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JUGEMテーマ:戯言 枝を切る。病に冒されて黒ずんだ枝を切る。黒ずんだ全てを切り落とすのは何か違うような気がした。そんな機械的な作業では、駄目なような気がした。私はこの樹を癒やしたいと思っている。そういう観点から、何処まで切り落とすのが良いのかを考えなければいけない。本当はその前に病を防げなかったことを悔いるべきなのかもしれないけれど、それは難しかった。私はこの樹のことを何も知らないし、それ以前に樹木全般に関する知識も程皆無なのだから。それを承知の上で、私はこの樹と向かい合って...
pale asymmetry | 2025.03.25 Tue 19:08
JUGEMテーマ:戯言 私はいつだってドラゴンを探している。ドラゴンを探して分け入っている。呼吸は機械に委ねている。流れは暦が支配している。読み解く事象は数え切れないくらいに羅列されているから、その全てを整然と組み替えることは出来はしない。だから全ては混沌としているように見える。でもたぶんそんなことはないのだ。たぶん真相はとても単純で、とても簡素なのだと思う。私はだからドラゴンの傍らを擦り抜けているのだ。ドラゴンは私を見つめているだろう。その眼差しを真っ直ぐに私に向け、息を潜めて...
pale asymmetry | 2025.03.24 Mon 21:01
JUGEMテーマ:戯言 私が指先から血を流しているのは、花が見つからないせいかもしれない。そう考えて、庭で花を探す。駆け回って花を探す。いいえ、駆け回れるほど広い庭じゃない。駆け回っているのは私のイメージだけ。躰の方は這いずり回って花を探る。陽光はまだ東から。でも気流はもう温い。汗は流れはしないけれど、滴る血が止まる気配はない。這いずり回ってでも花を探るのは、いまこの季節の変わり目の、その縫い目を正確になぞりたいからだ。そうしなければその縫い目を見失いそう。見失っても構わないよう...
pale asymmetry | 2025.03.23 Sun 18:51
JUGEMテーマ:戯言 本当は何もない。そんな気がする。そうであったとしても、何もないなんてあり得ない、と自身に言い聞かせたりする。連鎖がそこにあるのなら、その何かは実は遙か遠くにあって、見えていないだけではないか。そんな風に考えたりして誤魔化す。誤魔化すと言っている時点で何もないことを受け入れているのだけれど、それでも何かある可能性を探ってしまうのは、単に時間つぶしをしているだけかもしれない。いや、ちょっと違うか。正確には時間つぶしに巻き込まれているという感じだと思う。誰の時間...
pale asymmetry | 2025.03.22 Sat 18:52
JUGEMテーマ:戯言 風は、少しだけ迷子になっているのだという。その気持ちは解らなくもない。私自身もそうだから。でもだからといって風と情を通わせようとは思わない。そこまで私は賢くはない。かといって何の関わりも持たなくて良いのかというと、まあそれはないだろう。なるほど、水平方向へのスライドなのだ。少し奇妙な感じがしながらも、きっと慣れることができるだろうと思う。どうせ風は私を撫でるだけで、それ以上の何ものももたらしてはくれないのだから、私も風を撫でるだけにしておこう。そっと控えめ...
pale asymmetry | 2025.03.21 Fri 18:49
JUGEMテーマ:戯言 旗が、宙で鳥に変化した。いや、もともと鳥だったものが、一旦旗に変化し、また鳥に再変化したのかもしれない。どちらなのかはよく解らなかった。それが最初は鳥だったのか旗だったのかを決定するには、この宇宙の誕生の瞬間まで遡らなければいけないだろう。そしてたぶんそういう行為は禁忌だと思う。だからその鳥たちがそもそも旗だったのか、鳥だったのかを見極めることは出来ない。もっとも、その必要はないだろうと思われる。それが鳥としてこの世界に現れたのか、それとも旗としてこの世界...
pale asymmetry | 2025.03.19 Wed 18:33
JUGEMテーマ:戯言 箱の中には精霊がいる。箱の蓋はしっかりと閉じられている。けれど間違いなく精霊は内部にいる。それは確定されたことで、箱を開けない限りその確定が覆ることはない。もちろん私は決して箱を開けたりはしない。箱の中に精霊がいる限り、私は心地良い。それを自ら覆すことなんてしようとは思わない。箱の中の精霊は、やわらかな招待状だ。いずれは箱の蓋を開いて、その招待状を取り出さなければいけない。箱を開ければ精霊は消えるかもしれない。招待状は消えることはないけれど、硬く萎びてしま...
pale asymmetry | 2025.03.18 Tue 14:41
JUGEMテーマ:戯言 遠方から友が帰還した。変わらない雰囲気を纏って、誰彼ともなくじゃれ合っている。「この国は相変わらず寒いね」などと笑顔で愚痴る。土産の団子は大量で、今日それを食べることを少女は躊躇する。「でも私には明日はないの」と少し顔を陰らせたりする。だから僕はハサミを入れて、皆にその団子を振る舞った。「明日のことを考えるのはクソだよ」などと嘯きながら。帰還した友はそれに頷き、鷲掴みした団子を口に運ぶ。咀嚼しながら「確かにクソだな」なんてくぐもった声を零す。僕らの会話に耳...
pale asymmetry | 2025.03.17 Mon 19:01
JUGEMテーマ:戯言 壁の眼を見つけたとき、すぐにそれは私自身の眼なのだと確信した。けれど私の顔には二つの眼が二つともついている。だから壁の眼は私の右目でも左目でもない。とするとこの壁の眼は第三の眼だということになるだろう。きっと生まれる前には持っていて、生まれ出るときに失ってしまった眼なのだろう。胎内にいるときには、私はその眼を抱きかかえていたのかもしれない。あるいはしゃぶっていたのかもしれない。あるいは、心臓の内部に匿っていたかもしれない。つまり私は壁の眼をかつては庇護して...
pale asymmetry | 2025.03.14 Fri 18:33
JUGEMテーマ:戯言 こういう日もあるのだな、と素朴に思った。何の意味もない日。名前のない日。いや、そういう日は今までに数え切れないくらいに経験している。そうではなくて中間の日、みたいな感じ。つまり昨日は意味のある日で、明日もそう。けれど昨日から明日には直接的に繋がることはないから、今日を通過しなければいけない。だから中間の日。使命のない日、宿命を背負っていない日。だからひたすらに凪だったり。それを不自然に感じない日。本当は、こんな日を不自然に感じなければいけないのかもしれない...
pale asymmetry | 2025.03.12 Wed 20:11
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