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JUGEMテーマ:Book review 「スティル・ライフ」池澤夏樹(著)中央公論社、1988年 この作家も初めて読む作家である。芥川賞の選考委員なども務めていて結構有名らしいのだが、今まで縁がなかったのである。とりあえず初期の作品を選んでみた。とてもきれいな言葉を紡ぐ人だなというのが感想である。内容的にはいまいち入りきれなかった。最近の作品を読んでいないので分からないが、同時収録されている「ヤー・チャイカ」ともども、初期の頃の著者は「宇宙と自分の関係」みたいなものがテーマであったようで、読者である...
2σの向こうに | 2010.01.24 Sun 11:05
JUGEMテーマ:Book review「パンドラの匣」太宰治(著) 友人に当てた手紙形式で書かれた小説であり、新潮文庫に一緒に収められている日記形式の「正義と微笑」と合わせて、ちょっとスタイルの変わった小説の組み合わせとなっている。まあでもいずれの作品も体裁を普通の小説に変えてもまったく違和感はなさそうだし、このスタイルがなにか決定的な意味を持っていたとは思えない。さて表題作の「パンドラの匣」は明るく希望に満ちた青春小説と評されているようだが、僕には決してそのようには映らない。むしろ、そこには常に「死」と...
2σの向こうに | 2010.01.23 Sat 00:16
JUGEMテーマ:Book review「戦場の掟」スティーヴ・ファイナル(著)、伏見威蕃(訳)講談社、2009年 イラク戦争においてなくてはならない存在、そして悪名高い存在となった民間警備会社を巡るノンフィクションである。筆者はワシントンポスト紙の記者としてイラク戦争における民間警備会社の行動を取材し、自らが同行取材した「傭兵」たちがその一週間後に拉致され、殺害された経験をしている。傭兵たちの死は、たとえそれが兵士たちと同じ軍事行動による死だとしても、公式には戦死者として記録されない。だがそういう傭兵たち...
2σの向こうに | 2010.01.22 Fri 11:41
JUGEMテーマ:Book review「阿修羅ガール」舞城王太郎(著)新潮社、2003年 魔がさしたのか、久々に舞城王太郎の本を手にしてしまった。うーん、やっぱり凄いよ、この人は。「ビッチマグネット」も残念ながら芥川賞を獲れなかったが、この独特の文体、というか今どきの中高生が使うような超口語体や大きな活字を使ったりしなければ、おそらく獲ってるんだろうなと思う。まあこういう文体がこの人のスタイルであり、まさしく舞城王太郎のシグニチャーなのだろうけど、そういうスタイルを離れてもこの人の描く世界はこの人にしか描...
2σの向こうに | 2010.01.19 Tue 00:58
JUGEMテーマ:Book review 「自転車少年記―あの風の中へ」竹内真(著)新潮文庫、2006年 なんともぬるくてスカスカの青春小説である。爽やか過ぎて気持ち悪いのである。すごく真面目な小説なんだけど、簡単に言えば文学じゃないって言うことなんだろう。まるでストーリー漫画を読んでいるような歯ごたえのなさで、なかなかページが進まなかった。という感じでやっとのことで読み終えたと思ったら、大矢博子なる人の解説を読んでまたガックリきてしまった。「青春物語としての深さとリアリティが充分だから」 はぁ? おまけ...
2σの向こうに | 2010.01.18 Mon 08:25
こんばんは。 朝晩は変わらず冷えますが、 ずっと続いていた寒さも少し和らいだ週末。 明日以降はまた暖かさが少し戻るようでほっとしています。 さて最近ユニークな本を読みました。 29歳の女性を主人公に、女流作家8人による短編小説集。 その名も『29歳』。 著者:山崎ナオコーラ/柴崎友香/中上紀/野中柊/宇佐美游/ 栗田有起/柳美里/宮木あや子 帯にはこうありました。 結婚、出産…恋、仕事 夢、迷い…諦め、自信 なにかが終わり、始まる。 ふと、自分を見つめる時。 29歳独身女性8人の“等身...
あなたの「幸運引き寄せパワー」をUPさせるヒント | 2010.01.17 Sun 22:26
JUGEMテーマ:Book review 「本当に頭がよくなる1分間勉強法」石井貴士(著)中経出版、2008年 また騙されるのだろうなという想いを抱きつつ読んでみた。結論としては、やはりまた騙されたということだ。そもそも、やれば誰にでもできるというところで僕は既に不信感を抱いてしまうのである。それがなんであるにせよ「どんなに頑張ってもできない人もいる」と書くほうが誠実であろうし、そのほうが真実に近いだろうと思うからである。そして「『継続できるか継続できないか』が勝負の分かれ目」などという言い回しは、できない...
2σの向こうに | 2010.01.14 Thu 08:02
JUGEMテーマ:Book review「子どもは『話し方』で9割変わる」福田健(著)経済界、2009年 コミュニケーションについての本である。タイトルを見ると子どもがテーマになっているように見えるが、子どもだけではなく大人同士のコミュニケーションについても大いにためになる。書かれている内容は何を今更という常識的なことばかりで特に目新しいことが書かれているわけではないのだが、わかっていながらつい忘れてしまって実践できていないことを改めて認識させてもらうにはうってつけの本になっている。しかしながらこういう類の...
2σの向こうに | 2010.01.13 Wed 15:12
伊坂さんの本を読むのは 「重力ピエロ」に次いで2作品目。 今回は伊坂作品の中でも 人気の高い「ラッシュライフ」を読んでみたのですが、 個人的には文章のかっこよさで 「重力ピエロ」の方が好きです。 内容はいくつかのストーリーが並行して書かれていて 最後につながっていくというものですが ラストはやっぱり圧巻! 題名から見開きのだまし絵、 登場人物の台詞とすべてが「リレー」のように きれいにつながっていきます。 伊坂さんの技を是非みなさんもご堪能あれ〜
子供と読書 | 2010.01.12 Tue 21:36
JUGEMテーマ:Book review 「空気を読むな、本を読め。」小飼弾(著)イースト・プレス、2009年 書評ブログで有名な人らしい。本を読むことのメリット、本の読み方、読んだ後のアウトプットの重要さ、などといったことがわかりやすく書かれている。とにかく一番大切なことは「自分の頭で考えられる人」になるということであって、そのための読書であるというのが筆者の考えのようだ。そして「なんらかの目的を持って読書をしないこと」が重要だとも説いている。僕が一番感心したのは、「テレビにしろ新聞にしろ『プッシュ型』の...
2σの向こうに | 2010.01.12 Tue 18:21
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