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JUGEMテーマ:戯言 斑の空からは、斑の陽光が射している。その熱はやわらかく、私に行く先を指し示しているように感じた。おかしな感覚だと思う。熱が指し示す? 何を? 何処を? 不可思議さを噛みしめながら、それでもそうとしか感じられなかった。雲は無邪気な紋様を奔放に描いている。奔放すぎて、その紋様からは何も連想できなかった。普段ならどんな事象にもコードが秘されていることを疑ってしまう私だけど、あの雲はただ愛でることが出来た。あそこにはコードはない。だから何も読み解く必要はない。そし...
pale asymmetry | 2023.11.27 Mon 21:37
JUGEMテーマ:戯言 あなたは遠からず誰かを殺してしまうでしょう。そいう言葉を飲み込む。選択肢は限られているけれど、最適解は必ずある。熟考を繰り返せば、いずれそれに到達できるはずなのだ。それなのに安易なアイデアに飛びつき、世界を歪めるような致命的なエラーを引き起こす。そしてそれに気づいてさえいないのだ。でも私は何も言わなかった。密かに長い溜息を吐き出しただけだった。鋭い言葉は相手に鋭い記銘を入力するかもしれないけれど、それだけだ。つまり相手に記述されるのは鋭い入力が起こったとい...
pale asymmetry | 2023.11.26 Sun 20:23
JUGEMテーマ:戯言 このペンシルはウイルス性だ。と最初に私は告げる。私は嘘つきだ。と次に私は告げる。あなたはペンシルはウイルス性ではないと考えるだろうか。それとも私は嘘つきではないと考えるだろうか。あるいはウイルス性のペンシルなど存在しないと考えるだろうか。だから私は嘘つきだと考えるだろうか。世界は限りのない間違い探しだ。けれど二つ並んだイラストの両方が間違いかもしれない。もちろん両方とも正解かもしれない。どちらかが間違いだとしても、どちらが間違いであっても支障はない。それを...
pale asymmetry | 2023.11.25 Sat 21:39
JUGEMテーマ:戯言 怒りに我を忘れた人は、本当は嘆かなければいけなかったのではないだろうか。そんな風に私が考えてしまうのは、私がその人に対して客観的な視点を持っていないからだろうか。つまり私は偏った視線でその人を見つめているのかもしれない。だからその人の怒りの正当性を疑いながらも受け入れてしまうのかもしれない。それでもやはりあの人は嘆くべきなのだ。大地は水を吸い、空はさらにその水を要求する。循環は当たり前のようにここにあるけれど、それを当たり前と感じていない者たちが多すぎるか...
pale asymmetry | 2023.11.24 Fri 20:43
JUGEMテーマ:戯言 波打つ雲の狭間から、半月が覗く。いやそれは逆だったかもしれない。半月が現れたから、波打つ雲が照らされたのだ。君は車から飛び出して、今日一日の出来事を僕に捲し立てた。「私、本当に良く喋るよね?」って途中何度も確認しながら、それでも話すことを止めない。君の今日という一日のディティールが、その全部が僕に入力される。それが心地良かった。あまりにも心地良くてそれに浸っていると、君は僕のリアクションの薄さに気づいて、「ちゃんと聞いてる?」って唇を尖らせた。もちろんちゃ...
pale asymmetry | 2023.11.21 Tue 21:17
JUGEMテーマ:戯言 魔法なんてないんだと知るために、私は暮らしているわけじゃない。魔法なんてないんだということは、もうとうに解っているのだから。進みたければ一歩一歩足を前に出すしかない。触れたければ両手を思い切り伸ばすしかない。繋がりたければ言葉を発しなければいけないし、寄り添いたければ気持ちを傾けなければいけないのだろう。でもそういうものが全部上手くいかなければ、どうすれば良いのだろう。何もかもから目をそらせば良いのだろうか。風の行方を見つめて、その方向に気持ちを棚引かせれ...
pale asymmetry | 2023.11.20 Mon 21:05
JUGEMテーマ:戯言 くだらない傷だと思う。取るに足らない傷ではないけれど。それでもラベルを貼る必要も、カテゴライズする必要もない傷だ。世界に晒して固定してしまいたくなるほど、簡素な傷なのだと思える。それでも傷のことばかり考えてしまうのは、少なからず私の心が傷に支配されているからだろう。だからといって一日の流れが変わるわけでもなく、熟すべき事象が滞るわけではないけれど、気づかないうちに僅かな遅れが生じているような気もする。三十秒で出来ることに三十一秒かかってしまっているような感...
pale asymmetry | 2023.11.18 Sat 21:32
JUGEMテーマ:戯言 指先から滴る血には淀みがなくて、とても無垢な朱が輝いているように見えて、何だかとても嬉しくなった。壁に飛び散った血も同じように朱が煌めいていて、それを拭い取ることが少しだけ惜しまれた。痛みはもちろん抱えていたけれど、そのような血を見て痛みは薄れてしまった。そういうものに関わる必要などないのだと諭されているような気分になったのだと思う。それくらい、その血は綺麗に思えたのだ。私の血だ。私の血なのだ。そうふれまわってこの想いを誰も彼もと共有したかったけれど、誰に...
pale asymmetry | 2023.11.17 Fri 21:10
JUGEMテーマ:戯言 私の手にコインがあって彼の手にコインがないのは、私のせいではない。そのことに彼がどれだけ苛立っていたとしても、私には無関係なことだと思えてしまう。それでは駄目なのだろうか。私と彼に少なからず繋がりがある以上、私はその苛立ちに対して某かの癒やしを注がなければいけないのだろうか。でも私にはそれは馬鹿げたことのように思えてならない。だって私の手にあるコインは私にだけ価値のあるもので、彼にとっては意味のないものだ。彼だってそれは薄々分かっているはずなのに、それでも...
pale asymmetry | 2023.11.16 Thu 20:38
JUGEMテーマ:戯言 海辺の国道を走るバスは、予定の時刻より三十三秒も早くバス停を出発した。僕は波打ち際で踝を濡らしながら、そのバスを見送った。大きく手を振って。強い北風が吹いていたから境界線上の波は尖っていて、空間の織り目を切り裂いていたけれど、僕はその空間に直接関わっていなかったから、世界の片端のその痛みに共感することは出来なかった。バスは着実に加速していき、道は少しだけ上り坂で、僕は一層大きく手を振る。全ては上手く噛み合っているようにも思えたけれど、一つ重要な事象が足りな...
pale asymmetry | 2023.11.14 Tue 17:23
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