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第355回坐忘会 令和2年師走句会

JUGEMテーマ:俳句   第355回 坐 忘 会    開催日:令和2年12月6日(日)  場 所:本部道場本堂  参加者:11名  投句者:5名  句 数:105句    晴天で紅葉の特別見事な山内で、今回も活発な発言もあって活気ある句会でした。  見学者が一人、石原さんという女性が参加されました。    前日は中央支部の年間行事の一つ「紅葉狩り」があり、俳句の募集をおこないました。会員外の方を含め29名より56句の投句がありました。  本日の参加者...

座禅修行だより | 2020.12.11 Fri 10:51

戸田和子『句集 もっと遠くへ』(朝日新聞社)より

    2000年。 「鴫」会員。第1句集。 傾けて桃吸ふ顔を見られをり 売り切れの札に鶯餅の札 春風や乳歯握らせ児を帰す 月の駅恋の電話に隣り合ふ 菊人形まなざし同じ姫と武者 にこにこと誤解してをりチューリップ 逆髪をたてて滝より戻りけり 一斉に牛がふりむく白日傘 うらはらのこと男言ひ萩括る きつかけのなき噴水の中休み かき氷とめどなく虚をつみ上げし なんきんにつまづき昨日冬至なり 夏牡蠣の殻の暗さを打ち重ね 蹴りもして机を畳む夏期講座 団体のセ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.12.09 Wed 21:15

金山桜子『句集 水辺のスケッチ』(ふらんす堂)より

    2018年。 「運河」会員。第1句集。 欄干に木肌のぬくみ猫柳 田へ下る轍はこべら埋めつくす 無線機の感度良好蘆若葉 行々子あぶくはじけるやうに鳴く 緑蔭の石の円卓囲みけり 水辺から水辺へ順路未草 うきくさの底より尾鰭しなやかに 湖に雲の増えゆく翁の忌 八荒を路面電車の傾ぎつつ はらわたを透かして泳ぐ春の魚 雨雲の切れたるところ揚雲雀 山一つ抜けたるひかり山桜 読みかけの神話に栞麦の秋 水底に触るるあごひげ大鯰 縄文のころよりの滝北斗星 ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.12.05 Sat 23:00

豊田都峰『遺句集 林の唄』(東京四季出版)より

    平成28年。 「京鹿子」主宰。第10句集? いくすぢも水を流して夏の苑 筆記具は濃い目好みや水澄める 海鳴りのたたみかけくる冬構 海に向く黒板塀も冬構 河豚食べて川すぢの灯にもどりけり 薄氷をすべるは昨夜のなごり風 忘れ角見しより山に晴れつづく 天牛のひげのそよりと森の午後 石仏のひだ朝涼のひとながれ 花蓼や片手をがみに辻地蔵 雪やんで星は神話を組みはじむ 白日を絡めとりたる枯欅 水替へて金魚を空にもどしけり 炎負ふ仏の視野は大みどり ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.12.02 Wed 23:49

浅井民子『句集 四重奏』(本阿弥書店)より

    2017年。 「帆」主宰。第2句集。 黒々と島立ち上がる初日の出 立春の岬が分かつ海の色 踏青やパレットに溶く風の色 踏切の向かうは海よ鰆東風 七変化三のあたりの縹色 海を見に行く白シャツの帆となつて 糠床の機嫌よろしき芒種かな 麻服の皺美しき水平線 夜の長しイサムノグチの紙ランプ 標高や触るるばかりに天の川 なびくもの伏すもの風の大花野 みやしろの美しき落葉は踏むまじく 年惜しむオペラグラスに指揮者の手 先生のあだ名五月の黒板に 白むくげ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.11.25 Wed 21:10

豊田貴子『句集 紫野』(文學の森)より

    平成25。 「鳰の子」同人。第1句集。 名月の昇るに間ある湯あみかな 新聞の投げ込まれしを聞き朝寝 水打ちし一瞬土のほめきたる 毛糸編む母との話つきもせず 病室の暗きに光り寒卵 菫踏むミニスカートの脚すらり 風薫る白一色の喫茶店 母の歩に合はせ炎暑の道遠し 日の温み掌に直送のトマト切る 用済みの案山子束ねる夕日の田 親燕子燕長屋王旧址 近づけぬ瀑布を共に見て他人 そのビルのみ激震に耐へ寒の月 滴りの光る一瞬待ちて撮る 患者の輪白衣も混じ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.11.23 Mon 22:03

第354回坐忘会 令和2年霜月句会

JUGEMテーマ:俳句   第354回 坐 忘 会    開催日:令和2年11月15日(日)  場 所:本部道場南寮  参加者:11名  投句者:5名  句 数:106句    急な寒さ到来で、コロナもまた勢いを増してきましたが、多くの参加者があり、賑やかで楽しい会でした。    会員で病気療養中であった岡本崇さんが逝去されました。心からご冥福をお祈りします。    今回の最高得点者は光舟さん。14点の獲得でした。    今回の兼題は「十三夜」...

座禅修行だより | 2020.11.22 Sun 08:10

『季語別 茨木和生句集』(ふらんす堂)より

    2003年。 幹太き松を抜け来て春の海 雪卸せざりし蔵の雪雫 その上に水の乗り来し薄氷 睦事はこのごろとんと桜餅 春障子鯉が跳ねしと開けにけり 自句自解させられてをる春炬燵 麦踏の手をどうするか見てゐたる 意を曲げぬらし耕牛の水を飲む 田の神を呼ぶかりそめに田を打てり 籾浸すさま一学級見学す 水音は耳に障らず春眠す 歩けば軋む木造校舎新任す 万愚節岩がするりと波脱いで いかに嘆く涅槃に貝の来てをれば 恋などはまつぴらと猫太りけり 田蛙の声...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.11.16 Mon 22:50

稲畑汀子『汀子句集』(ウエップ)より

    2003年復刊。 「ホトトギス」名誉主宰。第1句集。 今日何も彼もなにもかも春らしく 牧場はすなはち雨のクローバー この辺の景色となつてゆく芒 景変りつゝ菜の花のつづきけり 湖に出て見るだけの避暑二日 かくれ部屋あり春昼の顔なほす バターよく伸び煖房の食堂車 スリッパのまま芍薬の芽まで来し この辺の家のたつきの酢茎桶 庭芝の枯れ行く色の定まりて 母を見て又子の昼寝つゞきけり どこよりもここより見ゆる紅葉山 ふとよぎる春愁のかげ見逃さず 雨降...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.10.29 Thu 23:17

山崎千枝子『句集 素顔』(ウエップ)より

    2003年。 「燎」主宰。第1句集。 うかと出て春宵の街まだ寒き 車窓より飛び散る紙片夏来たる 夕端居語り部のごと語りをり ひとことに思ひめぐらし鉄線花 万緑や父の一徹衰へず 白地着て父飄々と入院す 食いまだ叶はぬ父へ団扇風 酒瓶を枕代りに祭果つ 泣き虫の又泣き出しぬ天瓜粉 熱き茶を膝に旅立つ冬の駅 病窓は梢の高さ小鳥来る 黙々と明日の米磨ぐ湯ざめかな 田を植うる朱き鳥居の間際まで 町内に在はすちちはは星月夜 組み替へて夜寒の膝となりにけり ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.10.25 Sun 23:45

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