[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]

JUGEMテーマ:戯言 生温かい北風に戸惑う。額に張り付く前髪に戸惑う。どんよりとした灰色の隙間に覗く鮮やかな青に戸惑う。甘え上手な少年に戸惑う。その場凌ぎでやり過ごそうとする老人に戸惑う。強い煙草の臭いが私を締めつける。笑っているのに威圧して、従わない者の存在を消そうとする。そういう老人の全てに戸惑う。 それでも私は混乱したりしない。その私自身に戸惑う。強くなったわけでもないし、狡猾になったわけでもないのに、その無意味な男性性に嫌悪は感じない。誰もが結構ぎりぎりのラインを歩...
pale asymmetry | 2023.06.11 Sun 20:19
JUGEMテーマ:戯言 私の身体から弾け飛んだいくつかの螺子は、宙を転がる間に雨滴になって雨に紛れてしまった。そのまま透明な雫の群と共に異次元に旅立ってしまったから、もう回収することは出来ない。だから改修することだって出来ない。私はこの先ずっと壊れたままだ。そして私が抱える世界も、ずっと壊れたままだ。 それを悩んでいるわけではない。もちろん怒っているわけでもない。その世界が綺麗なら私は満足だし、壊れているとかいないとかは関係ないと思えるから。私には関係ない。私が壊れていても、...
pale asymmetry | 2023.06.10 Sat 19:24
JUGEMテーマ:戯言 ガラクタの山は、しっかりとロックされている。無数のパーツが精密に結びつき、結びつくことでさらに強固な結びつきを構築しているのだ。どのパーツに触れても、それは完璧に宇宙に固定されていて、動かそうとすれば宇宙全体を歪めることになるだろう。確信を持ってそう思えた。それでも私は解錠しなければいけない。ロックしたまま安穏に浸るわけにはいかないのだ。 まずはコードを読み解くことから始めなければいけないだろう。あらゆる法則を総動員して、今ここに揃っている因子と、ここ...
pale asymmetry | 2023.06.09 Fri 18:07
JUGEMテーマ:戯言 目まぐるしく、何もかもが失われていく。瞬きをするだけで、見失ってしまった。息を吐くだけで喪失してしまった。鼓動を刻むだけで、砕けて消えた。振り向くだけで、記憶は曖昧になる。際限なく曖昧になって、現実感を失う。それが本当なのか嘘なのかも解らなくなる。記憶が嘘ならば、私も嘘になってしまう。この瞬間の私は、もうすっかり失われているのだ。 流れていくのは雲だけではない。強い風に私の想いも翻弄されている。南からの風をこんなに冷たく感じてしまうのは、単なる錯覚では...
pale asymmetry | 2023.06.08 Thu 21:07
JUGEMテーマ:戯言 その人が笑う意味を、私は知らない。それに興味がわかない。私も笑いを返すけど、もちろんその笑顔に意味はない。別に強要されているわけではないから、意味もなく笑う必要などないのだけれど、やっぱり笑ってしまう。その場所、その時間に長く留まりたいと思わないから。その人と何ものも共有したいとは思わないから。 これはケミカルな問題で、どこかに悪意が渦巻いているわけではない。世界は淀んではいるけれど、常に悪意と闘わなければいけないほどドラマチックではない。でも淀んでい...
pale asymmetry | 2023.06.06 Tue 20:38
JUGEMテーマ:戯言 求める者は疾走する。我を忘れて風を切る。無我夢中であるが故に、世界さえも置き去りにする。意味を失った世界は、プロトコルとして成立しない。そこにはコマンドは見当たらず、カオスだけが好き放題に踊っている。全てのプロトコルは求める者の内にあり、全てのコマンドは求められる者の内にあるからだ。 全体としてそれは渦だろう。四文字プラス一文字が、二重のコードを上昇させる渦だろう。そういうものを世界が好むことは誰もが知っているけれど、渦は明らかにそういう世界を嫌ってい...
pale asymmetry | 2023.06.05 Mon 21:42
JUGEMテーマ:戯言 私の口は花で塞がれていたから、私の声は花芯になり、私の言葉は花弁になる。私の声も私の言葉ももうあなたには届かないから、私はただただ踊るしかない。陽光を浴びて、南風に吹かれて、乾いた岩の上で裸足で踊るしかない。岩の表層は尖っていて、私の足は裂かれてしまうけれど、それでも私はその振る舞いを止めることが出来ない。あなたに気づいて欲しくて、世界に気づいて欲しくて。 私の両目は花に塞がれているから、私は光を見ることはない。闇を見ることもない。あなたを見ることも出...
pale asymmetry | 2023.06.04 Sun 20:45
JUGEMテーマ:戯言 青は欠片として空に散らばっていた。海からの風は、獣の知性を孕んでいた。だから、この風とは解り合えないなと思えたし、この風と共有できる事象は何もないなと思えた。砂浜には小さなボタンが打ち上げられていた。それは小さかったけれど無数にあって、砂浜を埋め尽くしていた。全て菫色のボタンだった。昨日の夜街を通過した嵐が運んできたのだろう。菫色であることに意味があるように思われたけれど、よく解らない。 「何もかもに意味があるわけではないよ」 イマジナリーメンターが...
pale asymmetry | 2023.06.02 Fri 20:50
JUGEMテーマ:戯言 嵐は予想よりも小さかったので、私たちは身を寄せ合うことをしませんでした。そして扉を開放して、風に織り込まれた妖精たちを受け入れることにしたのです。あなたは内心嫌がっているようだったけれど、それを明確に言葉にしなかったので、わたしはわざと気づかないふりをして、妖精たちの好きにさせたのでした。 小さいと言っても嵐だから、流れていく響きは猛々しく、雨粒は弾丸のように空気に無数の穴を開けていたけれど、私たちはその雫が玄関先で旋回舞踏するのを眺めながら、黄昏時に...
pale asymmetry | 2023.06.01 Thu 18:28
JUGEMテーマ:戯言 それは遙かな昔の話。まだこの星が彗星の頃。女神たちは囀り踊り、私たちはまだ種の種。どうしたって螺旋はない。だから飛びたったりしない。燃え上がったりだってしない。濡れそぼったりだってしない。眠り未満の眠りの底。それは翡翠の輝く揺らぎ。あなたの揺らぎもそこだった。 それは遙かな未来の話。もうこの星は人工衛星。王様たちはパレードに夢中。私たちなら刻の鐘。いつまでたっても安穏はない。だから嗜好は風まかせ。あなただってそうでしょう? 私たちはこうでしょう? 世界...
pale asymmetry | 2023.05.31 Wed 20:56
全1000件中 591 - 600 件表示 (60/100 ページ)