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JUGEMテーマ:戯言 卵を抱いて沈む。たゆたいながら沈む。呼吸を止めずに沈む。光を求めずに沈む。余韻を棚引かせて沈む。兆しを絡め取りながら沈む。寒暖を攪拌しながら沈む。薄っぺらな自分を巻き取りながら沈む。そうして、綺麗な闇に沈む。そんな闇は存在しないことを承知の上で沈む。沈む。また沈む。卵はやわらかく色彩を纏っていない。だから虚ろの卵だろう。透明だけど質量を持ち、私に抱かれることを歓んでいるのを感じる。けれど内部は虚ろ。ただ抱かれることで、微かに実との繋がりを維持している。それ...
pale asymmetry | 2024.07.11 Thu 18:27
JUGEMテーマ:戯言 理不尽に奪われたものを取り返そうと思わないのは、奪われた瞬間にそれが濁ってしまっているからだ。濁りそのものは嫌いではないのだけれど、その濁りは私の濁りではないから。私が好む綺麗を、その濁りは有していないから。そして無理矢理取り戻せば、その私の好まない不細工な濁りを引き受けることになってしまうから、そんなの御免だと思ってしまうのだ。でも結果として奪われ放題。奪う者は容赦なく、無自覚に奪っていく。いや、自分が奪っていることにさえ気づいていないのだ。あるいは、自...
pale asymmetry | 2024.07.09 Tue 18:51
JUGEMテーマ:戯言 厳重にロックされた扉だって、鍵を使わずに開くことが出来る。鍵以外のアイテムが使いたい放題なら簡単だという話。それはチェンソーだって構わないし、ミサイルや場合によってはサイコキネシスだって良いだろう。でもその前に、厳重にロックされているということに注目しなければいけない。幻獣にロックされているわけではないのだから、私たちはその扉を本当に開く必要があるのかを考えた方が良いのでは、という話。もし幻獣にロックされた扉ならば、私たちは果敢にチャレンジする必要があるだ...
pale asymmetry | 2024.07.08 Mon 19:06
JUGEMテーマ:戯言 非常ベルが鳴り響く。真夏の真昼に非常ベルが鳴り響く。神の降臨を告げているわけではない。奇跡の昇天を演出しているわけでもない。ノイズではないけれど、ノイズを内包した響き。誰かの流血のシンボライズかもしれない。理由もなくそう思ってしまったのは、その響きが揺さぶる熱い空気に、狂気が織り込まれているような気がしたからかもしれない。あるいはその狂気は私に纏わり付いているのかも。それとも私が好んで十指で絡め取っているのかも。そんな自覚はないけれど、私の無意識が私を自動...
pale asymmetry | 2024.07.07 Sun 19:03
JUGEMテーマ:戯言 誰のせいでもないけれど暑い。あるいは幻獣の仕業かもしれない。そんな風に罪を着せることが出来るのなら、世界の相貌はもっとシンプルになったかもしれない。そんな風に考える私は浅はかだろうか。あるいは責任を転嫁しているだろうか。幻獣は私自身かもしれない。それはあなたかもしれないし、誰かかもしれないし、その全てかもしれない。数式によると全ての事象が巻き込まれている可能性が最も高く。たぶんそれが正解なのだろう。でもそれが最適解とならないせいで、私たちはどこかで些末な変...
pale asymmetry | 2024.07.06 Sat 15:37
JUGEMテーマ:戯言 ポケットの中には旋律がない。いや違う。旋律をポケットに仕舞った瞬間に音を失うのだ。旋律だけではない。それはノイズであっても、暗号化された誰かの叫びであっても同じこと。その誰かが私であったとしても、音は分解されてしまう。私は嘆いているわけではない。だってそれは私のポケットなのだから。私の旋律だし、私の暗号化された叫びだ。そしてそれは世界にとってノイズでしかない。そのこともよく解っているから、私は積極的に叫びをポケットに仕舞い込む。そしてお終い。そういうおざな...
pale asymmetry | 2024.07.05 Fri 19:15
JUGEMテーマ:戯言 僕たちは長いコンボイの屋根なしコンテナから空を見上げていた。皆だらしなく寝転がっていたというわけ。特にクランク少尉はお疲れのようで、大口を開けていびきをかいている。でもそのいびきがどこかセレナーゼのようで、そういうところが僕たちバンドメンバー全員がクランク少尉を愛している理由だと言えるだろう。猛禽類が高空でゆるやかに旋回している。僕たちを狙っているわけではないだろうけれど、その眼差しは確かに地上に向けられている。 「ノイジーフルーツは魅力的なのさ」 ...
pale asymmetry | 2024.07.03 Wed 20:32
JUGEMテーマ:戯言 どのような事象にも端っこがある。端っこがあれば真ん中もある。真ん中があるならそこに折り目を付けることが出来るだろう。折り目を付けることが出来るなら、当然それにそって折ることが出来る。折ればそこが端っこになり、新たな真ん中が生まれ、新たな折り目が生まれ、それにそって折り、そこが端っこになり……。無限にそれを繰り返しても、祈りは生まれない。無限にそれを繰り返しても織り目も生まれない。織り目が生まれないから織り込まれる紋様も捕まえられない。それは宙を...
pale asymmetry | 2024.07.02 Tue 18:46
JUGEMテーマ:戯言 私は忘れられている。気がつくと、そんな気分になっていた。世界から、世界中のあらゆる事象からすっかり忘れ去られている。そういう気分。何かきっかけがあったわけではなく、何かの理由があったわけでもない。何となく、ただ何となくそう思ってしまったのだ。昼食の後、ビルの狭間で空を見上げていたらふとそんな風に思えていたのだった。周囲に誰もいなかったからだろうか。南風が絶妙な強弱で波打っていたからだろうか。あるいは私の心が、少しだけ複雑なステップを受け入れてしまったからだ...
pale asymmetry | 2024.06.30 Sun 20:11
JUGEMテーマ:戯言 ゆるやかに上る坂道の向こうに、立ち上る入道雲。それは導いているようにも見えるし、立ち塞がっているようにも見える。扉か壁か。透明か不透明か。透明とはこの先へと続く私の歩調で、不透明とは目眩に倒れる私の停滞。複雑な方程式が、そんな関係性を示唆している。嘘。出鱈目な思考がただ複雑性を好んでいるだけだ。複雑であれば、猥雑であっても許されるように思えるから。本当のところは至極単純で、私はひどく眠いのだ。今にも意識を失いそうになりながら、入道雲を見つめて歩く。陽光は無...
pale asymmetry | 2024.06.28 Fri 21:15
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