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JUGEMテーマ:ノンフィクション ある日、帰ってくると、アパートにはロンだけがいた。ロンは、私を手招きで呼び、 「おい、リュウ。カークのこと知ってるか?あいつ、通化(吉林省の地名)での仕事をいき なり、首にされて、長春に戻ってきたらしいぜ。それと、ついこないだ始めたばかりの高校 の仕事も、もう来なくていいって言われたらしい。」 「ええ?それ、ほんとか?」 そう言えば、夕方帰ってくると、ウィークデイにも拘らず、「今日は、一日、部屋の壁ばかり見て過ごしたよ。退屈極まり...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.08 Sat 16:21
JUGEMテーマ:ノンフィクション 土曜日がやって来た。L君は、カークを連れて、大型電気店のある重慶路へ。私は、と言えば、ダイブ髪が伸びたので、桂林路の床屋へ行く事に。 床屋では、いつものように 「お客さん、髪が多い上に、硬いねー。」 と言われる。若い頃から、どこの床屋さんに行っても言われる事である。私の髪は、床屋さん泣かせである。ある床屋さんからは、「ホントに硬いですね。ハサミが、通らない。」と言われたこともある。まあ、ロンのように頭の上に髪がないよりはいいかと思い直す。 桂林路の行きつけ...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.07 Fri 10:31
JUGEMテーマ:ノンフィクション 翌日、帰宅すると、カークがドアを開け放して、扇風機の修理をしていた。 「よお、リュウ。もう、王と一緒に電気店に行って、ハンダとハンダゴテと絶縁テープを買ってきたよ。」 「何とか、修理できそう?」 「ああ、大丈夫だと思う。」 と、実に嬉しそうだ。今日、修理が成功すれば夜眠れるからだろう。他人事ながら、私も少し明るい気分になった。ところが、 「ボン!」 また、昨日と同じ破裂音である。 「あ、チキショウ!」 「...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.06 Thu 10:50
JUGEMテーマ:ノンフィクション ある日のことであった。トイレから出てくると、カークの部屋から「ボン!」という破裂音が聞こえた。私は、音の正体を確かめるために、彼の部屋に行った。 「今のは、何の音だ?」 「聞こえたか?」 「ああ」 「悪い、扇風機を修理してたんだ。」 「扇風機?この寒いのに?」 「若い頃、病院の近くに住んでて、夜中にいっつも救急車のサイレンの音で起こされ てたんだ。それで、サイレンの音を紛らせるために、扇風機を使ってたんだよ。そし たら、そこを引っ越した後も、扇風機の音を聞...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.05 Wed 07:43
JUGEMテーマ:ノンフィクション カークが入ってきてから、3日ほどした頃、カークが共用部で私を見て言った。 「リュウ、ここの水は、綺麗だね。」 ため息をついて、私は答えた。 「君は、まだ何も見てないだけだよ。ここの水の色は、より取り見取りだよ。茶色・ 赤・黄色・白、何でもありだ。」 「オー・マイ・ゴッド!」 私は、ついでに、彼の経歴を聞いたときに感じた疑問を解消したくなった。 「なあ、カーク。君、空軍にいたってパーティーの時、俺に言ったよな?」 「ああ、それが、どうかしたかい?」 「君、空軍...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.04 Tue 19:39
JUGEMテーマ:ノンフィクション ロシア人の女の子たちが引っ越してくる話を聞いてから、3日ほどたったある日、仕事から帰ってくるとアパートの中から、話し声が聞こえる。あれ引っ越して来たかな? 中に入ると、オフィスで何度も会った事のあるアメリカ人のカークがいた。ロンは、私を見ると、 「リュウ、我らの新ルームメイトに、挨拶しろよ。」 と言った。 「やあ、カーク、君がここに引っ越してくるのか?」 「あれ、僕たち会った事あったっけ?」 「ああ、オフィスでも、パーティーでも会った...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.03 Mon 08:30
JUGEMテーマ:ノンフィクション ロンは、そんな事ありっこないと言った顔で首を横に振った。 「君は、担がれたんだよ。」 「そうかなー、でも社長が言ってたよ。」 「社長がか?そしたら、そうかもしれないな。じゃあ、二人のうち一人を俺の彼女に して、もう一人を君の彼女にしちゃおう。」 「そんな事あるわけないよ。」 「勿論、冗談だよ。でも、4人になるんなら、バスルームをどう使うかが問題になるな。」 「引っ越して来たら、ちゃんと話し合わないといけないね。」 「ああ、それは、そうだ。」 「凄い美人が二...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.02 Sun 07:42
JUGEMテーマ:ノンフィクション 蒸気漏れの事件から一週間後の土曜日の事である。ノックの音がしたので、ドアを開けると会社の人間が三人立っていた。 「あなたの部屋の隣に、新しい住人が引っ越してくることになりました。」 「へー、で、どこの国の人?」 「それは、まだ分かりません。パキスタンか、インドか、或いはアメリカか?」 彼らは、すぐに新住人のために部屋の掃除とカーテンの取り付けと始めた。カーテンを取りつけたのは、ロンと私が文句を言ったからだった。 私は、朝起きたばかりで、顔を洗っていなかったので、...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.02.01 Sat 19:03
JUGEMテーマ:ノンフィクション 私は、すぐに跳ね起きた。枕元とベッドの下が水浸しになっている。蒸気が漏れている部分にバスタオルを巻き、会社の人間に電話した。 会社の人間たちは、すぐに飛んできた。住居担当のJも来た。ロンは、すぐに彼女を捕まえて文句を言い始めた。二人は、激しく口論していたが、Jの方には、分がない。全て、彼女の落ち度なので、自分の面子を保てなくなった彼女は、 「もういい。あなたとは、何も話さない。」 と言って、不貞腐れる。 バカな女だ。 こっちは、こっちで...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.01.31 Fri 12:32
JUGEMテーマ:ノンフィクション 広州の空港で、入国手続きである。飛行機を降りて、空港内の建物に入ると「長春」と書いたワッペンを胸に貼ってくれる。香港に来た時と同じだ。 みんなについて歩いて行くと、入国審査らしきところに行列が出来ているので、私も並ぶ。すると、前に立っている人たちは、皆、手に入国カードを持っている。そう言えば、飛行機の中で、客室乗務員のお兄さんが、入国カードをくれた。そのとき、ちゃんと記入したのだが、どこを捜しても見当たらない。 バックパックをゴソゴソやっている...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.01.31 Fri 12:23
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