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私たちは、まだ少し蜘蛛の焼け焦げた気持ちの悪い匂いの漂う森を後にした……。 教会に戻ると、シスターたちは泣きながら、アネモネ様の帰りを喜んだ。 その後、私とルークさんがアネモネ様を助けたことと、私が魔導の姫と聞いたシスターたちは、神様の使いと拝み始め、大変だった。 その日は、シスターたちの進めもあり、私達は教会に泊めてもらうことになった。 ――次の朝。 私とルークさんがシスターたちの挨拶をすませ、教会を後にしようとしていると、アネモ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:37
「じゃあ、どうするの!?」 私は、ルークさんを助けなきゃと、必死であれこれ考えたけど、アルキオンに無理だと言われ、絶望しそうになった――その時だった!「ま……どう……の姫」 誰かが、私の袖を掴んだ。 振り返ると、アネモネ様が私に何か訴えようとしていた。「こ……これを……」 アネモネ様は、私に指輪渡してきた。「それは!? 姫、その指輪をしてください!」「うっうん」 私は戸惑いながらも、その不思議な模様の入った指輪をゆっくりとはめた。「っ!?」 すると、私の体がふわりと浮き上がる感じがして、血がめぐる...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:35
森の中は、太い糸のようなモノが木々のあちこちに引っ付き、森を暗くしていた。「この糸のようなモノは一体……」 ルークさんは、木々に引っ付いている糸を足元に落ちていた枝で取って確かめた。それは、ねばねばとした糸で枝についた糸が、糸を引いていた。 ルークさんは枝を捨てると、「先へ急ごう」と、森の奥へと進んだ。 私たちが奥に進むにつれて、どんどん太陽の光が届かないように太い糸が張りめぐらされ、辺りが暗くなっていく。「うわぁー!!」 突然、森の奥の方から誰かの叫び声...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:35
第7話 森の魔物 私達は、晴れ渡る空の下、川沿いを歩き、ブリズの村の次にある街との間にある、大教会を目指していた。 ブリズの村を出発する前、急にアルキオンが、今向かっている教会の方向から魔導具の力を感じると言い出して、私達は大教会に向かうことになった。 「何かあったのか?」 大教会が目視できる距離まで来た私達の耳に、教会の人たちの慌てているような、叫び声のような声が聞こえてきた。 私とルークさんは、教会まで走った。「シスタ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:32
「俺はあの時、はづきに何かあったら奴らを殺していたかもしれない……。そして俺も、自分を今以上に許せなかっただろう」 ルークさんが、きつく手を握り、俯いた。「ルークさん……」 私を助けに来た時、ルークさんが怖かった理由が分かった気がした。 ルークさんは、私を浚った盗賊に殺意すら感じるほどに怒りを覚えていたんだ。そして同時に、ルークさんは自分自身に一番怒っていたんだ……。 でも、そんな自分を責めちゃう人だからこそ、私が「気にしないで」と言っても、自分を許せないだろう。 ……だったら!「ルークさ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:30
――その後、ルークさんは盗賊たちを縛りあげ、村の人が呼んできた兵士さんに引渡し、私たちはキレイな夕日を見ながら、無事村へと帰った。 盗賊を退治してくれたことに、村長さんがすごく感謝してくれて、今日は村長さんの家に泊まることになった。 でも……、帰ってくる途中から今まで、ルークさんは一言も私に話しをしてくれない。確かに、そんなにおしゃべりな方ではないけど、何かがおかしい気がした。 私はその日の夜、思い切ってルークさんの泊まっている部屋に行くことにした。「緊張する……」 何故か...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:29
あれから、どのぐらい時間がたったのだろう? 時計という物がないこの世界で時間の感覚を図るのは、太陽と月の光だけだった。それなのに、こんな暗い場所にずっと閉じ込められてたら、より時間の感覚がなくなっていく。 アルキオンは、部屋にあって今ここにはなくて、ルークさんもいない……誰も助けてくれる人がいないこの状況。 私は不安で心細かった。 そんなことを思って時だった。 遠くの方から、人の話声と足音が聞こえてきた。 私は、ルークさんが助けに来てくれたと...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:28
第6話 新たな誓い 窓のカーテンの隙間から、太陽の光がこぼれ、私はその眩しさに目を覚ました。「ん……」 私は背伸びをすると、ベットの上から辺りを見渡した。「そっか、旅に出たんだっけ私たち……」 私とルークさんは、昨夜の内に隣の村であるブリス村まで着き、宿に泊った。 最初、宿のおじさんが変な気を利かせて相部屋にしようとしたけど、ルークが真っ赤な顔をして別々にするよう怒ったため、とりあえず私たちは別々の部屋に泊ることができた。「……なんだか、まだ眠い...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:27
私は、ルークさんにかわいいと言われて、全身の体温が上がるのが分かった。顔が赤くなるのが分かった私は、急いで下を向いた。「どうした、はづき?」「なっなんでもないです!」 私は慌てて、ルークさんに背を向けた。 ルークさんは、サラッとかわいいとか言ったくせに、何で私が恥ずかしがっているかが、分かっていない感じだった。「とりあえず、椅子に座れ。立ったままだと辛いだろう?」 ルークさんは、私の手を引き、ふかふかのいかにも高級そうな椅子に座らせてくれた。 ルークさんは、さっきまでいた机の椅子に腰掛...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:26
「ありがとうございます」 私は、ルークさんの優しさが嬉しくて、にっこり笑った。「いや、このぐらいいいんだ。心の準備もあるだろう? 俺は騎士団の館にいるから、準備ができたら侍女に連れてきてもらうといい」 ルークさんは、それだけいうとさっさと、私の前から逃げるように歩き去った。 少し、顔が赤かったのは気のせいかな?「とりあえず、私は準備をしよう!」 私は、部屋の扉を閉め、旅の準備に取りかかった。 汗臭い室内、大勢の男の人の視線を集めながら、私はお手伝いさん――いや侍女...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:24
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