過ぎても辞める意思はないという。後任もすでに決まり、人事発表まで間がないときになぜ?調べるうちに、尾坂部の真意が見え始めてきた・・。表題作「陰の季節」を含む4つの短編を収録。 事件は警察内部で起こる。問題を起こしたのも警察官なら、それを調べるのも警察官だ。内部の事情を詳細に描いたこの作品は、作者の警察という組織に対する知識の深さを、まざまざと見せつける。殺人事件などの派手な事件を追うのではない。し...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:31
小学校の非常勤講師をしている「おれ」は、いつものように学校へ行くが、その学校には思わぬ事件が待ち受けていた・・・。小学生向けに書かれた作品を、文庫化した短編集。 ここに登場する「おれ」は、まさにハードボイルド!「非常勤」ではなく、「非情勤」というところが面白い。小学生向けに書かれた作品だが、大人が読んでも充分に楽しめる。短編一つ一つに、作者の工夫が見られる。雑誌に発表した当時は、殺人や浮気を出すとは何事かと、PTAの抗議を受けたそうだが、今の小学生、そんなことではびくともしない。親も子も...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:31
酒を飲むのが楽しみ、荷を運ぶことしかできない。そんな男の前に、月夜の晩に美しい女性が現れた。彼女は男のアパートへ転がり込むが・・・。表題作「月のしずく」を含む7つの短編を収録。 男と女、母と娘、家族。人と人とのかかわりを切なくしっとりと描いている。平凡な人生を歩んでいるかに見える人間でも、その内部には、他人に理解できないほどの悩みや傷を抱えている場合がある。そんな人達の描き出された心情の一つ一つが、胸を打つ。人はどんな場合でも、歯を食いしばって生きていかなければならない。作者はそのことが...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:31
中道隆太。彼は殺人を犯し懲役7年の刑を言い渡される。仮釈放となり刑務所を出た彼はまじめに働こうとするが、思わぬ災難が降りかかる。罪、罰、償い・・・。様々な重いテーマを抱えた作品。 人の罪は、懲役刑に服したからといって簡単に許されるものではないのか?まじめに働こうとしても、罪を犯した過去は執拗にまとわりついてくる。被害者の家族も、そして加害者の家族も、言葉には言い表せないほどの苦しみを背負って生きていかなければならない。「殺される側にも非があった。」最初そう考えていた隆太だったが、「殺され...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:31
何人もの家政婦がやめていった家。そこに住むのは、事故のため記憶が80分しかもたない、数学の天才学者だった。博士と私と私の息子のルート、3人の愛情あふれる出来事をつづった心温まる作品。 毎日通ってくる家政婦の顔さえ覚えられない。博士にとっては毎日が初対面なのだ。背広にクリップで留められたたくさんのメモが何とも物悲しい。博士と私だけの味気ない雰囲気を明るく楽しいものにしたのは、私の息子、博士がルートと呼ぶ11歳の少年だった。博士と少年の心の触れ合いが胸を打つ。博士はずっと温かな家庭を求めてい...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:30
加奈彦は出世のために、付き合っていた恋人冬美の殺害をある男に依頼する。だが、上司の娘と無事結婚し、次期社長も夢ではないと思っていたところへ、冬美とそっくりな女性が現れる。はたして彼女は別人なのか? 1977年に書かれたミステリーっぽい作品だが、2時間もののサスペンスドラマの原作のような感じだった。当時はどうなのか知らないけれど、今読んでみるとどこにでもありそうな内容だ。使い古された筋書きという思いが最後まで続いた。三浦さんの作品は何冊も読んで感動したが、この作品はどういう意図を持って書か...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:30
外科医として抜群の腕を誇る財前五郎。彼には野望があった。教授選、学術会議選・・・。地位や名誉を追い求める彼だが、その先には思わぬ落とし穴が待っていた。 大学病院という巨大な建物の中で名誉や地位を求め、お金が動き、策略がはりめぐらされる。ここでは患者さえも利害関係の対象となってしまう。財前五郎は地位を得るためひたすら突っ走る。しかし、行き着いた先で彼を待っていたのは、あまりにも皮肉な運命だった。それが、名誉や地位を手に入れるための代償だとしたら、あまりに哀れすぎる。彼は後悔しただろうか?そ...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:30
「人を愛することは死ぬこと。」それでも愛を貫こうとした静流。何も知らない誠人は、二人の関係がずっと続くと信じていた。 「人を愛することは、自分の命を失うこと。」そう分かっていても誠人を愛した静流。その愛は決して成就することはない。そのときの静流の心を思うと涙があふれた。とても切ない話だったが、読んだあとに余韻が残らない。単に、面白いとか面白くないとか、それで終わってしまう。作られすぎた物語という印象だったのも残念だった。 JUGEMテーマ:読恋書♪(どっこいしょ♪)
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:30
経営する牧場をだまし取られ、失意のうちに死んだ父。そして愛する亜木子の裏切りの行為。圭一は憎しみだけを胸に、故郷を飛び出す。そして、東京で成功した彼は復讐を果たそうとするが・・・。 人それぞれの思い。その思いがうまくかみ合わないとき、悲劇が起こる。人はなぜ人を傷つけながらではないと生きていけないのか。傷つけられたと思って生きてきた圭一も、自分の気づかないところで、多くの人を傷つけていたことを思い知る。亜木子への憎しみも、亜木子を忘れずにずっと愛し続けていきたいと思う気持ちの、裏返しに過ぎ...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 16:29
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