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むかし、南の国のサシュの殿さまと奥方に、女の子と男の子がありました。女の子の名はタマノチユといい、男の子の名はカニハルといいました。やがて奥方は幼いふたりの子を残して亡くなってしまいます。殿さまはそれから十年もの間、妻をむかえずにいました。 しかし殿さまは、妻がいないと来客に際しても、肩身が狭いことを子どもたちに話すと、子どもたちは新しいお母さんをむかえてくださいというので、新しい妻を探しに旅に出ました。 殿さまはやっとのことで、立派な屋敷の中庭で、とある美しい婦人を見つけ、結婚を申...
'ものがたり'散策 | 2017.07.31 Mon 20:30
むかし、七里の長浜に、マツタルマンジョウという分限者がいました。 国一番の分限ものでしたが、もう四十八にもなるのに、子どもがひとりもおらず、いくら銭金を稼いでも、これでは財産をついでくれるものがひとりもいないのです。このうえは、あらん限りお寺を巡り、神さまの子でも貰おうではないかと妻に話しました。 しかし、どのお寺にお願いしても、お前たちに与える子どもはない。お前たちには銭金しか持てないのだと断られました。しかし最後に訪れたオーシの寺でやっと神様の子を授けようとの話になりました。 オー...
'ものがたり'散策 | 2017.07.31 Mon 20:28
むかし、八重山の島の、ある村に、師番(しばん)という貧しい若者がいました。 ある日のこと師番は海沿いの道を帰ってくると、突然南の海から一頭の馬が泳いできて、陸に上がりました。それは美しくて大きな赤馬でした。 師番は、しばらく馬に見とれていましたが、また歩き出すと、馬が後からぽくぽくとついてきます。師番が立ち止まると馬も立ち止まり、師番が歩き出すと馬もついてきます。 師番は不思議に思い、馬に近寄るとたてがみをなで、胴体をさすってやりました。すると馬は嬉しそうにじっとしています。 も...
'ものがたり'散策 | 2017.07.30 Sun 19:41
むかし、ある山の峠に、一軒の茶屋がありました。旅人たちは、この店で一休みしたり、弁当を食べたりしました。 ある晩のこと、もうだいぶ遅くなってから、立派な身なりをした侍が茶店に入ってきました。侍は酒を注文し、どっかと腰を下ろしました。 茶店のあるじは酒を出しながら、どこか侍の様子がおかしいことに気づきます。侍の顔はとがっているし、耳は三角で立っているし、手の甲や首のあたりには毛が生えているのです。 さては化け初めのきつねだなと茶店のあるじは気づいてしまいました。ところがきつねの方ではうま...
'ものがたり'散策 | 2017.07.30 Sun 19:39
むかし、ひとりの山伏が山から里へ下りてきました。すると村はずれの土手に、古ぎつねが一匹、日向ぼっこをしながら、気持ちよさそうに昼寝をしています。 山伏は、この古ぎつねは、よく人を化かす悪いやつだと知り、ひとつ懲らしめてやろうと、肩にかけていた法螺貝をそっとおろして、きつねの耳に当て、思いっきり吹いてやりました。 ぼおおーっ、というとても大きな音に、古ぎつねは、びっくりたまげて飛び上がり、土手の下の田んぼへ転がり落ちました。それからきつねは周りをきょろきょろと見回して、後を見い見い逃げてい...
'ものがたり'散策 | 2017.07.29 Sat 19:25
むかし、ある村に、自惚れの強い男がいました。男はいつも、きつねに化かされるようなやつは、よくよくすきのある人間だと思い込み、自分は決して化かされないと自慢していました。 ある日のこと、男の家にきつねがやってきてこう言いました。 「わたしは、この近くに住むきつねでございます。旦那は他の人間と違って、きつねに化かされるようなお方でないことを、私どもは皆ようく知っております。そこを見込んで、今夜是非お願いしたいことがあってまいりました」 男はその通り化かされることはないと言って、いったい...
'ものがたり'散策 | 2017.07.29 Sat 19:21
むかし、あるところに、怠け者のばくち打ちがいました。ある日、彼は、ばくちに負けて、有り金全部取られてしまいました。 ばくち打ちは、ぶらぶら帰ってくると、道端に古いお堂があります。そこで、彼は、お堂の脇の大きな杉の木の根元に腰を下ろして、今日の失態を嘆き、ため息をつきました。 そこへ天狗が八人舞い降りてきて、お堂の前で踊り始めます。ばくち打ちはびっくりして、お堂の影に隠れ、そっと覗いて見ていました。 天狗たちは歌いながら楽しそうに踊っています。「はあ、八天狗、八天狗」 その様子があまり...
'ものがたり'散策 | 2017.07.29 Sat 19:19
短いお話です。 むかし、中国に、「どうも」と「こうも」というふたりの剣の達人がいました。 ある日のこと、どうもがこうもの家を訪ね、どちらが剣の腕が優れているか手合わせをしてみようと申し込みました。 こうもはよかろうとうなずいて、それではどんな方法で手合わせをするのだと聞き返しました。 どうもは答えるに、ひとりずつ順番に、相手の首を切り落とし、それを素早くまた胴体にくっつけられたほうを勝ちとしようといいました。 こうもはそれは面白いと承諾します。 そこでまずは、どうもがこうもの首...
'ものがたり'散策 | 2017.07.28 Fri 18:31
短いお話です。 むかし、ある海辺の村に、物知り自慢の男がいました。けれども村の衆は、それが知ったかぶりだといっています。 ある日のこと海辺にやかんが流れ着きました。村の衆はやかんなど見たことがなく、よってたかってこれはいったいなんだろう、なにに使うものだろうといい合いました。 そこへ物知り自慢の男がやってきて、これは戦のときに頭にかぶる、かぶとというものだといいました。 すると村の衆は、やかんのつるをいじって、これはなんだと物知り自慢の男に聞きました。物知り自慢の男はあごひもだと...
'ものがたり'散策 | 2017.07.28 Fri 18:29
むかし、日本には仁王、唐の国には賀王という、たいへん力持ちの男がいました。 あるとき、仁王は、賀王と力くらべをしたくなり、船に乗って、はるばる唐の国に渡り、賀王の家を訪ねました。 すると賀王の母親が出てきて、賀王は今山へたきぎを取りに行って留守だけれど、じき帰ってくる頃だから、たばこでも一服しながら待ちなさいと言いました。賀王の母親はそういうと、片手でたばこ盆を持ってきて上がり口に置きました。 ところがこのたばこ盆、何でできているのか知りませんが大変重く、仁王の力では引き寄せること...
'ものがたり'散策 | 2017.07.28 Fri 18:28
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