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マジカルパン エピローグ-2-

(よし! やるぞ) ウィルは、最初あまり話かけてもくれなかった、町の人達が徐々に話かけてきてれくるようになって嬉しかった。        日も傾き始め、あちらこちらから「完成だ!」っという声も聞こえ、皆片付けをしていた頃だった。  ウィル達はというと、親方に呼ばれ、時計台の上へきていた。「俺達、片付け手伝わずに、サボっててもいいんですか?」 ウィルは、時計台の下で、せっせと片付けに励む人々を上から見て、親方に振り返り聞いた。「これは、サボりに入らない。これから、大事なことをする...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:27

マジカルパン エピローグ-1-

    エピローグ  審議が終わり、何日たっただろう。  ウィル達は、審議の判決どおり、奉仕活動として、アラルネに破壊された町の片付けと、建物の再建を手伝っていた。  町の人達は始め、レンやラックスを怖がっていた。だが、町の人々は、子供とあまり変わらない姿の精霊達が、自分達の町の再建を一生懸命手伝ってくれている姿を見て、次第に打ち解けていっていた。「今日のところは、ここまでだ!」 親方がそう叫びながら、時計台の鐘を鳴らす。  すると作業していた町の人々は作業の手を止め、それぞれ背伸び...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:26

マジカルパン 第六話 審議-11-

 腕の太い男も、腕を組みながら、少し考えてはいたが、真面目な表情でそう言った。そして、続けて「わしは議長の意見に賛成だ」と、付け加えた。  マグダールも、皆が賛成し、これ以上反論するのは無駄と思ったのか、渋々といった感じで賛同した。「そして、ルナの裁きだが……」 議長は、そこで言葉を切ると、一呼吸置いて口を開いた。「ルナは、ウィルの精霊達と共に、町の奉仕に努めることにしたいと思う」 議長の裁きに、ルナに軽い裁きを下してほしいと思っていたカーナやザックまでもが、驚いていた。「ウィル、ルナ、そし...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:24

マジカルパン 第六話 審議-10-

「くだらないだと!」 バズは口調を荒げ、ディランに掴みかかった!「何をして――」 議長は、バズと止めようと思ったのか、立ち上がろうとした。  しかし、そんな議長に、ディランは掌を見せ、待ってくれと言わんばかりに、視線を送った。  議長は、複雑そうな表情をしながらも、ディランに後のことを任せたのか、黙って座った。「バズ、聞いてくれ。俺達リード族は、くだらない欲のせいで、アデリナ族たちが大切に崇めていた神の領域を侵そうとし、無抵抗の民達を死なせた。だが、俺達はそのことを忘れ、ただ自分達が傷つ...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:23

マジカルパン 第六話 審議-9-

(何を考えているんだ!)  このままでは、ルナが本当のことを話、彼女が罰を受けてしまう。 ウィルは、たとえ自分を助けようとすることだったとしても、ディランとザックの行動に怒りを覚えていた。「……そうですな。聞いてみましょう」 だが、ウィルの思いとは裏腹に、議長は考えた末、彼の期待を裏切る結論を出した。 ディランは、ルナに振り向き「さぁ」と言い、自分がルナを支えた。 ルナは、一度息を深く吸い、そして、議長を見据えた。「あれは……私がやったんです」 ルナは、背中に背負うようにして持っていた剣を、背...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:21

マジカルパン 第六話 審議-8-

「デマカセじゃない!」「わしもバズ殿と同意権じゃな。精霊使いを庇う者の言うことなど信じれぬ!」 すると、バズだけではなく、マグダールまでがディランに反対し、罵った。  だが、その時また木槌がなった。「静粛に! バズ、そしてマグダールさん、この場を何だと思っているのですか。貴方方は言葉を慎みなさい!」 バズとマグダールは、失言を議長に手厳しく注意された。「はい、議長……」 バズもマグダールも、罰が悪そうに俯いた。「ディランの肩を持つわけではありませんが、証人がいるのであれば、出さなければいけな...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:20

マジカルパン 第六話 審議-7-

  ザックは、悔しそうに唇を噛むと、何も言わず、俯いた。「……もうやめてください」 今まで黙っていたウィルは、ここで初めて口を開いた。「もういいです、カーナさん、ザックさん。あれは、全部俺がやったこと……それで全て解決する。それでいいじゃないですか?」 ウィルは、カーナとザックに笑顔を向けた。(……帰る所もない汚れた血のこんな俺でも、人を守って終れるなら……)「ウィル君、一体何を!」「何がいいって言うの!」 ザックとカーナが叫ぶが、ウィルはその声を聞かず、ただ俯き、目を閉じた。(それに……もう俺を拒...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:17

マジカルパン 第六話 審議-6-

「何だと!」 金持ちそうな老人の隣に座っていた腕の太い男は、驚きを隠せない表情で、思わず大きな声で叫んでしまった。「静粛に! 静粛に!」 議長は、皆を静めようと木槌を打った。「カーナさん。それは、事実ですか?」 そして議長はカーナをまっすぐ見据え、真実かどうか問いかけた。  カーナはそれにしっかりと頷き、口を開いた。「はい。私の友人、ディラン・クラークの娘、ルナ・クラークが目撃者であり、証人です。……そして、現場に赴いた自衛団の皆さんも、証人になると思われます」 彼女はそう言いながら、バズの...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:16

マジカルパン 第六話 審議-5-

        ?  ウィルは、自衛団に連行された後、自衛団ギルドの地下にある牢獄で、一夜を過ごした。  ――次の朝。  ウィルは、自衛団の男二人に両腕を捕まれ、バズに後ろから見張られながら、ギルドの二階の中央辺りにある、広い部屋へと連れて行かれた。  その部屋には、コの字型に長方形の机が並べられており、その中央に、ウィルは立たされた。  ウィルの右に面した机には、高価そうな宝石のアクセサリーをした、いかにも金持ちそうな老人と、頭に黒いバンダナをした、筋肉質の肉体を持つ中...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:13

マジカルパン 第六話 審議-4-

「ウィル君……君は」「なんで、そのこと……」 唖然とするザックに対し、ルナは悲しそうに顔を歪めていた。(ごめん……ルナ) ウィルは、ルナを方を向かず俯くと、心の中でルナに謝った。「くくっ。そういうことか……」 バズは、おかしそうに笑い、ウィルを冷たく睨みつけた。「ならば、お望みどおり、お前だけ連れて行こう。お前がアリードなら、この娘など問題外だからな! この汚れた血の男を連れて行け!」「はい!」 バズの後ろにいた自衛団の二人の男は、返事をすると、ウィルの両腕を持ち、部屋から連れ出した。  ウィルは...

イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:12

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