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むかし、あるところに、名の知れた分限者の家がありました。ある晩一人の旅の六部がこの家にやってきて、一晩の宿を頼みます。 分限者の家では、泊めるのは構わないが、ろくなもてなしはできないとのことです。六部は、それでも、泊めてもらうだけで助かるので頼み込んでお願いしました。 この家は屋敷は大きいけれど、人手もなくがらんとしています。六部は広い座敷の真ん中でぽつんと寝かされました。 真夜中のことです。六部は、かやかやという子どもたちらしきものの声で目が覚めます。子どもたちは、はしゃいでいるよう...
'ものがたり'散策 | 2017.07.18 Tue 18:26
むかし、ある国に、年寄りはものばかり食べて役に立たないから、六十歳になったら山へ捨てるべしという殿様の掟がありました。掟を守らないものは厳しく罰せられました。それで誰しもそのようなものだと諦めていました。 この国に三吉と三太という親孝行の兄弟がいました。そして、ふたりにも、母親を捨てなければならない時がきます。ふたりは母親を山へ連れてゆきます。 しかし、こんな時でさえ、子どもの幸せを気遣う母親に、兄弟はどうしても母親が捨てられず、家に連れて帰りました。そして、家の床下に穴を掘って見つ...
'ものがたり'散策 | 2017.07.17 Mon 19:11
むかし、山の温泉場へ、とある長者のひとり娘が湯治に行きました。その温泉場へ、やはりひとりの若者が湯治にきていました。ふたりはともに美しく、いつの間にか親しい仲になりました。 そのうちに、娘が家に帰ることとなり、まだお互いに名前も告げていなかったので、娘は「恋しくば、たずねきてみよ十七の国。くさらぬ橋のたもとにて、夏鳴く虫のぼたもち」と、謎掛けの歌を書いた紙切れを若者に手わたし立ち去ります。 若者は娘と別れてからというもの、娘に会いたいと思う一心でしたが、娘に渡された紙切れの、歌に書か...
'ものがたり'散策 | 2017.07.17 Mon 19:09
むかしある峠に、一軒の茶屋がありました。そこには美しい娘がいて、母親はこの娘をとても可愛がっていました。ところがあるときこの母親は重い病にかかり娘をのこして死んでしまいます。 一年経つと父親は新しい母親をむかえました。新しい母親は娘が憎くて憎くてたまりません。ある日のことこの継母は、娘を花見に誘い山奥に連れていきます。そして娘を木に縛りつけると両手を切り落とし、自分はさっさと家に帰ってしまいました。 そこへちょうど猟師の若者が通りかかり、気の毒に思った若者は娘の縄をといてやり、山の炭...
'ものがたり'散策 | 2017.07.16 Sun 19:37
むかし、あるところに、お月とお星という、ふたりの美しい娘がおりました。お月は亡くなった母親の子供で、お星は今の母親の子どもでしたが、ふたりはとても仲のいい姉妹でした。 母親はふたりを公平に扱っているものの、本心では、もしお月がいなければ、お星をもっとかわいがってやれるのにと思っています。そしてある時、母親の本心が建前を凌駕してしまいます。 母親は内緒で、お月に毒まんじゅうを食べさせようとしました。しかしお星がこっそりそれをお月に知らせ事なきを得ます。 母親は今度、寝込みを襲って、天...
'ものがたり'散策 | 2017.07.16 Sun 19:35
むかし、あるところに、三人兄弟がいました。上から太郎、次郎、三郎といいます。あるとき太郎が山奥に化け物がいるというのを聞いて退治に出かけました。 ところが太郎が戻ってこないので、次は次郎が出かけていき、次郎も帰ってこないので、三郎が出かけて行くこととなります。三人は同じ行程を踏みます。 その行程では、白髪のおばあさんに始まり、滝や笹原などの様々な自然物が、兄弟に行くか帰るかの判断を下します。 太郎、次郎は、途中で出会うものたちに、さんざん戻れ、帰れといわれますが、それらの制止を振り切っ...
'ものがたり'散策 | 2017.07.15 Sat 18:33
子どものいない、じいさまとばあさまに、ある日きじの卵から生まれた子供が授かります。じいさまとばあさまはその子に、きじない太郎と名付けました。 きじない太郎は食べれば食べるだけ育ち、やがて力の強い子どもになりました。彼はある時、鬼の目玉を取ってくると言い出し、両親の制止にもかかわらず鬼ヶ島に向かいます。 きじない太郎は途中で出会う、いわない太郎と、たけない太郎を引き連れて、鬼ヶ島に向かい、そして着きました。 鬼ヶ島では、早速、鬼とすもうを取ることになります。しかし、いわない太郎とたけ...
'ものがたり'散策 | 2017.07.15 Sat 18:31
むかし、あるところに、働き者の優しい娘がおりました。娘は朝早くから晩まで真っ黒になって働き親を助けました。 夜は夜で、よそから麻糸の束を預かり、遅くまで起きて、糸をつむぎ、暮らしの足しにしていました。 ある晩、娘は、いつものようにカラカラと糸より車を回して糸をつむいでいましたが、そこに鬼婆が現れます。 娘は怖くて震えていると、鬼婆は麻糸を奪うなり、それを大きな口に放り込んで、もりもりと食べてしまいました。 娘はよそから預かった大事な麻糸を食べられて泣いていると、鬼婆は泣いていない...
'ものがたり'散策 | 2017.07.14 Fri 18:28
むかしあるところに大きな淵がありました。その近くの村にたいそうお金持ちの家があり、美しい娘がおりました。娘にはあちらこちらに縁談がありましたが、娘はどこへも嫁ぎませんでした。 ところがその娘、突然、姿を見せなくなってしまいます。両親は嘆き悲しみ、ほうぼうに人をやって娘を探させましたが見つかりません。やがて、誰が言うともなく、娘は淵の主になったと言われるようになりました。 それから長い年月が経ちました。ある日のこと、村の木こりのじいさんが、淵のほとりで木を切っていると、手を滑らせてしま...
'ものがたり'散策 | 2017.07.14 Fri 18:27
むかし、早池峰山(はやちねやま)の麓に、磐司(ばんじ)という腕利きの鉄砲打ちがいました。 ある晩遅く磐司の小屋に、ずしんずしんと地鳴りを響かせながら訪れるものがいます。それは、この山にずっと住む、背の高さが一丈もあり、顔が二つで、目が一つ、足が一本という山じいと呼ばれる恐ろしい化け物でした。しかし、あらんことか、山じいは磐司の鉄砲打ちの腕を見込んで助けを求めにきたのです。 山じいによると、この美しい早池峰山を乗っ取るために別の山から乗り込んできた山じいがいるというのです。そいつを磐司の鉄...
'ものがたり'散策 | 2017.07.13 Thu 19:03
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