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JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります お馴染み「番町皿屋敷」を基にした作品。これも「一枚足りない、うらめしや〜」は知っていてもお話全体を知らないので、ひとつの物語として楽しんだ。数や誉め言葉など何かの不足に不安を感じる登場人物たち。有るから不足を不安に感じる、いっそ全部無くしてしまえば不安も消える…確かにそうかもしれない。だから最後、ほとんど皆が死んでしまうのか。 この怪談の肝は皿ではなく人の感情。愛と憎しみ、それに底なしの井戸のように何も見えてこない「無」の感情。だ...
本、読みました。 | 2020.10.14 Wed 18:22
JUGEMテーマ:ミステリ 山東京伝の「復讐奇談安積沼」を基に書かれた作品だが、ここでは、小平次は命を救われ死んではおらず、その姿を見て、殺したと思っていた側の人間たちが自滅していくという形になっている。詳しいあらすじを云えといわれても言いづらい。どの登場人物もキャラが立っていて、おかげでずっと夢を見ているような気分で読み終えた。 巷説百物語シリーズからは又市、治平、徳次郎の3人が出てくるが、特に治平は、要所で話を回す役割。それにしても、運平と多九郎とが兄弟だったエピソードは必要だ...
本、読みました。 | 2020.10.05 Mon 21:03
JUGEMテーマ:ミステリ 四谷怪談というと、お岩が出てきて…ぐらいの知識しかなかったが、ストーリーは幾つかあるらしい。そして今回、それら四谷怪談群の中に「嗤う伊右衛門」が加わったということか。岩、伊右衛門、梅、直助(権兵衛)、お袖…、悲恋に至る幾つもの行き違い。巷談百物語シリーズでお馴染みの御行の又市でも防ぎきれなかった不信の連鎖が登場人物たちを大きな不幸と狂気へと追いやっていく。切ない。ただただ切ない。 「四谷怪談を土台に見事なお話を立ち上げたものよの〜」と感心する...
本、読みました。 | 2020.09.30 Wed 20:14
JUGEMテーマ:ミステリ シリーズで云うと「巷説百物語」「続巷説百物語」と同時期の上方での話を集めたものになるので、帳屋の林蔵が主人公。7編収録されているが、1〜2編除いて、冒頭に出てくる悩みを抱えた人物がラストで悪行を暴かれる。すべてが明らかにされた後に林蔵が吐く「これで終いの金毘羅さんや」という科白には無常感が漂う。 シリーズ最終話となる「野狐」は林蔵と又市の共同仕掛け。又市の「御行奉為」が聞けて満足。百介も顔を出すが、どうせならおぎんも見たかった。しばらくしたら、このシリー...
本、読みました。 | 2020.09.23 Wed 20:42
JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります シリーズ四冊目だが、時間軸では一番前に来る。六つの中編を収録。内容は又市修行編といったところか。小右衛門も祇右衛門も、そして少しだけだがおぎんも出てくる。この頃からの付き合いや因縁だったんだね。小右衛門の登場がいい。現役バリバリ感いっぱい。この巻で登場した人物の多くが最後に亡くなってしまう。特に浪人の山崎。安らぐ場所が安らぐ場所じゃなかった皮肉。しかも子供に殺されるとは…。後の話に繋がる人物の登場は嬉しいけど、この巻だけで終わって...
本、読みました。 | 2020.09.15 Tue 21:08
JUGEMテーマ:ミステリ シリーズ三冊目。年老いた百介が体験談を語ることで、元侍だった若者たちが持ち込む難題に解決のヒントを与える。しかし語られる体験談は真相のすべてではない…。著者はこれで直木賞を獲ったのか。面白いのは前冊だったが、過去を振り返る感じが評価されたか。「もう、この国に山はないのではないか」(山男)。良い言葉だけど、審査員が高齢だったのかな。小夜という娘の正体も含め、寂しさが漂う一冊。最後、百介も亡くなるしね。あと、京極堂シリーズの「鉄鼠の檻」に名前のあった和田智...
本、読みました。 | 2020.09.09 Wed 21:16
JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります。 シリーズ二冊目。短編から中編(いや長編か)六作を収録。百介の狂言回しぶりが一冊目より明確になってきた。話のスケールでは五作目の「死神」だろうな。ページ数も多いし、それまでの作品で蒔かれた伏線を回収している点でも、この本の仕上げという気がする(最後の「老人火」はエピローグ的なもの)。 ただ、個人的には「狐者異」。ここで明かされる「祇右衛門という仕組み」がねぇ。獄門で死んだはずなのに仕組みとして残っていくというあたりは、現実世界の諸々...
本、読みました。 | 2020.09.07 Mon 20:19
JUGEMテーマ:ミステリ 短編集。7つの作品が収められている。内容は一種の仕掛人話。奇怪な現象の背後にある、人の妄執を表に出して真相を明らかにすることで、奇怪な現象を治める仕掛人たち。小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、そして彼らとひょんなことから関わることになった考物の百介など、魅力的な登場人物が仕掛人として活躍する。 又市の云う「御行 奉為」が京極堂の「憑物落とし」に通じている。しかし、京極堂ほどペダンチックでないぶん、こちらは読みやすい。巷説百物語シリーズの...
本、読みました。 | 2020.08.31 Mon 18:28
JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります。 何度目かの挑戦でやっと完読。三大奇書の中では一番短いが最も難解。読み始めて新本格派第一世代を思い出し、彼らはこういう作品に啓発されて一派を形作ったのかも…と思ったが、読み進むにつれ新本格派第一世代が紛い物に思えてきた。それくらい華麗なペダンチックさ。あまりの華麗さに眩暈を覚え、以後その眩暈から逃れられないままラストまで。読了した今も眩暈に悩んでいる。 何回か読まないと掴みきれない作品。だからといっても再度読む気には…なら...
本、読みました。 | 2020.08.25 Tue 20:50
JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります。 訳わからんかったけど面白かった。謎が解決されないまま次々と別の謎が示されるので、読んでいる自分の位置を見失う。そこでお手上げになるかその状態を楽しめるかなのかもしれん、この本は。確かに奇書。夢中遊行やら心理遺伝(千年前の先祖の心理が遺伝するんだって)やら作者の繰り出す手札の目眩まし効果の凄まじさ。結局何一つ謎は解決されないからね。呉一郎が正木博士の息子らしいことは最後に示されるが、その呉一郎と「私」が同一人物なのかはハッキリわからないま...
本、読みました。 | 2020.08.11 Tue 20:48
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