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JUGEMテーマ:戯言 私というものがどこにあるのか、ときどき解らなくなる。つまり私の主体がどこに帰属しているのかという意味で。それは肉体だろうか。各内臓を含む物質の内部にだろうか。それとも、その物質間の相互関係によって生まれるアクションにだろうか。あるいは、ただ脳という一つの内臓が構築した幻影だろうか。 私は幻想に過ぎないのだろうか。つまり私という主体はどこにも帰属していないのではないかという意味で。それは私の身体のどこにも存在せず。私の身体は私という主体からは切り離されて...
pale asymmetry | 2022.03.04 Fri 20:46
JUGEMテーマ:戯言 腰を下ろし、流れのない川に足を浸す。その水は温く、私の熱は奪われない。この水は冷静なのだろうか。澄んでいるけれど、死の予感は感じない。静かな水だ。動いていないからだろうか。足先を軽く蹴り上げてみる。跳ね上がった飛沫は水を奔放に躍動させたけれど、水は静かなままだ。 私は何を期待しているのだろうか。この水が突然私を襲うことだろうか。そして私を犯すことだろうか。解らない。意識の表層には、どんな欲望も浮かび上がってこない。けれど無意識の底には、何かが蠢いている...
pale asymmetry | 2022.03.01 Tue 22:02
JUGEMテーマ:戯言 急ぐ必要なんて何もない。けれど時間は無尽蔵にあるわけではない。相反するこの二つの気持ちを危うくバランスさせながら、少しだけアルコールを流し込む。ドラッグも少し。二つの事象が混ざり合って、ハチャメチャなユートピア幻想に浸る。結局、私はゆっくりとしか進めないのです。急ぐとすぐに眠気に襲われるから。 ゆっくりと旅をして、キョロキョロと目線を泳がせる。アンテナはあらゆる方向に展開して、何に注目するわけでもないままに、思いがけないものを手に入れたりして嬉しくなっ...
pale asymmetry | 2022.02.28 Mon 20:40
JUGEMテーマ:戯言 その人は街角の兵士にひまわりの種を渡す。死んだ兵士からひまわりが育ち、戦場が最終的にひまわりに埋め尽くされるようにと。そんな願いが世界には溢れているのに、たいていの場合は踏みにじられてしまう。そのひまわりを纏った世界はきっと綺麗なのに、そのイメージは一部の人には拒絶されてしまうのだ。 街角の兵士は遠からず引き金を引き、放たれた弾丸が何者かを赤く染めるかもしれない。あるいは何者かが放った弾丸が、街角の兵士の心臓を撃ち抜くかもしれない。そうやって世界はとり...
pale asymmetry | 2022.02.26 Sat 21:16
JUGEMテーマ:戯言 仕事から家に戻ると、ワンルームの部屋中にトラの着ぐるみを着た元彼の着ぐるみが散乱していた。トラではなく、元彼でもなく、その抜け殻が。それはもう床もテーブルもベッドも覆い尽くし、数えたわけではないけれどたぶん二百四十六…、ん? この場合はなんと数えるのだろう。二百四十六着? それとも二百四十六体? 人? 枚? とにかく散乱していた。 こういうのは、死体や死骸よりも厄介だ。取り敢えず飛び込んでみる。というのもトラの毛がモフモフしているように見えたから...
pale asymmetry | 2022.02.22 Tue 21:58
JUGEMテーマ:戯言 僕はカエルの腹を開いて、オルガンに歯車を組み込む。歯車だけじゃない、真空管も組み込む。それらだけじゃない。トランジスタだって組み込むんだ。そしてもちろん、僕の想いも組み込むよ。そうしなければ、言語が乱れてしまうでしょう。せっかく君と僕は同じ母語を操っているのに、これが古の物語のように分断されてしまったら、僕らは簡単に混乱してしまうよ。そうなればカエルのオルガンは、不協和音しか奏でなくなるじゃないか。 螺子は多めに打ち込もう。意味のないくらいに沢山捻じ込...
pale asymmetry | 2022.02.21 Mon 21:03
JUGEMテーマ:戯言 カプセルが降り出したので傘を広げる。卵形の透明なカプセルの中には何も入っていない。カプセルは傘の曲面にバウンドして、奔放に跳ね上がる。空中でカプセル同士がぶつかり合い鈴のような音を響かせる。地面に当たっても無音なのに、カプセル同士だとそんな挨拶のような音を響かせる。奇天烈な情報が行き来しているのかもしれない。そう感じてしまう。 こんなときは世界のどこかで戦火が燻っているのだ。それは誰も望んでいないのに、誰にも止めようもなく、間違いであることがはっきりと...
pale asymmetry | 2022.02.20 Sun 21:39
JUGEMテーマ:戯言 この色は何色だろう。ミッドナイトブルーだろうか。深く知的な青だ。そんな色を纏った目覚まし時計が、真夜中を告げた。鳴り響くベルは、心地悪く心地良い。矛盾する響きなのだ。それは私が矛盾しているからだろう。そして世界が矛盾しているからだろう。さらには矛盾する私が矛盾する世界を欲しているからだろう。それは私を取り囲む、この矛盾した世界ではなく、ここではないどこかの世界だ。そんな世界はない。よく知っている。だから私の矛盾は空回りする。 部屋の隅まで歩き、目覚まし...
pale asymmetry | 2022.02.18 Fri 21:23
JUGEMテーマ:戯言 夜は蒸発しようとしていた。けれど冷気は降り注いでいる。冷気はここを立ち去ることを拒否しているのだろう。夜の支配に逆らっているのだ。それができる冷気が羨ましかった。私はどんな支配からも逃れることができない。むしろどんな支配にも進んで身を任せてしまうのだ。なのに、あなたは私を支配しようとはしない。 「寒いかい?」 あなたが私の手を握る。 「うん、寒い」 私は手に力を込める。朝はまだ遠い。星の輝きがその紋様を描いているから。はっきりと、崇拝を求めるよ...
pale asymmetry | 2022.02.15 Tue 22:04
JUGEMテーマ:戯言 雨が降る。花火が咲き開く。それだけで不可思議な夜になる。派手に色ずく空と、それを滲ませる雨滴の群。何か回転する意味が潜んでいそうだ。でも実際には潜んではいないだろう。そう思えるだけだろうけど、潜んでいるかどうかは問題ではないのだ。潜んでいるかもと思えること自体に意味があるのだ。その可能性が螺旋を感じさせるから。 そう、螺旋だ。花火は空に螺旋を描いているようだ。それは立体ではなくもちろん平面だけど、旋回する螺旋がそこに織り込まれていることは確かなように思...
pale asymmetry | 2022.02.12 Sat 21:36
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