[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
JUGEMテーマ:戯言 微かな震動を感じて、思わず身を固める。違う違う、そう自分に言い聞かせて力を抜く。固有振動が干渉し合っているのだろうと考えて、席を移動する。見える風景は僅かにしか変化しないけれど、心持ちは大きく変換されたりする。人々が歩く。私は静止する。人々の鼓動が跳ね回る。私の呼吸は隠される。 生み出されるのは水だろう。それが澄んでいるとは限らない。たとえ濁っていたとしても、それは汚い水ではない。その濁りは生命にとって必要不可欠な事象なのだと私には思えたり。けれど誰か...
pale asymmetry | 2022.03.22 Tue 21:51
JUGEMテーマ:戯言 犬が砂浜ではしゃぎ回っている。身体中に砂を纏って転がっている。とても楽しそうだったから、私も真似てみる。特に楽しくはなかった。砂が熱すぎる。立ち上がり、波打ち際を歩く。靴が沈むのが心地良かった。靴の中に細かな砂が紛れ込むのが気持ち悪かった。心地良い感じと気持ち悪い感じが斑に纏わり付いて、私を異世界へと誘う。犬は波を恐れて近づいてこない。それが私をうつつに留める。結果として、私は境界線上を歩いて行くのだった。 クジラが飛べば良いのにな。青空を見つめて思う...
pale asymmetry | 2022.03.19 Sat 21:36
JUGEMテーマ:戯言 象牙色の待合室で、気がつくと人は私だけだった。空気がどんどんと冷えていく。それに比例して光が溢れていく。ひどく眠気を誘う光だ。過剰に精密な微睡みが、私を包み込もうとしている。そう強く感じる。でもそれに身を委ねたいとは思えなかった。時間の粘度が強すぎたのだ。その時間の粘度が。それが私の練度を貶めようとしている気がして、納得出来なかった。 硬いシートはオレンジ色だ。けれどサワサワとした聡明な吐息は感じられない。ではこのシートは私を拒絶しているのだろうか。そ...
pale asymmetry | 2022.03.18 Fri 21:17
JUGEMテーマ:戯言 錆色の月を見つめ、その月光を受け止める。受け止めたからといって、私がその月光を活用することは出来ない。この世界に、この月光を有効に活用出来る人はどのくらいいるのだろうか。この光を等価交換で新たな事象へと変換して、今はないものと、ここではない場所と、跳躍する時間を結びつけられる人は。私ではない。憧れはするけれど。 ロボットに出会う。赤銅色のロボットに。身体を形作るパーツは全て箱形。幼少の頃に初めて買って貰ったおもちゃのロボットにそっくりだ。おもちゃのロボ...
pale asymmetry | 2022.03.16 Wed 21:40
JUGEMテーマ:戯言 モニターの中ではロックンローラーが灰色狼と共に走ってる。どこまでも続く砂丘。太陽は沈もうとしている。それでもまだ空は青い。茜を纏ってはいない。 「この空のようにブルーな日々かい?」 ロックンローラーが歌う。軽く左右に揺れながら。地平線に近づきつつある太陽は、そこで何を思ったのか下降をやめて地面と平行に動き出す。空は明るさを取り戻し、その青は陽気で憂鬱な矛盾を抱える。 「これが普通の空さ」 ロックンローラーは砂の上を転がり、灰色狼が滑ってそれを追...
pale asymmetry | 2022.03.13 Sun 21:25
JUGEMテーマ:戯言 銀色の花が咲き誇る庭園。見知らぬ花だ。造花のような光沢だけど、確かに生命の流れを感じる。それが庭中で咲き誇っている。甘くにが香りがする。意識を揺さぶられる香りだ。母の胎内で沈んできたときに感じた香りかもしれない。それならば、私の心臓はこの香りの刺激で鼓動を始めたのかもしれない。 庭園には幾何学的に小道が走っている。誰かが恣意的に描いた道。道を駆け抜ける風はその誰かに操られているようだ。それはきっと螺子を巻く風に違いない。発条仕掛けのおもちゃの兵隊が、軽...
pale asymmetry | 2022.03.12 Sat 21:25
JUGEMテーマ:戯言 街路樹の根元で小さな猫が丸まっている。灰色の猫だ。近づくと顔を上げて私を見つける。ブルーとグリーンがゴールドに混じった眼球だ。甘酸っぱい感じがする。それは晴れ渡り、陽光は分厚いのに鋭い。風はゆるやかだけど冷たく、それが街角の風景を冷酷なものにしている。だから、私はその小さな猫に手を伸ばさない。 この猫は私かもしれない。 いや、そんなはずはない。 私は猫を見つめている。そして猫に見つめられている。でも、私はどこにもいないかもしれない。あるいは小さ...
pale asymmetry | 2022.03.11 Fri 21:12
JUGEMテーマ:戯言 青空をただ眺めていても何も起こらないのは十二分に承知していたりしますけど、ただ青空を眺めていたくなることってありませんか? まあ何というか今日がそうだったんですけど、つまり綺麗な青空だったわけです。どうして青空って、特に綺麗な青空でなくても、ずっとずーと眺めていられるんでしょうね。これって私だけでしょうか。 風はまだヒンヤリとしてますけど陽光は強めだから、ポータブルチェアを青空の下に広げて、ぼーっと眺めてみたり。いろいろと考えることがあったはずなんです...
pale asymmetry | 2022.03.09 Wed 21:32
JUGEMテーマ:戯言 目覚めたのは何者かに呼ばれたからかもしれない。まあ、そんなことはないのだけれど、そういう気もしないでもない。だから庭に出てみる。薄明るい世界は、少し湿った空気で満ちている。それは庭が求めている空気なのだろうと思えるけれど、私には少し息苦しい感じがする。 緩やかに溺れている感じ。あるいはやわらかく水没している感じ。 朝早くに目覚めてみたものの、することなど何もない。時間を持て余すのが嫌で、庭の草を抜いてみたりする。一つ一つ抜き取るたびに、死の匂いがす...
pale asymmetry | 2022.03.08 Tue 22:00
JUGEMテーマ:戯言 砂漠にだって雨は降る。雨が降れば川が流れる。そういう世界が確かにあると信じているのに、たまに裏切られたりする。いや、実際には裏切られたりなどしていなくて、ただ私が裏切られたと感じているだけかもしれない。そうして勝手に傷ついてしまったりしているのだ。 そういうときは眠るのが良い。そう誰かに言われた記憶がある。あれは誰だったかしら。そしていつだったかしら。記憶がぼんやりとしているから、ずっと昔のことなのだろう。誰かに言われたと思うのなら、それは近しい人なの...
pale asymmetry | 2022.03.06 Sun 21:14
全1000件中 551 - 560 件表示 (56/100 ページ)