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第373回坐忘会 令和4年葉月句会

JUGEMテーマ:俳句    開催日:令和4年8月7日(日)  場 所:本部道場 南寮  参加者:8名  投句者:3名    今年の夏の暑さは格別。その為でもないでしょうが、最近になく参加者も投句者も少なく、句数のとても少ない句会となりました。  最高得点者は ”玄妙さん”でした。  今回の兼題は「雲の峰」「浴衣」「蝉」     ------各自の高得点句を紹介します。--------    図書館も恋のベンチも晩夏かな 幽谷先生  蝉がらは風も吹かずに落...

座禅修行だより | 2022.08.17 Wed 18:15

『橋本鶏二集(自註現代俳句シリーズ?期10)』(俳人協会)より

    昭和53。 「年輪」主宰。 ふる雪や機械しづかに鐡を切る 水馬はじきとばして水堅し 瀧風に巫女のあそべる巌かな 鳥のうちの鷹に生れし汝かな 菊の前静かにたまる落葉かな 冬濤の摑みのぼれる巌かな 秋燕の羽をたたみてながれをり 冷やかにただ一言の美しき 藁束に置きし砧の槌しづむ 若布刈海女帆綱に凭りて髪を梳く 雌狐の尾が雄狐の首を抱く 音もなく星の燃えゐる夜学かな 打たれたる雉子日輪を放れつつ 濡れてゐし雨の椿をいま憶ふ 石人の石の袂...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.13 Sat 22:41

『詩歌の森』にて浅川芳直さんに拙句ご紹介いただきました

JUGEMテーマ:俳句 こんばんは、なのめです。   日本現代詩歌文学館の館報『詩歌の森』第95号 俳人の浅川芳直さんがお書きになった文学館活動時評『きたかみ鬼の国・俳句フェスティバル』文中にて 下記の拙句を引いていただきました。   蜘蛛の糸引いて蜘蛛ではないもの来   時評のタイトルでもある俳句フェスティバルで 夏井いつき先生、神野紗希先生に取っていただいた入選句です。   浅川さんは動画でフェスティバルのようすを視聴なさったとのこと。 時評を読む...

なのめのめ | 2022.08.11 Thu 22:23

橋本鶏二『鷹の胸』(牧羊社)より

    昭和56。 「年輪」主宰。第9句集。 書の稜(かど)の鋭きを愛せり桜桃忌 秋空に手をあてて手を書にもどす 藁塚にのせればすべる旅鞄 短日や返しにゆきし貰ひ猫 鳥雲に個人タクシー顔を出す プリマドンナ氷河のごとき毛衣を 古き世の剣立ててある壁炉かな 鷹匠の指さしこみし鷹の胸 人とほるたび稲架鴉羽を割る 氷にも雪にも僧はおどろかず 春愁や心の中に金の斧 玄冬の夜雨ハープの糸に似し   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.08.05 Fri 23:00

第372回坐忘会 令和4年文月句会

JUGEMテーマ:俳句    開催日:令和4年7月24日(日)  場 所:本部道場 南寮  参加者:12名  投句者:4名    本年度最初の中央支部摂心会を終えて、安堵の間もなく、暑さ厳しい日の句会でした。  最高得点者は、またまた ”のりこさん”でした。    今回の兼題は「夕立」「団扇」「蛍」    ------各自の高得点句を紹介します。--------    大寺の甍の波や夕立晴れ    幽谷先生  ゆうゆうと団扇に遊ぶ黄金虫   霞山老師・  ...

座禅修行だより | 2022.08.01 Mon 09:49

加藤楸邨『句集 まぼろしの鹿』(思潮社)より

    1967年。 「寒雷」主宰。第10句集。 乳児の声黴の中よりほとばしる 顎に汗怠けてゐるも楽ならず 薔薇の前牡丹の前と声かはる 薔薇見ては妻が詠む句をのぞきをり 柿出して巧みな論をぶちきりぬ 秋耕や牛のふぐりはきらきらと 雪を来て少女等の語尾舞ふごとし きさらぎの路地曲りまた月に逢ふ 稲妻の後静かなる答あり 水盗む良心などは雲に問へ 雪がこひ牛の首出て一鳴す 汗の筋指で辿れば臍にあふ 炎天やもう汗の出ぬ老婆の顔 恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.31 Sun 22:52

泉田秋硯『梨の球形』(牧羊社)より

    平成3。 「霜林」同人。第2句集。 Tシャツの胸の横文字知らず着る 宿直の一人のための虫しぐれ 露天湯に女入るたび月融ける 皮むいて梨の球形掌にのこる コスモスへ跳び込みし犬呼んでゐる 日本海より風が来て日本晴 伐る話ある大榎小鳥来る ジーンズの何と窮屈松手入 露といふ白一色も動きをり 浮子動かざれば秋色水に在り 本物の月曽根崎に近松忌 海時雨女坐りの駱駝立つ 百僧の経一僧の咳まじる 唇をひらくはなびら餅のため 黒よりも硬き白髪寒の極 ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.28 Thu 00:41

飯田龍太『句集 忘音』(牧羊社)より

    昭和44。 「雲母」主宰。第4句集。 風吹いて月よみがへる梅雨の町 バイブルは常に重き書夜の秋 秋の蝉まつはる入日解きがたし 落葉踏む足音いづこにもあらず 遺書父になし母になし冬日向 亡き母の草履いちにち秋の風 大根を抱き碧空を見てゆけり 冬の灯の消されてきえる児童の絵 山々のはればれねむる深雪かな どの子にも涼しく風の吹く日かな 秋風に病躯うしろを見せてゐる いづこにも冬日いちにち来給はず 左手より冷たき右手の月明り 絶壁に蒼空切られすみ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.17 Sun 23:58

富澤赤黄男『句集 天の狼(復刻)』(沖積社)

    平成16。 第2句集。 冬波に向へばあつきわがめがしら 鶴渡る大地の阿呆日の阿呆 蝶ひかりひかりわたしは昏くなる 炎天の巨きトカゲとなりし河 鱗雲 流れ弾きて流れたり 蒼天のキンキンと鳴る釘をうつ 一輪のきらりと花が光る突撃 枯原の風が電車になつてくる   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.17 Sun 00:12

平畑静塔『句集 旅鶴』(遠星書館)より

    昭和42年。 第2句集。 一本の鞭にて野火をただすなり 炭小屋に汚れて事を忘れる母 子の下宿さはれば物の強き凍 舟を漕ぐのけぞる方に花万朶 白障子までひとすぢに畝起す 花野より天に四足を駈けし犬 なき母の声あかぎれの割目から 少年の鞄ぎつしり雪の遅刻 裏で悴み曲馬団湯茶をのむ 抽斗を引けばかすかな涼気たつ 汗かきて大阪の母甘酸つぱ 一塔婆一死に増えてきりぎりす 遠吠や銀河に小窓一つあく   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.07.10 Sun 23:36

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