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JUGEMテーマ:戯言 例えば私の背中に翼があったとして、それはどんな色をしているだろうか。単色だろうか。それともトリコロールだろうか。あるいはもっと多彩なモザイク模様だろうか。物語のような紋様を有しているかもしれない。そういう色彩を、そういう紋様を、私は望むだろうか。そういう? どういう? よく解らない。その色が持つ真意が私には解らないし、その紋様が伝える風景を私は読み解くことが出来ないだろう。 私の背中に翼があったとして、それはどんな形をしているだろうか。やわらかな形だろ...
pale asymmetry | 2021.11.30 Tue 22:04
JUGEMテーマ:戯言 半透明な私は、それ故にどんな事象にも取り込まれてしまう。あるいは、どんな状態にも同期してしまう。あるいは、どんな関係性にも絡め取られてしまう。あるいは、どんな裏側にも隠されてしまう。望んでいるわけではなく、そうなってしまう。でもそれを嫌っているのかといえば、そんなこともないように思える。私は基本的に嘘で出来ているから、きっとそう思ってしまうのだろう。だからそう思ってしまうことに意味などなく、世界に寄り添おうとしているわけでもなく。かといって世界の本性と競お...
pale asymmetry | 2021.11.27 Sat 21:19
JUGEMテーマ:戯言 小さな車の中で、小さな車の運転席で、私はシートを一杯に倒して、フロングラスの向こうの空に月を探す。でも眩しい空のどこにも青白い月は見当たらない。月はまだ空に現れていないのか、それとも私が知らないうちに砕け散っていてもう存在しないのか、どちらなのかは解らない。解らないけれど、いや解らないから私は退屈になる。 開く窓は全て開けて、私は空気を取り込む。風はとてもゆるやかで何も主張していないから、私はその風に何かを与えてあげなければいけないのだろうかと思ってし...
pale asymmetry | 2021.11.26 Fri 21:47
JUGEMテーマ:戯言 懐にナイフを隠しているなら、それを常に握りしめていなければいけない。そこから手を離したときに限って切りつけられるものだ。あるいは、それを握りしめていないときに限って、切り裂かなければいけない事象に立ちはだかれたりするものだ。そして、跪いて後悔することになるのだ。もっともそれは、往々にして甘い後悔なのだけど。それは甘ったるくて、だから顔を歪めずにはいられない後悔だったりするのだ。 蛇が空を飛ぶように、私は笑う。そうすることでその場を凌ごうとするのだけど、...
pale asymmetry | 2021.11.23 Tue 21:50
JUGEMテーマ:戯言 テレヴィジョンが言う。 「行け」 私はまだ眠っていたいのに、テレヴィジョンが私の背中を叩く。そこにあるはずのない翼を握り、無理矢理に羽ばたかせようとする。でもそれはあるはずのない翼だから、私は飛び立つことはなく、ただ心臓が重加速するだけだ。つまり私は宙を舞うことはなく、ただただ墜ちていく。それがせめて夢の中ならば良いのに、もちろんそうではなく、それは泥まみれの風が吹く街路なのだ。やがて衝撃が私の頭蓋骨を破壊し、脳回路が飛び散るだろう。開放されたそれは...
pale asymmetry | 2021.11.21 Sun 21:28
JUGEMテーマ:戯言 求めているものがここにはないと解っているのに、求めてしまう。いやその前にこことはどこなのかを考えなければいけない。それが始まりだと思う。ここを定義しなければ、ここではない場所も定義出来ないからだ。どちらも定義出来ないのなら、求めているものはどこにもないことになってしまう。 「そういうのって、良くないと思うよ」 私の胸に顔を埋めて、あなたが囁く。そういうのがどういうのかを考える必要なんてない。あなたはいつも、唐突に無意味なことを口にするのだから。それが...
pale asymmetry | 2021.11.19 Fri 21:14
JUGEMテーマ:戯言 黒いドレスの少女が、鏡の中で佇んでいる。尖った目が、私を貫いて私の背後に広がっているはずの世界を睨んでいる。本当に、私の背後に世界があるのかどうかを私は知らない。だから、彼女が睨んでいるのが私に対して牙を剥いている翼竜であったとしても私は驚かない。次の瞬間にガリガリと喰われてしまったとしても、私は構わない。でも決してそういうことは起こらない。それをよく知っているから、私は少し悲しい。 鏡の中の少女は、私と似ても似つかない。 その微笑みも、私には似合...
pale asymmetry | 2021.11.18 Thu 20:42
JUGEMテーマ:戯言 人形が花を咲かす。内宇宙に蓄えていた蕾を開く。それは星の欠片から構築された蕾で、それが咲き開くということは銀河が生まれるということだ。人形は銀河を生んで満足そうに頷く。その花の花びらは、だから花弁ではなく花片なのだろう。 「あなたにも出来るよ」 人形が私を唆す。私はそれを真に受けて現を抜かす。内宇宙に美しい事象を何一つ有していないくせに、そこには星欠片も、その気配も、その余韻さえもないというのに。そんな私が何生み出すというのか。花は咲くかもしれないけ...
pale asymmetry | 2021.11.16 Tue 21:56
JUGEMテーマ:戯言 あれは花だったのだ、と今は思います。湧き上がる花びらの流れだったのだと今は思えるのです。けれどあのときの私は、ただ怖じ気づいただけでした。ただただ怖くて、ともすれば泣き出しそうな気持ちになってしまったのです。どうしてそんな気持ちになってしまったのでしょうか。何が私を恐怖させたのでしょうか。今となって曖昧です。でもあの姿は憶えています。よく憶えています。あなたの姿。とても綺麗だった。 あれはターミナルの雑踏でした。私は何をしていたのだっけ。たぶんどこかに...
pale asymmetry | 2021.11.11 Thu 21:13
JUGEMテーマ:戯言 僕がベッドでもぞもぞしているうちに、先触れはもう我が家を訪れていて、すでにベッドサイドに佇んでいたりする。本当に突然に訪問するのだ。まあ、先触れなのだから突然にやって来るのは当然と言えば当然なのだろうけれど、こちらには心構えの暇があたえられないので、もうさらに毛布に沈んで藻掻くしかなかったりする。眠ったふりでやり過ごそうかとか考えてしまう。けれどそんなことは許されないわけで、先触れは恭しくお辞儀をして片膝をついて抑揚を波打たせたりするのだ。 「さあ、一つ...
pale asymmetry | 2021.11.09 Tue 21:55
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