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JUGEMテーマ:戯言 「僕たちはペンギンのようだね」 あなたはそう言って笑う。降りそうで降らない雨を待つように、私たちは歩道に腰を下ろす。街は忙しなく移ろいでいるけれど、私たちはそれに迎合しない。街に逆らってルールを破壊したいわけじゃない。ただ私たちのペースでたゆたっていたいだけなんだ。ビルディングに歪められた濡れ鼠の空を見つめ、あなたは歌うように呟く。 「どうしたって、重要な機能を失っている」 「とっくの昔にね」 私がそう言ってあなたの肩に頭をのせると、あなたは私の...
pale asymmetry | 2024.04.25 Thu 17:57
JUGEMテーマ:戯言 花を散らす雨は花を嫌っているわけではないだろう。むしろ花を愛しているのだと思う。だから、抑えきれずに迸ってしまうのだろう。その流れはよく解る。気持ちが高ぶれば、生命は潤ってしまうものだと思うから。私自身がそうだから。気持ちが高ぶれば、私の芯はどうしようもなく濡れそぼってしまう。そうして自ら作り出した水溜まりに溺れ、溺死の幻想と戯れてしまったりする。きっと全ての生命がそのような「さが」を背負っているのではないだろうか。いや、そういう「さが」を根元的に有する事...
pale asymmetry | 2024.04.24 Wed 18:18
JUGEMテーマ:戯言 深く潜っていけば、やがては光が届かない場所に落ちてしまう。光がないから、そこには虹もない。七色がないから、私は気持ちを抱くことが出来ない。私の気持ちのマテリアルは、虹の七色だから。そこには闇があるのだろうか。光がないから闇があるはずだと考えるのは浅はかだろうか。それは世界を単純な記号だけで構築しようとしているに等しいのでは。では光も闇もないのか。そこにある事象を私が身勝手に決められるのならば何にしてやろうか。綺麗なものが良いな。いや、綺麗そのもので良いだろ...
pale asymmetry | 2024.04.22 Mon 18:19
JUGEMテーマ:戯言 大きな水槽の中に、小さな潜水者。その潜水者は笑っている。もちろん笑っている。だって水槽の内部だから。どんなに大きくても水は動かない。管理は徹底されている。濁りもなく、流れもなく、うねりもなく、渦もない。温かな温度、そこには痛みもない。潜水者は笑うしかない。それは当然の反応。身体の内部の液体は、そんな水槽を拒絶している。いや、それは違うな。冷ややかに相対していると言うのが正確か。どうしたってそうなるよね。身体の内部の液体は濁っているし、流れているし、うねって...
pale asymmetry | 2024.04.20 Sat 21:11
JUGEMテーマ:戯言 進んでいるのか止まっているのか解らないくなる。あるいは後ずさりしているような気もする。それとも前へと進んでいるのだけれど、私を包み込んでいる時間が逆回転しているのかもしれない。それでこんな奇妙な気持ちになってしまうのだろうか。鋭いマテリアルを手に入れているような気がするし、それは全くの気のせいで、掴んでいるものは何の役にも立たない我楽多ばかりのような感じもする。どちらであっても同じような気もするし、どちらも同じ事象のような感じさえする。とにかく私は減速して...
pale asymmetry | 2024.04.19 Fri 20:49
JUGEMテーマ:戯言 ただ落ちるだけで良いのならば、どこまでも落ちていきたい。どこまでも堕ちていきたい。けれどそれさえも簡単なことではないのだろう。それを私は知っていて、でも知っているということを知る術がないのだろう。知っているはずなのに、私の手はそれに触れていない。世界を見回して、溜息をこぼし、偽の絶望を振りかざして、目覚めていることが困難になる。ゆるやかな傾斜を滑り落ちるように眠れたら良いのに。そんなことは許してくれない。この世界が許してくれない。いや、私を支配する私が許し...
pale asymmetry | 2024.04.16 Tue 18:23
JUGEMテーマ:戯言 純粋な水の濁りが邪魔をするから、私は振動に身を任せるしかなかったのです。雨は私の予想よりもずっと精密に落ちていて、風はどこに向かうこともなくただ蹲っていたから、私は少し途方に暮れてしまったのです。だから急がなければという想いが身体の奥底から湧き上がってきたのですけれど、一体何を急いだら良いのかは全く解らなかったりしたのです。それで訳もなく目についた花を蒐集して、そこに織り込まれた言の葉を飲み込んで紛らわせたりしてしまったのです。私が紛らわせたそれは、私自身...
pale asymmetry | 2024.04.15 Mon 20:40
JUGEMテーマ:戯言 降り出した強い雨があまりにも温かったので、私は水着に着替えてベランダに出た。雨は大粒でおおらかで、潔く降っていた。だから何もかもをやりとりできると思ったのに、ただ私の熱が奪われていくだけだった。少しがっかりして、サフラン色のレインコートを羽織る。それは私を装飾してくれたから、私はベランダに横たわって雨にうたれた。私に触れる雫が、私に世界のコードを入力する。私のコードは潰れる雫が受け取って、ここではないどこかへ転送してくれる。そんな妄想に浸りながら。雨と過ご...
pale asymmetry | 2024.04.13 Sat 20:34
JUGEMテーマ:戯言 「世界は幻で、私もきっと存在していない」 ランキングボードを指差して私は呟く。本当は全力で叫んで、そのランキングボードを徹底的に粉砕したかった。そうしなかったのは、まだ心のどこかで世界に寄り添いたいと思っているからかもしれない。あるいは私自身に心底絶望しているからかもしれない。それとも病か。絶望を弄ぶ病。本当は絶望なんてしていないのに、絶望している自分を世界にぶつけて痛みを楽しむ病。ゲームと違うところは、誰とも競っていなくて、それなのに勝敗があるというこ...
pale asymmetry | 2024.04.12 Fri 18:59
JUGEMテーマ:戯言 強い風に煽られて、小さな蝶が舞い踊る。ただただ翻弄されて、翻弄されているから舞い踊るしかないのだろう。蝶はそれでも風上に向かう。何度も何度も押し戻され、その度に舞い踊りながらも北を目指す。鋭い陽光は蝶を後押ししてはくれない。だから蝶は陽光には見向きもしない。蝶が見つめているのは風の先にあるはずの楽園なのだろうか。それともさらにその先にあるはずの来世なのだろうか。どちらにしても蝶はその風景をはっきりと捕らえている。だからくじけることなく風に対抗しているに違い...
pale asymmetry | 2024.04.11 Thu 20:20
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