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JUGEMテーマ:戯言 ポケットから取り出したコインが手からこぼれ落ちた。それは地面にぶつかる直前にカエルに変化して、跳ね飛んでいく。それを追いかけようと踏み出した足が何かを脆く踏み潰す。足を上げてみるとそこには潰れたカタツムリがいて、鋭すぎる陽光がそのカタツムリを煌めかせる。何を成すべきかを見失ってしまった私はただ立ち尽くし、当然カエルは行ってしまう。カタツムリは煌めきに貪り食われ、私にそれが潰れる瞬間の感触だけが残された。強い北風が私から何もかもを掠っていこうとしているのに、...
pale asymmetry | 2024.03.12 Tue 17:36
JUGEMテーマ:戯言 私が立っている場所が何に属しているのかを見失う。それが何に所属していれば私が安定していられるのかも見失う。私自身が何に属したいのかも見失う。そして私とは何なのか、私という現象がどんなエフェクトを放つのか、私という事象が何に触れることが出来て何に触れることが出来ないのか、その全てを見失う。問題なのは見失ったことではない。見失っている私が、ただ怠惰を愉しめているということだ。こんなに見事に見失っているのに不安はなく焦りもなく、違和感さえ感じることが出来ない。波...
pale asymmetry | 2024.03.09 Sat 18:13
JUGEMテーマ:戯言 大きなモニタでは海の向こうのドタバタ劇が映し出されていて、ソファーに身体を沈めた数人の人たちがそれを真っ直ぐに見つめていた。ドタバタ劇はコメディーのようで、でもどこか悲しいストーリーが展開していた。たぶんモニタを見つめる私たちを揺さぶろうとしているんだ。私にはそう思えた。隣に腰掛けている人にそのことを尋ねてみたかったけれど、勇気がなくて出来なかった。見知らぬ人にいきなり声をかける勇気を私は持ち合わせていない。生まれてから今日まで、一度も持ち合わせたことがな...
pale asymmetry | 2024.03.08 Fri 18:46
JUGEMテーマ:戯言 寒い部屋で待つ。痛みを抱えながら。自分はこの世界で確かに回転している。それを痛みが教えてくれる。それを教えてくれるのが痛みだけだったりする。良くないな、と思う。世界は痛みで構築されているわけではないし、私だって痛みだけで構築されているわけではない。それでも痛みを抱えることで、安穏を感じたりしている自分がいる。記憶を遡れば、苛立ち感じていたこともあった。一体いつから私は痛みに苛立ちを感じなくなったのだろう。どうして感じなくなってしまったのだろう。痛みに蝕まれ...
pale asymmetry | 2024.03.07 Thu 18:48
JUGEMテーマ:戯言 頭の歯車がずれているような気がする。痛みや不安があるわけではない。どちらかといえば、擽ったい感じ。歯車がずれてしまったために、私の精密さが高まったような気もするし、逆に低まったような気もする。たぶんある部分の精度は高まっていて、別のある部分の精度は低まっているのだろう。それがそれぞれどの部分なのかは、私には解らない。というかその詳細に興味がわかない。精密さが高まろうと低下しようと、私が大きく変様するとは思えないから。だから私はただこの擽ったさを弄べば良いの...
pale asymmetry | 2024.03.05 Tue 18:11
JUGEMテーマ:戯言 テーブルの上に並んだ千切られた耳。メープルシロップをたっぷりとかけて食べてしまいましょう。きっと美味しいはず。この耳は新鮮だから。そんな風に私を誘う人形は、少し刺々しい表情をしている。和服であることが正装な今夜に、ゴシックロリータで微笑んでいる。とってもやわらかいから耳だって気づかないかもよ。シロップをかけなくても十分に甘いはずだから、シロップが上乗せされてとろけるような甘さになっているはずよ。人形はテーブルの端で奇妙なダンスを踊りながら言う。私はその細長...
pale asymmetry | 2024.03.03 Sun 21:12
JUGEMテーマ:戯言 小さなロボットは、川原を歩いていた。アルミニュームのボディが奇妙な軋み音を立てている。何が原因でそんな音が響いているのかは、ロボット自身にも解らなかった。オイルか、シリンダーか、ギアかネジか、きっと何かに不具合が起こっているのだろうけれど、それを見つける術をロボットは有していなかった。だから音を響かせたまま川原を進み続けた。川原に住む生き物たちは、ロボットの位置をその音から判断することが出来た。ロボットの背後から、一匹のイタチが近づいていく。臙脂色の毛で覆...
pale asymmetry | 2024.03.02 Sat 19:00
JUGEMテーマ:戯言 小さな精霊が、私の足下で囁く。 「跳躍しなければ。跳躍しても良い日なのよ」 にわか雨が上がって青空が見え始めた午後の真ん中。濡れた路面を私は歩く。跳躍の必要性を説かれても、突然すぎて上手く対応できない。私には私のリズムが合って、それにそって暮らしているから。そしてその暮らしに日常的な跳躍は含まれていない。どちらかというと這い蹲ることの方が日常だ。そうやって顔を地面に近づけて、微細な事象にフォーカスする日常を私は過ごしているのだ。もちろん愉しくてそうし...
pale asymmetry | 2024.02.29 Thu 21:03
JUGEMテーマ:戯言 私たちは楽園を夢見て、暗闇に蹲る。私たちは快楽を求めて、痛みを引き受ける。私たちは安穏を願って、蹂躙に跪く。私たちは形にこだわりながら、飽食を繰り返す。私たちは安眠を探しながら、真夜中に彷徨う。私たちは自傷しているのだ。やわらかな自傷を自身に施すことで、生を実感しているのだろう。あなたはそれを悲しむだろうか。私は悲しまない。やわらかな自傷は、私を掬ってくれるから。身体は傷ついているのに、心は癒されているから。私は歪んでいるのだろうか。邪な気の病に冒されてい...
pale asymmetry | 2024.02.26 Mon 18:11
JUGEMテーマ:戯言 冷たい風は渦を巻いている。多くの人がその風に顔を顰めていたけれど、私に対してはその風は好意的に感じた。もちろん私の熱を奪っていく。私を冷たく撫で上げ、水晶へと磨いてしまおうと考えているのかもしれない。そう思えてしまうくらい洗練された風だ。この一週間、洗練すること洗練されること、そして洗練さを纏うことを考えてきた。その間にあなたは旅をし、旅から帰還し、次の旅の計画を練っている。その旅にも私は含まれていないけれど、それを寂しいと思ったりはしないくらいに私は身勝...
pale asymmetry | 2024.02.25 Sun 19:46
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