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昔話

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昔話
このテーマについて
 日本の昔話から外国の昔話まで。子どものころに、両親やおじいちゃん、おばあちゃんに話してもらった、懐かしいお話。
 「むかし、むかし、あるところに……」で始まり、「めでたし、めでたし」で終わる昔話は、時代を超えて語り継がれてきた奥の深いお話。
 お気に入りの本やお話しを教えて下さい。
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日本の昔話 4 より 『ていりゅうこぶし』 人間心理に根ざした化けものの正体

むかし旅から旅へ、博打を打って歩く男がいました。ある日の夕方博打打ちはある村にたどり着き、家々を回って宿をたのみました。けれども誰も旅の博打打ちなど、ろくなものではないと泊めてくれませんでした。 博打打ちは、仕方なく村はずれまでやってくると、そこに荒れ果てた寺を見つけ、誰も住んでいないことを知ると、そこに今晩の宿を借りることにしました。 博打打ちは寺に上がり込んでみると、そこには人がいた形跡があり、米も味噌も薪もそろっています。博打打ちは、ありがたくそれらを使い晩飯をこしらえて食べると、...

'ものがたり'散策 | 2018.05.24 Thu 18:31

日本の昔話 4 より 『すねこたんぽこ』 形は『一寸法師』、印象は『かえるの王さま』

むかしあるところに子どものいないじいさまとばあさまがいました。ふたりは子どもがほしいと観音様にお願いしました。 すると、毎晩すねこに、たんぱこ(つば)をつけてこすれとのお告げがありました。そのうちにいい子どもが生まれるから大切に育てれば、末は福徳長者と呼ばれるだろうというのです。 じいさまとばあさまは喜んでとんで帰り、ばあさまは早速すねに、たんぱこ(つば)をつけてこすり始めました。ところが、いつまで経ってもばあさまのすねは膨らむ様子がありません。 しかしある日のことです。ばあさまの...

'ものがたり'散策 | 2018.05.22 Tue 19:10

日本の昔話 4 より 『海行こう、川行こう』 裂けるというフレーズを結末に持つ昔話

むかしあるところに、母さんと二人の男の子がいました。ある秋の雨のしぼしぼ降る日暮れ時、母さんは息子たちに、これから湖にごみを捨ててくるから、いい子で留守番をしていなさいと、箕を着て出かけました。 ところが母さんは真っ暗になっても帰ってきません。二人の男の子は雨の中、母さんを探しに出かけました。 ふたりは、母さんを呼びながら湖のほとりまでやってきました。すると湖には、母さんが身に着けていた箕と草履がふわふわと浮いています。二人は母さんが湖に落ちたんだと思い湖に向かって叫び続けました。 す...

'ものがたり'散策 | 2018.05.20 Sun 18:28

日本の昔話 4 より 『朝日三郎の地獄めぐり』 約束を守れなかった主人公のお話の類型

昔あるところに大きな穴がありました。その穴は大きく深く、どこまでも続く不思議な穴でした。村人たちがいくら埋めようものの、埋めきれません。 そのうち村人たちは、穴の奥に何か恐ろしいものがいるのではないかと怖がりました。そこで殿様は強者で名を知られる朝日三郎に中の様子を見てくるように命じました。 朝日三郎は、殿様の命令とあっては断ることもできず、大穴をどんどん降りていきました。しかしどこまで行っても中は真っ暗でした。 それでも降りていくと、すとんと広い原っぱに落ちます。三郎は足の向くま...

'ものがたり'散策 | 2018.05.12 Sat 18:25

日本の昔話 4 より 『貸し椀淵さま』 淵の主という存在

短いお話です。 むかし、ある村に、貸し椀淵と呼ばれる深い淵がありました。村人たちは、振る舞いごとがあってお椀がいる時には、淵の貸し椀淵様に、お椀を貸してくださいとお願いしました。 すると椀を使う日の朝方お願いしていた通りの数のお椀が用意されているのです。村人たちは用が済むと必ずお礼を言って借りていたお椀を返しました。 ところでこの村には、何年も子どもの授からない女房がいました。あるときこの家でお客を呼ぶことになり、貸し椀淵様にお椀を借りにお願いに行きました。 翌朝、女房は、淵に行...

