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平成21。 「きりん」会員。第一句集。 夜なべする母の背中にもたれけり 花冷や賽銭箱と募金箱 グランドに熱砂残して試合果つ 熱の児に小さき氷片含ませて 囀やヒットの続く草野球 遠き日の足裏で探る蜆取り 秋まつり町会長は大名に 鉛筆の下絵の残る年賀状 白桔梗焼き印深き宿の下駄 残業の小さき窓の良夜かな 冬の虹拍手で終る草野球 高窓の小さき蔵や柿落葉 風邪の児に父の手作り紙芝居 去年今年小児病棟千羽鶴 葉牡丹の渦にのこりし今朝の雨 父の日...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.03.06 Mon 22:47
令和5。 「築港」「玉梓」同人。第1句集。 青春の坩堝となりしキャンプ場 塩鮭の口より塩のこぼれをり 植木市土の匂ひを買ひにけり 木下闇並ぶ木曽塚巴塚 秋桜女らしさは死語となり 凍滝のどこかに水の音したる 一湾の落暉に染まる牡蠣筏 懸想文目でもの言うて売られをり 残り火のなかなか消えず大文字 音を消し色を消したる雪の余呉 見て触れて日毎確かむ吊し柿 扇風機こきこきこきと半世紀 炎天にぶつかり回る観覧車 太陽がいつぱいヨット乱反射 参道に...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.03.03 Fri 23:59
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和5年2月12日(日) 場 所:本部道場 南寮会議室 参加者:12名 投句者:6名 道場の梅も咲き始めました。総裁が巡錫で不参加でしたが、今回も出席者多数で賑やかな句会でした。 幽谷先生のご容態、好転に向かわず、欠席でした。 最高得点者は ”桃雲” でした。 今回の兼題は「梅見」「余寒」「河豚」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 梅白し女は無駄な笑いもつ ...
座禅修行だより | 2023.02.27 Mon 15:40
平成12。 「運河」「晨」同人。 雪嶺の落日待てるカメラマン 猪の垣筍山へ延長す 松落葉踏めば舟虫どつと出て 陶匠も出て来て見上ぐ時雨空 寒満月右に左にして帰る 水取の冷えを値打といひ合へり ライトバン拠点に散れる蕨狩 鮎釣の長靴二つ折りに持つ 二等船室は午睡の静けさに 耳朶に出し振舞の菊の酒 籾袋落してゆきし車追ふ 膝頭ダルマストーヴにて熱し 喉仏寒九の水によろこべり 涅槃図の穴を見つけてしまひけり 針金の二本が仕猪陥し 黒ホース一...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.02.27 Mon 13:21
昭和61。 「琅玕」主宰。第6句集。 初雲雀なりやと腰を浮かしたる 母の日の母きよの名のまたはるか 雹跳ねてをりその他の音のなし 終戦日といふ一日を人のみな 陽炎の中にわがをり城消えて 居酒屋の扉が開いてゐて春の月 烏瓜三つほどが見えあとは暮れ 師走選挙投票所杖倒れたる 大寒や巌に雪の食ひ込んで 雪の夜や一灯あれば夫婦寄り 転倒す雪の教会前にして 笑ひごゑ消えしあたりに春茸(はるご)かな 風の出て浮きあがりたるさくらかな 夕鶴の風に対ひて高あるき ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.02.20 Mon 22:44
2014年。 「対岸」同人。第2句集。 風よりも軽くかまきり生まれけり 反転のあとの攻勢稲雀 ゆつくりと全体移動鰯雲 冬瓜に大愚の相のありにけり 栄螺籠栄螺満たして隙だらけ 荒神輿去りて酒の香ただよへり 退屈な金魚すくひの金魚かな まつすぐに葱抜く力加減かな 枯草の狐色とはぬくき色 初鴉ときに赤子の声発す 野に下る思ひ白梅咲きにけり 朝寝して出雲の鰐の如く居り 鴎外旧居頭の大き蟻走る 藻の花や空気のうまき橋の上 破芭蕉破れしところより枯るる ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.02.16 Thu 23:04
2012年。 「泉」同人。第2句集。 先頭に嬰抱いてくる賀客かな 笹鳴へ夫は眼鏡をはづしけり 捨てたしと思ふ雛の恐ろしき 鱏の来て秋扇はたと止みにけり 溝蕎麦の動かぬ水の流れけり 粧ふ山眠れる山を帰りけり 夜空青くて花片の舞ひにけり 階段のパンジー黄色にて終る 立つも声坐るも声や石蕗の花 きさらぎの一枚岩が川底に リュック一つ置かるる雀隠れかな それぞれの椅子に無言や昼の虫 板の間の夫のごろ寝や終戦日 夜の稲妻障子破れてをりにけり こ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.02.09 Thu 13:32
平成23。 「白桃」同人。第2句集。 膝出しておしやまになりぬ更衣 亀の子のジタバタとして買はれけり 抱くことも少なくなりし日焼の子 夜濯の手より淋しくなりにけり さみしくてまた雪降らす雪女郎 宿の子の宿の手伝ひきりぎりす 子の作る少し垂れ目の鬼の面 草笛のよく鳴る力抜きてより サングラスはづして嬰を抱きにけり すぐ母に替はられ父の日の電話 虫採りの子の先頭に次男かな 草笛や中学校は山の上 少年の自転車軍団火事を見に 上履きに穴ぼこ一つ卒...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.01.30 Mon 00:37
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和5年1月15日(日) 場 所:本堂 南寮会議室 参加者:12名 投句者:7名 令和5年の初句会。近年最高の参加者数で、句の数も最高! とても賑やかで華やいだ新春らしい句会でした。 幽谷先生は昨年暮、退院されましたが、参加は見送られました。 最高得点者は“桃雲”でした。 今回の兼題は「初雪」「若菜」「雑煮」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- ※寒に...
座禅修行だより | 2023.01.25 Wed 10:04
平成9。 「松籟」同人。「沖」会員。 大根をごぼごぼと炊く風の夜 栗飯のほつこり炊けて嫁姑 鳥雲に二伸まである母の文 夏めくや女の白き土踏まず 瞑りて奈落見るごと髪洗ふ 大焚火指の先より輪に入りぬ 木曽は雪蔵にみその香うるしの香 実年と呼ばれ男の懐手 雪ぼたる母には訃報伏せておく またひとり女が遺り雪の葬 声かけてははの居さうな春障子 山眠る起さぬ程の斧こだま 母在せし部屋そのままに北閉ぢる 貼り薬すぐに剥がるる雨水かな 光にも風にも馴...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.01.21 Sat 23:20
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