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俳句
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鷲谷七菜子『句集 天鼓』(角川書店)より

    平成3。 「南風」主宰。第5句集。 きたきつねたちまちけぶり樹氷林 喉ふかきところよりこゑ桜守 色鳥のあとかたもなし白磧 鹿の子のひとりあるきに草の雨 須弥壇のちりもとどめぬ大暑かな 秋風に神馬が放つ鼻ぶるひ 春眠の顔なきがらとなりにけり きさらぎの人に死なれし顔洗ふ 竹の皮こぼれてきたる高さかな 読みさしの栞いく日秋の蝉 爽涼の一餉の箸を置きにけり 灯を消してよりありありと初昔 白梅に風のはなれぬ日暮かな 年明くる鳥の高音が夢に入り ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.09.01 Thu 22:36

山本直一『句集 鳥打帽』(編集工房ノア)より

    2014年。 「船団」会員。第一句集。 鳥打帽ぬいで祭りだはちまきだ 楠の木を二人で抱いて天高し 屠蘇交す娘が父と呼ぶ人と 宮の春「産まれました」のよだれかけ 地に落ちし躑躅が躑躅見あげをり 耳垢のふえた気のする昼寝覚 「オレ、たのしかったから」と夏が行く 春風や腹話術氏の腹くしゃみ 母の日の母の寝息と添寝する 黴を拭くトランペットのラが低い 朝寝して昼寝早寝よ生身魂 旧姓で呼ばれにっこり生身魂 石蕗満開妖怪文化研究所 元旦や多数決にてピザの...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.28 Sun 23:47

『大橋敦子集(自註現代俳句シリーズ?期8)』(俳人協会)より

    昭和61。 「雨月」主宰。 生れたるのみのふるさと盆の月 日の匂ひある子の髪を洗ひやる 枯木中落つる月のみ色持てる 虹に立つ少女直ぐなる髪垂らし ちる花に撮られゐる笑みつくりをり 降る雪に楽器沈黙楽器店 噴水に光と風の集れり 月鉾の月烈日に一閃す わが夜長母の夜長と別にあり 雪沓をすつぽすつぽと抜き歩む 竈猫みごもりをりてふてぶてし 切尖を円心に立て聖菓切る 寒卵割りひとり旅ひとりの餉 日本にひらがなの美や星祭 七五三叔母の最も化粧ひたり ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.21 Sun 23:06

鷲谷七菜子『句集 水韻』(ふらんす堂)より

    1990年。 「南風」主宰。第5句集。 映し得ぬ身の内側や水澄みても わが独語水に沈みて秋の蝉 極寒の瀧音ひびき土不踏 枯れきつて水の匂ひの芦となる 月光を得しより川の奔りそむ 影のごと人去りゆけり氷り瀧 川幅が余すひかりの猫柳 川ばかり踊りて木曽の月あかり 鯉の金しづめし水の冴ゆるかな 山棲みに光る水増え梅真白 田水張つて空のおもさの加はりぬ 消えてゆく波のあかるし法師蝉 今生の光におぼれ浮寝鳥   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.18 Thu 22:24

第373回坐忘会 令和4年葉月句会

JUGEMテーマ:俳句    開催日:令和4年8月7日(日)  場 所:本部道場 南寮  参加者:8名  投句者:3名    今年の夏の暑さは格別。その為でもないでしょうが、最近になく参加者も投句者も少なく、句数のとても少ない句会となりました。  最高得点者は ”玄妙さん”でした。  今回の兼題は「雲の峰」「浴衣」「蝉」     ------各自の高得点句を紹介します。--------    図書館も恋のベンチも晩夏かな 幽谷先生  蝉がらは風も吹かずに落...

座禅修行だより | 2022.08.17 Wed 18:15

『橋本鶏二集(自註現代俳句シリーズ?期10)』(俳人協会)より

    昭和53。 「年輪」主宰。 ふる雪や機械しづかに鐡を切る 水馬はじきとばして水堅し 瀧風に巫女のあそべる巌かな 鳥のうちの鷹に生れし汝かな 菊の前静かにたまる落葉かな 冬濤の摑みのぼれる巌かな 秋燕の羽をたたみてながれをり 冷やかにただ一言の美しき 藁束に置きし砧の槌しづむ 若布刈海女帆綱に凭りて髪を梳く 雌狐の尾が雄狐の首を抱く 音もなく星の燃えゐる夜学かな 打たれたる雉子日輪を放れつつ 濡れてゐし雨の椿をいま憶ふ 石人の石の袂...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.13 Sat 22:41

『詩歌の森』にて浅川芳直さんに拙句ご紹介いただきました

JUGEMテーマ:俳句 こんばんは、なのめです。   日本現代詩歌文学館の館報『詩歌の森』第95号 俳人の浅川芳直さんがお書きになった文学館活動時評『きたかみ鬼の国・俳句フェスティバル』文中にて 下記の拙句を引いていただきました。   蜘蛛の糸引いて蜘蛛ではないもの来   時評のタイトルでもある俳句フェスティバルで 夏井いつき先生、神野紗希先生に取っていただいた入選句です。   浅川さんは動画でフェスティバルのようすを視聴なさったとのこと。 時評を読む...

なのめのめ | 2022.08.11 Thu 22:23

橋本鶏二『鷹の胸』(牧羊社)より

    昭和56。 「年輪」主宰。第9句集。 書の稜(かど)の鋭きを愛せり桜桃忌 秋空に手をあてて手を書にもどす 藁塚にのせればすべる旅鞄 短日や返しにゆきし貰ひ猫 鳥雲に個人タクシー顔を出す プリマドンナ氷河のごとき毛衣を 古き世の剣立ててある壁炉かな 鷹匠の指さしこみし鷹の胸 人とほるたび稲架鴉羽を割る 氷にも雪にも僧はおどろかず 春愁や心の中に金の斧 玄冬の夜雨ハープの糸に似し   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.05 Fri 23:00

第372回坐忘会 令和4年文月句会

JUGEMテーマ:俳句    開催日:令和4年7月24日(日)  場 所:本部道場 南寮  参加者:12名  投句者:4名    本年度最初の中央支部摂心会を終えて、安堵の間もなく、暑さ厳しい日の句会でした。  最高得点者は、またまた ”のりこさん”でした。    今回の兼題は「夕立」「団扇」「蛍」    ------各自の高得点句を紹介します。--------    大寺の甍の波や夕立晴れ    幽谷先生  ゆうゆうと団扇に遊ぶ黄金虫   霞山老師・  ...

座禅修行だより | 2022.08.01 Mon 09:49

加藤楸邨『句集 まぼろしの鹿』(思潮社)より

    1967年。 「寒雷」主宰。第10句集。 乳児の声黴の中よりほとばしる 顎に汗怠けてゐるも楽ならず 薔薇の前牡丹の前と声かはる 薔薇見ては妻が詠む句をのぞきをり 柿出して巧みな論をぶちきりぬ 秋耕や牛のふぐりはきらきらと 雪を来て少女等の語尾舞ふごとし きさらぎの路地曲りまた月に逢ふ 稲妻の後静かなる答あり 水盗む良心などは雲に問へ 雪がこひ牛の首出て一鳴す 汗の筋指で辿れば臍にあふ 炎天やもう汗の出ぬ老婆の顔 恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.31 Sun 22:52

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