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JUGEMテーマ:戯言 微細な点で深く沈もうとする眠気を抱えたまま、少しだけ庭仕事。嵐が近づいていると聞いたので、急に調えたくなってしまったのだ。嵐が来れば確実に乱れてしまうのにその前に一旦調えてしまいたいと思ってしまうのは、崩れていくその様相にも魅力を感じてしまうからだろうか。崩すためには調えなければいけないし、ばらすためには組み立てなければいけない。崩したりばらしたりする方に魅了されるから、私はいろいろな事象を創作しているのかも。でも作り上げたものに綺麗さを感じないのかと言え...
pale asymmetry | 2024.07.21 Sun 18:14
JUGEMテーマ:戯言 「あなたは傘をお持ちでないのね」 通りすがりの見知らぬ人にそう言われて、周囲を見回すと誰もが極彩色の傘を開いていた。なるほど、殺人的な陽光の午後にはこんな色彩を街路に蔓延らせるのがルールなのだと思った。傘を持っていない自分が申し訳ないと思えた。すぐに極彩色の傘を購入しなければとスマホを取り出す私に、見知らぬ誰かが傘を差しだしてくれる。 「どうぞ、これをお使いになって」 さっき私に話しかけてきた誰かと同じ顔をしていたけれど、同じ人物ではない。どうして...
pale asymmetry | 2024.07.20 Sat 20:53
JUGEMテーマ:戯言 旅人は、バランスばかりを気にしていた。あらゆるバランスが平衡していなければ違和感を感じるのだという。鞄から無数の天秤を取り出し、あらゆる場所であらゆる事象のバランスを確認していた。陽光は殺人的な凶悪さで旅人を照らしていたので、旅人は干からびてしまうのではないだろうかと思えるくらいに汗だくだった。それでもせっせと天秤を並べ、世界の表層のその全てのバランスを確認したいのだという。彼が違和感を消し去り安穏を得ることはないのだろうなと思えた。彼の振る舞いにこそ、私...
pale asymmetry | 2024.07.19 Fri 18:56
JUGEMテーマ:戯言 耳を傾けていると、大人たちは身勝手な言葉を並べている。子供たちはそれにいちいち頷いている。大人たちは導いているつもりなのだろうけれど、私にはコントロールしようとしているようにしか思えなかった。子供たちは聡明そうに見えたから、ひょっとしたら大人たちのその思惑に気づいているかもしれない。その上で神妙に頷いているのかもしれないな。そうなら賢いなと思った。そして同時に無礼だなとも思った。だって私は大人の側の人間だから。でも私はそのディスカッションに参加していたわけ...
pale asymmetry | 2024.07.18 Thu 18:49
JUGEMテーマ:戯言 私は日々いろいろな欠片を失っている。その度にフワフワした気分に陥っている。暮らしのなかで欠片を失うことは仕様のないこと。それが取るに足らない欠片の時もあるし、貴重な欠片であるときもある。それも仕方のないこと。だからその度にフワフワした気分に陥る必要などないのだ。受け流すにしても、目を凝らして見送るにしても、どちらであったとしてもフワフワとした気分とは無縁であるはずだから。そんなことは先刻承知しているのに、今日もまたフワフワした気分に襲われている。そのまま揺...
pale asymmetry | 2024.07.17 Wed 20:23
JUGEMテーマ:戯言 地球上で最も多く人間の命を奪っている生物は蚊なのだそうだ。そして二番目に人間の命を奪っている生物は人間なのだそうだ。このニュースを目にしたとき少し驚いた。最も多くの殺人生物は人間だと思っていたから。それはどうやら私の偏見だったらしい。けれどこのデータによると私たちは蚊が媒介する重篤な伝染病に注意が必要で、その次に人間に殺されないように注意が必要だということになる。しかしこの国ではそのような伝染病は身近なものではないようなので、蚊と同じくらい、あるいは蚊より...
pale asymmetry | 2024.07.16 Tue 21:07
JUGEMテーマ:戯言 痛みは重く濁っている。そこにデータは存在しない。遍在することを信じていたとしても、それは簡単に裏切られてしまう。こめかみに刺す刺激。撃ち込まれた幻影は直ちに溶けて全身に染み渡る。笑っても良いかもしれない。でもどんな風に笑えば良いのか解らないから黙っている。黙っていれば周囲が勝手に解釈して歯車は滞りなく回転していく。何も気に病む必要はない。痛みに耐える必要すらない。もう駄目ならば倒れれば良いのだ。こっそりと陰に隠れて、蹲り息を止めれば良いのだ。そのまま空気に...
pale asymmetry | 2024.07.15 Mon 21:28
JUGEMテーマ:戯言 少女は砂を盛り、ピラミッドを作る。先端が尖っていない台形方のピラミッド。月はまだ昇っていない。でも夜はもう下りてきている。最初の星はすでに瞬き、風は夜の湿りを帯びていた。それは泉のほとりの出来事。その砂は泉から掬い取られた清らかな砂。少女は一身にそれでピラミッドを形作る。朝が来るまでにやり遂げなければならないことがあったのだ。だから一瞬でも無駄にすることは出来なかった。焚火の炎は弱まっていたけれど、それに気を配ることは出来ない。炎よりもピラミッドの方がずっ...
pale asymmetry | 2024.07.14 Sun 20:40
JUGEMテーマ:戯言 群がる人々を横切る。群がっている人々が私を不思議な顔で見る。私がただ横切るだけで群に加わらないことが不思議なのかもしれない。でも私も不思議な顔で群がっている人々を見つめてしまう。目的地までの長い道のり。たぶん多くの人が辿り着くことが出来ないだろう。それでも彼らは群がっている。礼儀正しく列を成し、その行列は何処までも続く。後ろの方の人たちはこの群の目的を正確に理解しているのだろうか。何だか楽しそうだから群がっているだけではないだろうか。さすがにそれはないかも...
pale asymmetry | 2024.07.13 Sat 18:16
JUGEMテーマ:戯言 雨が降ったから少しだけ涼しくなる。でもその涼しさは嘘を孕んでいる。どんな嘘を孕んでいるかを見抜く洞察力は私にはない。むしろ私はその嘘を好んでいるから、無条件で受け入れてしまう。それが結果として理不尽な痛みとなって私を襲ったとしても、私はその嘘を憎むことは出来ない。ただそれが綺麗な嘘でなければ、失望してしまうだろう。そういう意味では、私が愛しているのは綺麗な嘘なのだろう。不細工な嘘を嫌っているわけではないけれど、無条件で受け入れることはしないだろう。たとえば...
pale asymmetry | 2024.07.12 Fri 18:46
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