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JUGEMテーマ:戯言 テーブルの上には大小様々なグラスたち。色も形も様々だ。適当に水を入れて、それぞれのグラスに個性を与えてみる。もうすぐ正午だから、部屋の中央にあるテーブルには日が差さない。部屋の端々で弾ける陽光のエフェクトだけでは十分な輝きを放つことはない。だからグラスたちは静かだ。おかしいだろうか。だってグラスはそもそも静かだ。叫んだり泣いたりはしない。唸ったりも囀ったりもしない。けれどいつだって内部に音を秘めているのだ。それは確かなこと。でもグラスの本性は空虚だから、取...
pale asymmetry | 2024.08.02 Fri 20:25
JUGEMテーマ:戯言 窓辺で、子猫が外を眺めている。ときおり、ガラス面を弱く引っ掻く。立ち上がり、何かをねだるように鳴く。外の世界に興味があるのだろう。そう思ったから、私は窓を開ける。子猫は外に飛び出し、すぐに視界から消えた。そして戻ってこない。もう永遠に戻ってこないだろう。いやこれは嘘だ。私の命は永遠ではないから、永遠に戻ってこないかどうかは解らない。子猫の命も永遠ではないから、ここで永遠を持ち出すことには意味がない。戻ってくるのか来ないのかより永遠の方が重要ならば、私は人魚...
pale asymmetry | 2024.08.01 Thu 20:24
JUGEMテーマ:戯言 割れた花に水をやる。たっぷりと水をやる。夢見るように水をやる。その夢が悪夢でないことを祈りながら水をやる。遠い未来に花弁を散らし、それが風を味方にして宇宙にまで上昇する夢であることを願う。きっとそれは花の魂で、その内部には私の二重螺旋も転写されているのだと空想する。空想しながら水をやる。 「花は割れたりしないよ」 あなたが優しく言う。どうやら私は想いに声を纏わせていたらしい。 「花は割れたりしないものなんだよ」 あなたが私と一緒に花に水をやる。...
pale asymmetry | 2024.07.31 Wed 19:41
JUGEMテーマ:戯言 豊穣な濁りの内部で温く踊る。温い時間、温い光、温い空間、温い心の私。温い身体がほどけていく。そして私は無数の絹糸になった自分を感じて気づくのだ。ああ、私は組紐だったのだと。すると私は純粋な数学的事象で、世界と素の関係にあるのだろう。もちろんこれは妄想だ。弄ぶには少しばかり厄介な妄想だろう。だって私は数学に対しての偏愛をそんなに有してはいない。ほんの表層を掻き回すくらいだ。だからそのほどかれていくメカニズムも温い解釈しか出来ない。きっと間違っているだろう。全...
pale asymmetry | 2024.07.29 Mon 21:10
JUGEMテーマ:戯言 語るべきことを語らないのは罪だ。そう指摘されても語る気にはなれない。語らなければ伝わらないというのならば、それは伝えなければ良いのではないかと思えてしまう。あるいはもっと別の方法を用いても良いはずだ。例えば強くハグしたり、例えば爪を立て合ったり。それに、語るべきことなんて本当にあるのだろうか。この世界にはそういうものはないような気がする。この世界はそういうものを許容していないような気がする。語るべきだとされることは、全て語らずにはいられないことだろう。語ら...
pale asymmetry | 2024.07.28 Sun 18:57
JUGEMテーマ:戯言 ティーポットがカタカタと蓋を揺すり鳴く。意味なんて無い。世界がそこに意味を授けていないからだ。私だって授かっていない意味は、何処にもない失われた意味と繋がっていたりもしない。繋がりもなく失われたものに再びアクセスすることなど出来ない。歯車はすでに大きく狂っていて、その精度は目も当てられないほどに歪んでいる。ティーポットがカタカタと鳴くのも、私が声を殺して泣くのも、世界は知らん顔だ。その根底にあるシステムに問題があるのだ。それはとても冷静なくせに、とんでもな...
pale asymmetry | 2024.07.27 Sat 21:25
JUGEMテーマ:戯言 嵐は過ぎ去ったはずなのに、強い風と強い雨。カーテンを開けても部屋の中が薄暗い。窓辺のソファーに寝転び庭をぼんやりと眺める。大粒の雨が窓硝子にベールを作り、見慣れた庭が歪んでいる。部屋の内部よりは明るい世界だけど、それでも色に乏しく感じるのは雨が庭の生命をぼやかしているからかもしれない。長く見つめていると私の生命も薄められてしまうだろうか。部屋の薄闇の向こう側に滲んでしまうかもしれない。この部屋全体が水彩のコードになって、私を取り込んでしまうのだ。そして私は...
pale asymmetry | 2024.07.26 Fri 17:25
JUGEMテーマ:戯言 あなたは間違っていないのです。世界が間違っているのですから。いびつに歪んでいるのは確かに私やあなたの方で、世界は調った光景を拡げています。けれどそれが間違っているのです。魂はいつだっていびつな事象。過剰に調った世界とは相性が悪い事象のはずなのです。それを無理矢理削ぎ落として調え、世界に填め込む必要などあるでしょうか。いいえ、いいえ、そんな必要はありません。雨はいつも傾いで降っているわけではないのですから。純粋な雨はいつだって真っ直ぐに密やかに降るものなので...
pale asymmetry | 2024.07.24 Wed 20:38
JUGEMテーマ:戯言 「オレに平伏さないのならば、一戦交えるしかないぞ」 小人が私を睨んで言う。可愛かったから、つい微笑んでしまう。それが気に入らなかったようで、小人は拳を私に突き上げる。 「身の程知らずにも程があるぞ」 叫びながら、小人が地団駄を踏む。私は少し戸惑ってしまう。小人は私と自分のサイズ差をどう捉えているのだろうか。例えば私が拳を突き出せば、簡単に吹っ飛ばしてしまうことが出来るだろう。まあ、そんなことはしないけれど。あるいは私と小人では世界の捉え方が違うのか...
pale asymmetry | 2024.07.23 Tue 18:48
JUGEMテーマ:戯言 花に必要なのは水か土か。まあおそらくその両方なのだろう。けれど私は方舟という限られて空間にいて、どちらかを選ばなければいけないのだ。仮に私が巨大な施設にいたとしても、無限のリソースを手にすることなどあり得ない。それは論理的にも実際的にもあり得ない。だから私は選択しなければいけない。水か土か。もし問うことが出来るのなら、花に問えば確実だろう。けれど私の言語と花の言語はかけ離れている。かけ離れているからこそ、私と花は方舟で共存できるのだ。だから私はひたすらに花...
pale asymmetry | 2024.07.22 Mon 18:20
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