[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
平成11。 「狩」同人。第1句集。 寒紅をさしてをさなきことを言ふ ちぎり絵の糊のはみ出し春隣 もてなしの冷房強くうちとけず 皓き歯のいよいよ皓しサングラス 底履きの厚きゴム底小鳥来る 背凭れのなき民具椅子春愁ひ 豊かならざる胸に挿し愛の羽根 焼芋の灯へ自転車の灯がとまる 寒戻りちりとも鳴らぬ猫の鈴 片方の手の芝に触れ籐寝椅子 数へ日や買ひ足すものに電池二個 ラケットの柄を沈ませてうまごやし 喪の家やかたちばかりの日除して 耳打ちの白息こ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.05.08 Sun 23:18
1998年。 「天塚」主宰。「狩」同人。第6句集。 ペン先で人めつた切りペン始 ひなあられ十粒添へられ患者食 夏場所や化粧まはしに星条旗 出目金を買うて龍宮城も買ふ 少年の獄舎に高き鯉のぼり 敬老といふ一番にいやな日よ また逢ふを約してくれず蛙の夜 なにひとつ持たずに鶴の帰りけり 鳥曇この世あの世も絵そらごと 皿のものふるへどほしや川床涼み 鳥渡る恋の一句もなき子規よ しぐるるやいもぼうの灯のほうと点く 善人の顔して挿しぬ赤い羽根 師に叛き父...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.05.04 Wed 21:50
平成14。 「運河」「晨」同人。第1句集。 膝揃へ直して子より御慶受く 金亀虫飛び映画ロケ撮り直す 岩を動かして半裂見せくれし 遭難の追悼といふ登山かな 石鯛の魚拓とりゐて墨足らず どぶろくの瓶レッテルを貼りをらず 女正月家にひとりにして貰ふ 鳥巣箱岩に片足かけて掛く 田楽の味噌温めてゆるめけり 玉虫の色薄翅に及びゐず ごり汁の上澄みに浮く目玉かな 剃髪の前夜の髪を洗ひけり 雪催鷲ヶ峰から鷹ヶ峰 人間に疲れ花には疲れざる 月祀る春日曼陀...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.05.01 Sun 22:40
昭和62。 「狩」同人。第1句集。 初鏡座して鏡の奥も拭く いわし雲佐渡と越後をつなぐもの 筆の穂を正して経を写し初め 磨崖仏見上げ遍路の息正す 祖父の墓洗ふ一升瓶の水 国宝の鐘の撞木に蝸牛 髪の冷え己が髪とも思はれず 草いきれ牧場つづきの屠殺場 流燈会母に遅れて父流れ 漉紙を売るにも正座紙漉女 騎馬戦の戦はずして総くづれ 白息が触れ白楽の朱唇仏 夜の桜昼の桜と見て飽かず ごきぶりの知りつくしたる逃げつぷり 流氷の位置定まらず昼も夜も ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.04.29 Fri 23:09
1991年。 「狩」同人。第1句集。 どの牛も眼の濡れてゐる涅槃西風 まつすぐに白れんに来る闇と思ふ 遠足の両膝卓にして昼餉 牛蛙鳴いて野の星山の星 盛大に鍋をよごしてキャンプ果つ 頭を過ぐる山靴の音明易し 地に置きて盆提灯の地を照らす 自転車に鍬をくくりて涼新た 人の死に順序のあらず花八手 囀りへ向けて郵便箱の口 恋ボートしばらく櫂の息あはず 蝉採りの去りたるあとの蝉しぐれ 火を放ち枯野の風のかたち見ゆ 石よりも風につまづき芝焼く火 真四...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.04.21 Thu 12:45
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和4年4月10日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:12名 投句者:3名 春がいっきに過ぎるかのかと思えるほどの気温となった日、最近では最多の参加者があって、賑やかな句会となりました。 最高得点者は”蕉山さん、義幸さん、竜穏さん” 今回の兼題は「陽炎」「桜貝」「辛夷」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- ※薄味に馴れし味噌汁春や逝く 幽谷先生 掌におさま...
座禅修行だより | 2022.04.19 Tue 20:54
平成8。 「鉾」主宰。第3句集。 明日は明日浮浪者今を日向ぼこ 葬を待つ河鹿の声に耳すまし 蜂を追ふ日頃使はぬ箒にて 墓に挿す供華に直ちに蜂が来る 眼に留めし福娘より笹を受く 花の灯が消えて一山真つ暗に ちちろ鳴く城塁のどの隙間にて 天高し磴千段を上りつめ 那智を去る瞼に滝の落ちつづけ 真白の睡蓮ひらく爆心地 ベビーカー待たせて置きて墓洗ふ 天高し穂高連峰丈競べ 凍筒に供華を捻じこむ三鬼の墓 とぐろ巻く庭のホースが雪を被て 春星のいづれ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.04.14 Thu 00:30
1994年。 「狩」同人。第3句集。 雨を呼び雨に呼ばれて枝蛙 籐寝椅子きしませわれをとりもどす 釜の底鳴らす越前蟹の爪 寄鍋の火を消してより座の乱れ 網棚に一物もなし初電車 老鶯の声を重ねて二尊院 いなづまやおくれてうごく馬の耳 天高うして流木の頭をもたぐ 木の葉髪ひとすぢ徹夜稿の上 木枯や驢馬は大きな耳を伏せ 春雷やみじろげば鳴る鍵の束 榾に火の着くまで髭の顔上げず 雪捨てて雪国の川溢れさす 下萌えに積まれて袋売りの土 指笛を吹く野火く...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.04.10 Sun 13:50
2014年。 「天為」同人、「石堂庵」庵主。第3句集。 風葬の島の南風に吹かれけり 過日とは過てる日か古暦 朝市のまづは雪掻く竹箒 涅槃図の象に隠れて何かゐる 無惨やな醤油の沁みる白魚の目 夏空を漕ぐかに母のミシン踏 ゆく川の二つ交はりながら澄む 草餅や初耳なれど既知のふり アナキズムの黒もて鎧ふ油虫 縄跳びをいつまで母の帰るまで よどみなく言つて七草粥を吹く 笹鳴や女を知らぬ童子仏 植樹祭陛下に息を合はせ植う 緬羊の顔黒(がんぐろ)光る夏の...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.04.04 Mon 23:36
2001年。 「氷室」同人。第1句集。 星冱てて望遠鏡を離れぬ子 須弥壇へ底冷の階上りけり 囀の中の一羽に籠の鳥 すこやかな飛天の蹠夏兆す 夕焼けて試合に負けし子の帰る 合掌の仏に首(かうべ)なき炎暑 傷深き葉より風来る破芭蕉 盛砂の影尖りたる冬日向 初湯して自愛の心きざしけり 寒林やわが足音に振り向きぬ ゆく春や吾いつよりか雨女 たてがみに風あそばせて日の永き 教へ子が集金に来て年暮るる 風光る子はフラミンゴ色の爪 うらうらとけふ夢殿の扉...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.04.01 Fri 23:18
全1000件中 231 - 240 件表示 (24/100 ページ)