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平成14年。 「泉」同人、「聲」会員代表。第2句集。 病み抜いて母は蛍となりにけり 刃物売り秋風切つて見せにけり 校長のしばらく子供神輿押す 菊人形背筋に水を差されけり 即身仏かさりと雪の崩れけり 礼をして耳うつくしき卒業子 夏料理ましろき紙のかぶせある 波ひとつづつ踏み歩く盆休み 火祭りの炎粘つて来たりけり 踏青の影のいくつも生まれけり 秋の滝音から落ちて来たりけり サングラス波ゆつくりと崩れ出す 羽衣を忘れてきたる昼寝覚 濁流を一本と...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.03.31 Thu 23:45
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和4年3月27日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:8名 投句者:9名 主宰幽谷先生の体調不良による欠席もあり、出席者より投句者のほうが多く、すこし寂しい会になりましたが、句数は多く119 句でした。 最高得点者は“蕉山さん” 今回の兼題は「春雨」「古雛」「芽柳」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- ※春雨といふほどもなく ...
座禅修行だより | 2022.03.29 Tue 16:59
2017年。 「春燈」主宰。第1句集。 ゆく春の何に涙や子の寝顔 蝸牛や勤めある身は影を曳き 竹春の雲は高きをわたりけり 山笑ふことに雑木の明るさに 海やまに海やまのこゑ終戦忌 八月や覚めて畳のひややかに 触れあふは囁くに似て冬木の芽 泰山木男の白さもて咲けり ひとすぢの月光となり滝落つる 牛の眼も雲も八月力充ち 初日記日のあるうちに記しけり 幼児の文字こそよけれ寒見舞 姉弟の指のよく似てさくら餅 斯かる夜は母在るごとし遠蛙 狐憑いて月に舞...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.03.24 Thu 22:27
2015年。 「蒼穹」同人。第1句集。 コスモスの丈を違へて瓶にさす 山眠ることの遅さよ午の年 能面の奥より響く梅雨の声 天の川手枕をして読む源氏 薄墨に溶けたるごとき初夢や 初夢の駿馬は先を駆け抜けぬ 鉛筆を回す思考や日脚伸ぶ 海苔好きの母は動けぬ人となる 長閑さの隙間を抜けし野球音 沢山葵大葉の蔭に眠りけり 罫線を真直ぐ引けば風薫る 遠雷やペンの重さの返事書く 公園は無人となりて小鳥来る JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.03.10 Thu 23:46
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和4年2月27日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:10 名 投句者:5 名 梅の開花も告げられ、風にもやっと春の兆しが感じられる一日でした。 最高得点者は ”のりこさん” 今回の兼題は「春浅し」「梅見」「白魚」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 白魚の旬と貼紙天麩羅屋 幽谷先生 車窓より流れる雲や春浅し 霞山老師...
座禅修行だより | 2022.03.09 Wed 14:43
平成13。第5句集。 読初めやコミンテルンの崩壊史 落椿大地の鼓動聴くかたち 客容れてから風鈴の舌はしゃぐ 手を離れ手へ戻る子や青き踏む 扇風機生くるに飽きし如き音 眦に光るもの溜め角切らる 交響曲終り師走のシャンデリア 峯雲の下剋上むくむくとかな 寒鴉なゐ跡に唖々人へ唖々 古稀傘寿頷き合ひて心太 三尺寝臍のゆがみを覗かせて 月へ来て妻透明となりにけり 落とし水土を噛み土水を噛み 吸ひながら煙草やめると四月馬鹿 マネキンにまばたきなかり...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.03.02 Wed 12:30
平成25。 「草苑」同人→「草樹」会員。第1句集。 マフラーの結び目太く少年来 ふらここの蹴上げる空の軽さかな 初恋も失恋も海ソーダ水 葉桜となって漢の空となる シャガールの羊と冬の午後に居る あきらかに梟こちら見て居りぬ 石鹸玉吹く口をして子の眠る 入学の子の振り返る目と合いぬ 真砂女忌となる日の膳のほたるいか 品書きの墨匂い立つ良夜かな 時の日のひとそれぞれの影の丈 日の中で少し膨らみ寒雀 吹雪の夜軍医の顔に戻る叔父 新巻の目にう...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.22 Tue 00:31
2010年。第1句集。 はつきりしない人ね茄子投げるわよ C難度宙返りせる春のたましひ 初夢に小さき人を踏んでしまふ 少しだけ飛ぶにはとりやゐのこづち 目覚むれば人の家なりチューリップ おたまじやくし諸手に掬ふこぼれ落つ 音高く庖丁つかふ立夏かな 恋文をみせあふ少女百日紅 布かけて文鳥の籠冬深む 少年の手淫にねむる小雪かな ポケットに去年の半券冬の雲 膝たてて膝の匂ひや冬深む きみみかんむいてくれしよすぢまでも 草踏んで会ひにゆくなり日の盛り ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.20 Sun 12:30
2018年。 「森の座」同人。「群星」代表。第3句集。 嫁ぐかの柩の母の花衣 籐椅子に坐すや亡夫の押し返す そこここに爆ずるゴーヤや敗戦日 枯れきつて骨うつくしき欅かな 麓まで垂るるその列初詣 冬耕も詩嚢も天地返しかな 兵卒の大きな墓標冬菫 冬日撥ね枯山水の波頭 吾を照らすナースやバレンタインの夜 種牛の波打つ背や下萌ゆる 料峭や老攫ひゆく介護バス 御虎子(おまる)へのうんち初めて桃の花 高階の玻璃満帆に大南風 大小の無き万国旗青嵐 まるで...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.17 Thu 22:49
昭和52。 「寒雷」「陸」同人。第1句集。 子の頭撫づ雛の髪よりやはらかし 乳房躍らせ盥に春の水を張る 風しづむたび雛罌粟は蝶を飛ばす ラムネ飲む壜の底より白鳥座 いぶかしみ金魚近寄る無精髭 天の川ひとは音たて尿りなす こほろぎや足でさぐれど下駄揃はず 降誕祭頭上を走る暗き梁 三伏の鉄鍛つ貌やわめくに似て 転げ出てピーマンそれぞれ肩怒らす 青簾主婦を忘れし妻匂ふ 肉となり鯉の冷たさ重さ掌に 一大鉄塊地鳴りして来てラッセル車 身にとほき手足...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.13 Sun 15:10
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