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昭和56。 「年輪」主宰。第9句集。 書の稜(かど)の鋭きを愛せり桜桃忌 秋空に手をあてて手を書にもどす 藁塚にのせればすべる旅鞄 短日や返しにゆきし貰ひ猫 鳥雲に個人タクシー顔を出す プリマドンナ氷河のごとき毛衣を 古き世の剣立ててある壁炉かな 鷹匠の指さしこみし鷹の胸 人とほるたび稲架鴉羽を割る 氷にも雪にも僧はおどろかず 春愁や心の中に金の斧 玄冬の夜雨ハープの糸に似し JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.05 Fri 23:00
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和4年7月24日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:12名 投句者:4名 本年度最初の中央支部摂心会を終えて、安堵の間もなく、暑さ厳しい日の句会でした。 最高得点者は、またまた ”のりこさん”でした。 今回の兼題は「夕立」「団扇」「蛍」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 大寺の甍の波や夕立晴れ 幽谷先生 ゆうゆうと団扇に遊ぶ黄金虫 霞山老師・ ...
座禅修行だより | 2022.08.01 Mon 09:49
1967年。 「寒雷」主宰。第10句集。 乳児の声黴の中よりほとばしる 顎に汗怠けてゐるも楽ならず 薔薇の前牡丹の前と声かはる 薔薇見ては妻が詠む句をのぞきをり 柿出して巧みな論をぶちきりぬ 秋耕や牛のふぐりはきらきらと 雪を来て少女等の語尾舞ふごとし きさらぎの路地曲りまた月に逢ふ 稲妻の後静かなる答あり 水盗む良心などは雲に問へ 雪がこひ牛の首出て一鳴す 汗の筋指で辿れば臍にあふ 炎天やもう汗の出ぬ老婆の顔 恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.31 Sun 22:52
平成3。 「霜林」同人。第2句集。 Tシャツの胸の横文字知らず着る 宿直の一人のための虫しぐれ 露天湯に女入るたび月融ける 皮むいて梨の球形掌にのこる コスモスへ跳び込みし犬呼んでゐる 日本海より風が来て日本晴 伐る話ある大榎小鳥来る ジーンズの何と窮屈松手入 露といふ白一色も動きをり 浮子動かざれば秋色水に在り 本物の月曽根崎に近松忌 海時雨女坐りの駱駝立つ 百僧の経一僧の咳まじる 唇をひらくはなびら餅のため 黒よりも硬き白髪寒の極 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.28 Thu 00:41
昭和44。 「雲母」主宰。第4句集。 風吹いて月よみがへる梅雨の町 バイブルは常に重き書夜の秋 秋の蝉まつはる入日解きがたし 落葉踏む足音いづこにもあらず 遺書父になし母になし冬日向 亡き母の草履いちにち秋の風 大根を抱き碧空を見てゆけり 冬の灯の消されてきえる児童の絵 山々のはればれねむる深雪かな どの子にも涼しく風の吹く日かな 秋風に病躯うしろを見せてゐる いづこにも冬日いちにち来給はず 左手より冷たき右手の月明り 絶壁に蒼空切られすみ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.17 Sun 23:58
平成16。 第2句集。 冬波に向へばあつきわがめがしら 鶴渡る大地の阿呆日の阿呆 蝶ひかりひかりわたしは昏くなる 炎天の巨きトカゲとなりし河 鱗雲 流れ弾きて流れたり 蒼天のキンキンと鳴る釘をうつ 一輪のきらりと花が光る突撃 枯原の風が電車になつてくる JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.17 Sun 00:12
昭和42年。 第2句集。 一本の鞭にて野火をただすなり 炭小屋に汚れて事を忘れる母 子の下宿さはれば物の強き凍 舟を漕ぐのけぞる方に花万朶 白障子までひとすぢに畝起す 花野より天に四足を駈けし犬 なき母の声あかぎれの割目から 少年の鞄ぎつしり雪の遅刻 裏で悴み曲馬団湯茶をのむ 抽斗を引けばかすかな涼気たつ 汗かきて大阪の母甘酸つぱ 一塔婆一死に増えてきりぎりす 遠吠や銀河に小窓一つあく JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.10 Sun 23:36
1955年。 「寒雷」主宰。第2句集。 沈黙の金、玉蟲と夕焼と 唖蝉や鳴かざるものは暑くるし 黄金蟲灯に酔ひ兜蟲は攀づ 黴の中言葉となればもう古し 石の蝶金色すべく没日まつ しぐれをきし額をもつて熱診られ 落葉何かに辿りつかんと光るなり しづかなる力満ちゆき螇蚸とぶ 胸の書が音してひらく秋の風 雪は雫に夜は妻の手あたたかし JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.08 Fri 00:22
昭和55。 「かつらぎ」主宰。第2句集。 お遍路の合掌ながく且つかたく 雲海に指の穴ほど日本海 彼処焼け此処のこる街卒業す 解夏の門斯くも大きく開かれし 北窓を開け父の顔母の顔 風花の我より君に逃ぐるあり 足音が固まつて来る寝釈迦かな のびちぢみしてのびてゆく浪涼し 生身魂きざす涙を笑ひ草 夜学の師一語吃りて又一語 そぞろ行くここらが月の瓶原 しぐれつつ路傍の石も成仏す 投げし音耳に反りし慈善鍋 高き画架低き画架組むさくらんぼ 手に細り...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.02 Sat 21:50
昭和46。第3句集。 桃の花こぼれし死後の長廊下 太宰忌の支線岐れて郷に入る としよりの後手恐き稲雀 看護婦は春蚊捕へて血を見せず 母達や数珠繰るごとく栗を選る 天蓋に八面玲瓏大ざくら 前足の手をつきあはれ雪を這ふ 笛吹きて嫁どり知らす稗の秋 ダムのぞく霧の中より顔出して 花屑に手をやる髪に知らされて たたへたる白息出して心吐く 露けくて蚊を合掌の音に打つ 花吹雪わが急診の先走る 多佳子忌や峯雲小突き合ひながら 草の花羊は蹴らず躓かず ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.06.26 Sun 00:20
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