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戯言

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戯言
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螺子を集めることと裏返ることは似ている

JUGEMテーマ:戯言    小さな螺子を拾い集めるように朝を過ごす。目が覚めたらまだ五時半だったから、そんな風にして朝を過ごすことにした。夏の早朝は不完全な宝石だ。未成熟なキラキラが、クスクスと笑っている。それが空気と擦れ合って、早朝から熱を放っている。そのせいなのかそれとも別の原因があるのかは解らないけれど、今朝は夏鳥の声が聞こえない。弾丸のように空を斬るあの声が聞こえないと、熱は流れることはなく、渦を巻いて我が家の庭に留まっている。それは密やかに膨らみ続けて、不穏な蠢きを繰り返し...

pale asymmetry | 2025.06.29 Sun 16:00

雨音は輪廻の揺らぎ

JUGEMテーマ:戯言    足下がフワフワと揺らめいているのは、寝不足のせいだけではないだろう。例えばそれは、鋭く図太い陽光のせいもあるだろう。そして爽やかな表情で笑いながら、それでも開かれていない箱の中に闇を抱えている彼女のせいでもあるだろう。もちろんそれは絶対的な闇というわけではなく、私にとってそれが冷たくざらついた闇だということだ。つまりそれを闇だと感じるということは、私もまだまだ絡繰り心を持っているのかもしれない。そんなものはとっくに粗大ゴミと一緒に捨ててしまったと思っていた...

pale asymmetry | 2025.06.28 Sat 18:25

命じる、空転しても

JUGEMテーマ:戯言    走れ、と私は自分自身に命じる。重い荷物を抱えて、私は駆けるしかない。陽光は過剰に鋭く、でも空気は銀色ではなくどこか白濁しているように感じる。では淀んでいるのだろうか。そうかもしれない。風は極弱く、世界は誰にも攪拌されていないようだ。それは私の役割だろうか。それを私自身に命じる必要があるだろうか。考えて見て、よく解らず、口笛を吹いたりして胡麻化してみたり。ああこれは空転しているな、と思えて少し可笑しくなる。何か抱えているものの重みに惑わされているのかもしれな...

pale asymmetry | 2025.06.26 Thu 17:56

夕雷

JUGEMテーマ:戯言    鋭い閃光、そして図太い轟音。空気は重く沈み、風景から明度が奪われる。「怖れるな」と私の奥底から声が聞こえる。とても冷静な声。何もかもを悟っているような声。それは銀兎の声だろうか。それともモノクロームの虎の声か。あるいは今夜の新月の声かもしれない。そのマテリアルが私の奥底に沈んでいるのかも。もちろんそれはレプリカだろう。あるいはいい加減な紛い物か。それでも新月の声として私に届くのならば、それなりの精密さを有しているのだろうから、私はその声に意味を傾けなければ...

pale asymmetry | 2025.06.25 Wed 18:04

組みあわせ、組みほどく

JUGEMテーマ:戯言    失わなければいけないような衝動をいつの間に抱えてしまっている。そんな気がする。そんなはずはないと幾度も否定するけれど、その想いさえも幾度も覆される。とても自然な流れで。日常に潜んでいる小さなキーが、同じように小さな錠を解錠してしまうのだ。それが私を否応なく前へ前へと導くから、私は躰を軽くしなければいけないような気分になってしまう。それで身に纏っているものを削ぎ落とさなければと、すっかり失ってしまわなければという想いに駆られてしまうのだ。小さなキーと小さな錠...

pale asymmetry | 2025.06.24 Tue 18:35

跳躍する幻影

JUGEMテーマ:戯言    跳躍する幻影を見る。時間的にも距離的にも大幅に跳躍する幻影。まだ存在しない、そしてこの先も存在しないかもしれない幻影。大きく一つ跳躍する。そこでは都市が歩いている。広大な荒野か砂漠のような場所を、ラウンドブリリアントカットされたダイヤモンドのような外観の都市が歩いている。パビリオンの部分から八本の足が生え出ていて、それが摺り足で歩いている。その足は金属製で、当然のことだけれど地面を擦る大きな音が響き渡っている。回りには他の都市はないから、その音が騒音になる...

pale asymmetry | 2025.06.22 Sun 17:58

夏至、前日、浅い夜

JUGEMテーマ:戯言    昼が一番長い日ならば、夜が一番短い日。本当にそう? もちろん本当。でも知ってた? 明日の昼も今日の昼と同じ長さ。だって今日の日の出の時刻と明日の日の出の時刻は同じ。今日の日の入りの時刻と明日の日の入りの時刻も同じ。ほら、だから今日と明日の昼の長さは同じでしょう? 世界ってそういうもの。一番が二つあったりする。でもとくに間違っていないのだろう。そういう事象を許容できることが世界という器なのだから。そういうわけで庭に手を入れる。まだ陽光が幼さを纏っている内に。...

pale asymmetry | 2025.06.21 Sat 20:24

崩れたかどうかは崩した者には判断できない

JUGEMテーマ:戯言    まあどうでも良いのだけれど。確定していた事項が覆る。こういうことはたぶん世界にはよくあることで、むしろこういう覆りが世界の基幹部を形成しているようにも思える。問題なのはインフォメーションに乏しいこと。いや乏しいどころかインフォメーションらしきものは一切見当たらなかったこと。そして当然ののように物事は進んでいく。それに逆らったところで、進行を止めるどころか鈍らせることさえできない。というわけで私は影で溜息を零す。千回それを影の中に沈めてから、深呼吸を三回。そ...

pale asymmetry | 2025.06.20 Fri 18:45

遙かなコード、足下のコード

JUGEMテーマ:戯言    噛み合っているようないないような対話をしているうちに、一日が過ぎてしまったような感じ。某かの意思疎通ができているようないないような。あるいは対話なんて必要ないということなのだろうか。それぞれがそれぞれの意思を表明していれば、世界は概ね進んでいくのかもしれない。世界なんて大げさなものじゃなくても、たとえば暮らしのささやかな事象だって、そうやって転がっていくのかもしれないし。それに対して違和感を感じている私は、過剰なのかもしれない。過敏だとは思わないけれど、も...

pale asymmetry | 2025.06.19 Thu 18:40

熱は箱の中で渦を巻く

JUGEMテーマ:戯言    その熱は上昇することなく、閉じた箱の中で渦を巻いている。その熱は箱の内部で発生したものではないが、今は閉じた箱の中にある。何処かの段階で箱の内部に移動したのか、あるいは何者かの手によって移されたのか。しかし箱はこの世界が生まれた瞬間にはもう閉じていた。それは前の世界が消滅する少し前から閉じていたのだ。だから、前の世界からこの世界に閉じた状態で受け継がれたのだろう。つまり閉じたままならば、次の世界にもこの箱は受け継がれることになる。それが正しい理なのかどうか...

pale asymmetry | 2025.06.17 Tue 18:05

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