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JUGEMテーマ:戯言 護岸の水面は凪いでいて、浅い水底が露わになっていた。それがすごく淫らに見えた。流れを纏い唸りを纏わなければ、いずれグロテスクな姿態を晒すことになるのだろうと思えた。水面の高さは護岸の高さと重なっている。だから少しでも揺らげば、私の足は濡れてしまうだろう。けれど水は静止したままだ。私の爪先が濡れることもない。爪先を濡らしたいわけではない。でも物足りなく思えてしまう。また私は退屈しているのだろうか。世界が逆回転することを望んでいたりするのだろうか。自分の気持ち...
pale asymmetry | 2025.06.06 Fri 17:53
JUGEMテーマ:戯言 最後の窓を開けようとしている。でもその前に、窓外の風景を記述しなければいけない。それは私がやらなければいけないこと。窓を開ければ自動的に風景を発見できるわけではない。その風景は、私があらかじめ構築しておかなければいけないのだ。けれど窓は透明ではない。だから閉じられた窓の向こう側を目にすることは出来ない。見えないその風景を、私は観測しなければいけない。そして開いたときに、それが現実とぴったり重ならなければいけないのだ。そこに致命的なズレがあれば、これまでに手...
pale asymmetry | 2025.06.05 Thu 20:24
JUGEMテーマ:戯言 強固な枠は確かに存在していて、それが内側の世界と外側の世界を分け隔てている。私という枠に、それは身体的なものを含めた枠に、その内と外を隔てる枠は重なっている。ぴったりと重なっている。だから私は外の世界に働きかけることなど出来ない。何が起こっても、何が進行していても静観するしかない。それに不満があるわけではない。むしろ静観することは嫌いじゃない。見るということ、観察するということ、あるいは観測するということは私と相性が良い。それをしていれば安堵していられるし...
pale asymmetry | 2025.06.04 Wed 17:45
JUGEMテーマ:戯言 違うと思えた。けれど何が違うのかはよく解らなかった。何処かでボタンを掛け間違えたような気もするし、何処かのボタンが失われているような気もした。あるいは両方だったのかもしれない。違和感は微妙で、不快感と言うほどでもない。けれど確かに違う。私が求めているような、私が愛でたいと思っているような形を有していない。ひょっとしたらこの形で正しいのかもしれないけれど、私が愛でたいと思える形でなければ違うという感触は消えないだろう。たとえそれが間違っていたとしても。禁忌を...
pale asymmetry | 2025.06.02 Mon 17:48
JUGEMテーマ:戯言 冷えた躰を持て余す。夏がすぐそこまで迫っているように感じていたのに、裏切られたような気持ち。でも一体誰に、何者に裏切られたというのか。そんな誰かは何処にもいない。裏切られてなどいないのなら、私は探索しなければいけないだろう。どうしたらそういう理屈になるのか自分でもよく解らないけれど、解らないなりに納得出来たりするので、そうせずにはいられない。しばらく見失っていた事象にもう一度手を伸ばしてみよう。その指先が何にも触れなくても構わない。探索することに意味がある...
pale asymmetry | 2025.06.01 Sun 17:52
JUGEMテーマ:戯言 取り急ぎ、私はその閉じた甲虫について考えなければいけない。それが抱える宝石について考えなければいけないのだ。閉じた甲虫が閉じている理由はさして重要ではない。その理由なら星の数ほどあり、そのどれもがもっともな理由で、どれを採用しても違和感を生じることはないだろうと思える。けれど、閉じた甲虫がなぜ宝石を抱えているのかということは、簡単に説明することが難しい問題のように思われる。そもそも宝石を抱えるとはどういうことなのか。それは文字通り宝石を全部の足でしっかりと...
pale asymmetry | 2025.05.30 Fri 18:18
JUGEMテーマ:戯言 その地図は正確ではない。というか、正確な地図など存在しない。この世界の地図ではないのだから。しかしここで言う正確さとは、そういうことではない。その地図が固定されないことに対する不正確さのことを言っているのだ。その地図は、際限なく変態している。だから油断していると、自分の現在位置を見失ってしまう。そして進むべき方向も解らなくなってしまう。もちろんその地図に描かれている世界を、私は旅しているわけではない。それでも、その地図をもとに進まなければいけないのだ。地図...
pale asymmetry | 2025.05.29 Thu 18:11
JUGEMテーマ:戯言 壺は取り敢えず完成していて、それは壺として機能している。けれどそれが注文者の期待に合致しているのかが解らない。合致しているとしても、どのくらい合致しているのかが解らない。それは教えてもらえないから。もちろん全く合致していないのなら、私はこの壺を放り投げて砕き、新しい壺を作り直さなければいけない。その時間的な余裕があるかといえば微妙なところだけれど、不可能だと断言するほど切迫しているわけでもない。けれどだらだらと判断を先送りすれば、その時間は失われていく一方...
pale asymmetry | 2025.05.25 Sun 15:54
JUGEMテーマ:戯言 探求に明け暮れる者たちは、長い時間の果てにその領域に辿り着いたのだろうと思われる。その裾野は広く、とても希薄でとても粗である。そんな風に私は考えていたのだったけれど、よくよく観測すると、それはとても密であり、幾つもの素子が関連する紋様を描いていたりするから、幸せな気分になる。探求に終わりがないことは確かなことだけれど、探求によって何を得ようとしているのかがよく解らなくなると、探求者は探求することを探求し出すようだ。これも詳細な観測によって感じられた結論。つ...
pale asymmetry | 2025.05.24 Sat 20:09
JUGEMテーマ:戯言 路地の奥から猫が私を見つめていた。その眼差しは高貴で、知性に満ちているように思えた。けれど同時に、何にもこだわらない愚者のそれにも思えた。どちらも同じくらい孤高で軽やかだから、どちらであったとしても、あるいはどちらも一緒に抱えていたとしても、矛盾は生じないだろうと思えた。だから羨ましかった。私は立ち止まり、鋭い日差しをうなじに感じながら、猫と対峙する。風はなく、静かな午後だった。もう世界はとっくに終わっているのかもしれないと思えるくらいに静かだった。私とあ...
pale asymmetry | 2025.05.23 Fri 17:42
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