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JUGEMテーマ:戯言 大通りを流れる風を、ビルの合間のパーキングから眺めていた。いや、風なんて見えない。見えているのは駆け抜けていく風の痕跡だ。大通りを歩く人たちに、大通りに並ぶ店の軒先に、その風が色をつけていく。分岐した風の一部が、脇道のこのパーキングにも流れ込み、私を弄んだりする。陽光は十分溢れていたけれど、それを消し飛ばす勢いの風だ。北からやって来るその風は、大陸の冷気を運んでいる。バイカル湖周辺のジーンを運んでいるのかもしれない。その風に押されてこの島に古の誰かが辿り着...
pale asymmetry | 2024.01.11 Thu 19:54
JUGEMテーマ:戯言 早朝の都市を駆ける馬は燃えさかっていた。迸る炎の端々は鋭利だったけれど、全体としてその炎は淑やかに見えた。その炎の色彩が澄んだエメラルド色をしていたからだろうか。それともその燃えさかる炎から、熱を感じることが出来なかったからだろうか。だから私は、その馬に跨がることも出来ただろう。実際に、私はそのうまに跨がりたいと思っていたのだ。跨がって、馬と同じエメラルドの炎を纏ってみたいと思っていたのだ。だけどそれは出来ない。疾駆する馬のスピードが速過ぎて、駆け寄ること...
pale asymmetry | 2024.01.10 Wed 18:46
JUGEMテーマ:戯言 透明な壁の向こうで、見知らぬ少女がピースサインを翳している。少女は私の愚かさを指摘しているのかもしれない。満面の笑みを浮かべていたけれど、その眼差しはとても冷たかった。それは冬のせいではないだろう。それよりも私に対する軽蔑の現れのような気がした。そんなものなのだと納得する。つまり世界はそういう牽制をし合うようなシステムで構築されている。それが嫌ならば、声を上げずにやわらかい闇の中に沈み込むしかない。それはそれで間違ってはいないと思える。ただ自身が本当に愚か...
pale asymmetry | 2024.01.08 Mon 20:59
JUGEMテーマ:戯言 朝のテレヴィジョンは、午後の雨を告げていた。朝のテレヴィジョンは嘘つきだったらしい。斑な薄雲の向こうに青空が見えている。朝のテレヴィジョンに依存して傘を持つ午後の私は、少しばかり残念な人。でも大丈夫。誰も私なんて見ていない。誰も私の存在を気にしてはいない。この季節には珍しい南風だけが、私にの前髪にちょっかいを出して弄ぶ。傘を振り回して風を蹴散らそうとしても、南風はすばしっこくてことごとくかわされてしまう。むきになって傘を振り回す私は、かなり残念な人。いい加...
pale asymmetry | 2024.01.06 Sat 20:13
JUGEMテーマ:戯言 水たまりのような日だまりで立ち止まる。陽光が私を包み、磨き上げてくれる。そんな風に心地よく感じる。風がゆるやかだから、このまま上昇しそうだ。上手く説明できないけれど、複雑系の作用で私は天に運ばれてしまうように感じる。この陽光が何色かと問われれば、それは橙色。その色は陽光から滲み出しているだけではなく、私からも滲み出している。体表からオーラみたいに。これは私の想いの色だろうか。それとも思考の色だろうか。あるいは本能の色だろうか。案外私のインナーチャイルドの叫...
pale asymmetry | 2024.01.05 Fri 18:13
JUGEMテーマ:戯言 誰かが見ている風景を、見つめる必要なんてない。誰かが奏でている旋律を、奏でる必要などない。誰かが語るアイデアを、語り直す必要などない。誰かが歌う歌を、追随する必要もない。ありふれた事象に埋没すれば、心地良い時間を過ごせるのかもしれない。でもその時間が私の純度を上げてくれはしない。そんなことをしても、私という結晶は濁るだけだ。もうすでにあるセンテンスならば、私が再生成する必要などないだろう。無難な美しさに安心するだけでは何も得られない。小さな箱庭でも構わない...
pale asymmetry | 2024.01.04 Thu 19:13
JUGEMテーマ:戯言 私はゆるやかに上昇しているのかもしれない。私は気づかないうちに下降しているかもしれない。私は何気ない振る舞いの結果として、停滞している可能性もある。流れに乗って上昇している自分を想像する。少し息苦しさを感じる。上昇すれば吸い込める空気が薄くなるからだろう。それを自覚すれば、私自身も希薄になるかもしれない。渦に巻かれて下降する自分を想像する。軽い目眩を感じる。回転が私を魅了しているからかもしれない。それを自覚しても、その惑いから逃れることはできないだろう。停...
pale asymmetry | 2024.01.03 Wed 20:15
JUGEMテーマ:戯言 祈りなさい。それならすぐに出来る。いつだって出来る。どこにいたって出来る。何をしていたって出来る。手を止める必要はない。あなたが今していることを継続しながら祈れば良い。もちろんあなたには手脚があるのだから、その手を使って触れ合うことも出来るし、その足を使って駆け出すことも出来るでしょう。けれどそれだって祈りながら出来る。まず祈りなさい。行動を起こすにしても、その前であってもその途中であっても疲れて一息ついたときでも、祈りなさい。皆がそうすることで、必ず変え...
pale asymmetry | 2024.01.02 Tue 17:53
JUGEMテーマ:戯言 世界は踏み潰して良い対象なのだと気づく。そして私は世界に踏み潰される対象なのだと気づく。私が踏み潰そうとすれば、当然世界は牙を剥くだろう。世界が踏み潰そうとするなら、私は牙を剥き襲いかかれば良いのだ。それが許されているから、私たちは未来に目を向けることが出来るのだ。世界の本性はとても脆弱で、何も恐れることはない。思う存分踏み潰せば良い。私の本性もひどく脆弱だから、あっけなく世界に踏み潰されてしまうだろう。傷は深く、痛みは激烈かもしれない。でもそれはお互い様...
pale asymmetry | 2023.12.31 Sun 18:29
JUGEMテーマ:戯言 「数字を数えるな」 男はそう言って子供たちを睨む。けれど子供たちはお構いなしに数字を数えた。子供たちは男を怖れてはいない。だから男の言葉など無視して数え続けた。子供たちが数えていた数字は秒数だ。正確にそれを重ねることによって、子供たちは世界を把握している。つまり子供たちにとって世界は数字だ。それはある意味デジタルであり、そして別の意味ではアナログ的でもあるだろう。あるいはそれは暗号的かもしれない。男が数えるなと言うのは、世界の暗号化を危惧しているのかもし...
pale asymmetry | 2023.12.28 Thu 20:13
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