'ものがたり'散策 | 2018.05.06 Sun 18:26

日本の昔話 4 より 『やまんばの錦』 福と災い、両方を司る存在

短いお話です。 むかしある山里に、じいさまとばあさまが美しい娘と暮らしていました。 ある日じいさまとばあさまは、娘の嫁入りに着る晴れ着を買いに町へ出かけました。娘はひとり留守番をしながら機を織っていました。そこへ山姥が訪ねてきて戸を開けろと言います。 娘は恐くて声も出せず、家の中でじっとしていました。山姥は返答がないので、終いには自分で戸を開けて入ってきました。そして山姥は、娘に、腹がへっているから米を炊けと言いました。娘は言われた通り米を炊きました。 米が炊けると山姥は、にぎりめし...

'ものがたり'散策 | 2018.04.29 Sun 18:36

日本の昔話 4 より 『ひひ神退治』 日本特有の猿と犬の間柄を下敷きとする物語

むかし、旅の六部(法華経を納めて諸国霊場を巡礼する行脚僧、回国行者)が国中を旅して、ある村にやって来ました。村はちょうど秋祭りで、六部は、行く先々で餅を振る舞われました。けれども村一番の長者の家に行くとその家だけは静まり返っていました。 この村では、毎年、秋のお米の収穫が済むと、真夜中に屋根に白羽の矢が立った家から、娘をひとり村の八幡様に人身御供に差し出さなければならないという決まりがあり、もしその決まりを破れば村中の田畑が荒らされるというのです。そして今年は、とうとう長者の家の屋根にあた...

'ものがたり'散策 | 2018.04.22 Sun 18:21

日本の昔話 4 より 『捨て子と鬼』 七リーグ靴ならぬ日本の一歩千里の靴

むかしあるところに、とても貧乏な家がありました。父さんはとうに死んでしまい、母さんは一生懸命働きましたが、自分が食べるので精一杯。三人の子供を養いきれませんでした。それで泣く泣く子どもたちを山へ捨てることにしました。 母さんは子供を山に連れて行き、ここで待っておいでと置いてきぼりにします。子どもたちは辺りが暗くなっても母さんが戻ってこないので上ふたりの兄さんは泣き出しました。 すると末の弟が、泣いたってしょうがないと言って木に登り、明かりを見つけると、兄さんと共にそこを目指します。 ...

'ものがたり'散策 | 2018.04.15 Sun 18:21

日本の昔話 4 より 『なら梨取り』 末子成功譚の一類型

むかしあるところに、父親と、一郎、二郎、三郎の三人兄弟がいました。ある時父親が重い病気にかかります。医者は「なら梨の実を食べなければ助からない」と言いました。 なら梨というのは、大きな山を三つ越えていかなければ手に入らない珍しい梨の実で、今までそれを取りに行って無事戻ってきたものはいませんでした。けれども一郎が握り飯を持って、なら梨の実を取りに出かけました。 道は、行けども行けどもうす気味の悪い山道です。途中、道端で、羽を痛めたすずめが、ばたばたと苦しんでいました。けれども一郎はそのすず...

'ものがたり'散策 | 2018.04.08 Sun 18:21

日本の昔話 4 より 『松の木のお伊勢まいり』 ご利益を称える物語

むかし、村の八幡様の境内に、何百年もたった松の大木が並んで立っていました。村人たちはこれを、夫婦(めおと)松と呼んで大切に敬っていました。 ある年の春、この夫婦松が、松蔵と松代という人間になってお伊勢参りに出かけました。ふたりはお参りを済ませると伊勢の宿屋に泊まりました。宿帳には「越後の松蔵、松代」と書きました。 ところが翌朝夫婦は、宿の主人に、旅でお金を使い果たしてしまい支払いができないから、宿賃分働かせてくださいといいます。主人は忙しく人出が必要だったので、ふたりに働いてもらいま...

'ものがたり'散策 | 2018.04.01 Sun 18:13

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