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平成20。 「風」「雉」同人。第1句集。 絞る矢に頬ひきしめて弓始 六波羅に垂れ乳寒き奪衣婆 涅槃図の裾の蝋燭象照らす 清凉寺いま開帳の鉦太鼓 縄跳びの子の長き影草紅葉 流鏑馬の的をとらへしこだまかな 勝馬をしづめて繋ぐ楠大樹 駅毎にあきつ飛び交ふ宮津線 棚経や何でも入る頭陀袋 金閣の大揺れ真鴨着水す 声あげて禰宜落馬せり賀茂祭 春昼の赤子指より目ざめたり 十二神将燭それぞれに年新た 水涼し社家に石橋一つづつ いぼむしり身がまへしままこ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.07.25 Sun 21:07
平成19。 「きりん」会員。第1句集。 夕刊に枝豆一つ零れけり 西陣の機音越ゆる大暑かな 村人の目覚めは早し山桜 まんさくの咲きて国際会議かな 廃校の今日は賑はふ盆踊 水仙や柾目の通るカウンター 月下美人むかし郭の大座敷 声あげて鉾まで届く粽売り 秋刀魚焼く路地の奥から機の音 生涯の平屋暮しや鵙高値 着膨れて肌身離さぬ鍵一つ 武者震ひして噴水の立ち上る 坪庭は終の栖やひきがへる 大滝の落ちて大空真青なる 弘法さん天神さんも時雨けり 雲...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.07.16 Fri 22:13
昭和55年の復刻版。 大三十日愚なり元日猶愚なり めでたさも一茶位や雑煮餅 日一日同じ處に畠打つ 涼しさや瀧を茶に煮る瀧の茶屋 夏嵐机上の白紙飛び盡す 舌頭に千轉するや汗の玉 子は寝たり飯はくふたり夕涼 蝉に遠く蛙に近し裏二階 眠らんとす汝静に蝿を打て 夕暮の小雨に似たり水すまし 草花を壓する木々の茂かな 瓜好きの僧正山を下りけり 秋立てば淋し立たねばあつくるし ある僧の月も待たずに帰りけり 芒伏し萩折れ野分晴れにけり 御佛に供へあま...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.07.12 Mon 23:01
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和3年7月4日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:11名 投句者:5名 大雨の中、幽谷先生の出席があり、2回のワクチン接種を終えた蜂生さんの久々の参加もありましたが、わらさんが体調不良で欠席となりました。 また、誠に残念な報告ですが、長年活躍された栗原道妙さんが体調を崩され引退されることになりました。 最高得点者は、また常連の“のりこさん”でした。 今回の兼題は「向日葵」「冷奴」「高...
座禅修行だより | 2021.07.08 Thu 14:50
平成24。 「百草俳句会」主宰。第3句集。 凍滝となりきれぬ水弾けけり 散策のいつか本気に蕨とり 郭公に鳴かれ師の句碑去りがたし 今日はじまる渦ほどけゆく薔薇を褒め ぎつしりと戦没者名蝉しぐれ 刈田道亡骸ゆくに明るすぎ 空に目が生れ鯵刺急降下 目を上げることなき驢馬よ夕焼けて 蓮の葉の露蓮の葉にこぼれけり 青空のもの盗るやうに柿を捥ぐ 遠富士がいちにち窓にお元日 流れゆくものにも影や冬の川 人垣に押し出して来て荒神輿 麦秋の雲脚迅き...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.06.22 Tue 13:16
JUGEMテーマ:俳句 6月の坐忘会に私が投句した中の2句をご紹介したい。 今回は、発想を広げるための観点で季語ではない「恋」が兼題に加えられた。 1句目は、”君あての 古る恋文と 夏の夕” 先日、妻の実家を訪れた時である。80歳を過ぎた義父が、義母に宛てた若き日の自筆の手紙 をじっくり丁寧に読み返していた姿に深い感銘を受けた。義母は、その姿をテーブル越しに眺めている。ちなみに、私も若い頃、妻宛てに手紙を何通も書いた。たぶん、妻は今でも自宅のどこかに置いているはず&hel...
座禅ブログ | 2021.06.22 Tue 09:49
1998年。 「橡」同人。第1句集。 横断路厚着の老にすがらるる 修二会果つ良辯杉に星もどり 啄木鳥や釘一本の荘の鍵 亡き犬に似しが花野をよぎりけり 星涼し山羊いつまでも草の上 朝市や言ひ値くづさぬ息白し 風に耐へ人に耐へゐるさくらかな 大やんま捕へて兄の威を保つ 霧濡れの鼻のか黒きとから山羊 鷲放つのみ知床の山眠り 凍鶴の踊りを待てり吾も凍てて 泊船に乗り移りしか雪女郎 摩周湖や幽かにはしる雪解靄 恐山地獄極楽しぐれけり 老ゆるほど学ぶも...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.06.17 Thu 21:55
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和3年6月6日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:10名 投句者:7名 句 数:119句 前回に続いて幽谷先生の出席も叶い、また千鈞庵霞山老師からの投句あり、近年最高の句数が集まって活気ある会になりました。 今回の最高得点者はまた常連の“のりこさん”でした。 今回の兼題は「閑古鳥」「香水」「恋」でした。 ------各自の高得点句を紹介します。-------- ...
座禅修行だより | 2021.06.12 Sat 07:31
2000年。第1句集。 満開の明日散るといふ桜かな み仏に囲まれ長閑骨董屋 石投げて薄氷を割る寂しいよ 政治家の言葉奇麗よしやぼん玉 梅雨あるもなくも不平の凡夫かな テディベア持たされて泣く七五三 初みくじ顔で表す吉か凶 JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.06.09 Wed 20:58
2004年。 「撫子」同人。第1句集。 子より受く汗の重さのユニフォーム 短日や忘れし文字はかな書に 着ぶくれて笑まへる母が夢枕 花柊終生母は粧はず とむらひの後木蓮の風ばかり 山桜朝日夕日のさすところ 白南風や拭いて位牌のうらおもて 平城山を布引くごとく鳥渡る 枇杷の花又ひとり村はなれゆく 忘年の雨本降りとなりにけり 鑑真廟まで藪椿玉つばき 豌豆の花おのづから寺の径 突く杖のいつより破調鳥雲に 鴇色の日の沈みゆく虚子忌かな 身ほとりにしづ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.06.05 Sat 23:25
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