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迷いの森の騎士さま 第2話 魔導書 アルキオン-1-

  第2話 魔導書 アルキオン             ルークさんの話は、まるで小説や絵本の中のような不思議な話だった。  ルークさんの話によると、彼は今私のいる世界とは別の異世界ベールというところにいたらしい。  ベールにはいろいろな国があるらしいけど、その中の「オルディアル王国」という国出身で、騎士団で王族を守るお仕事をしていたらしい。  ある日、カールさんは預言者のおじいさんに呼び出され予言を聞いたらしい。  近い内に過去に封印され...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:13

迷いの森の騎士さま 第1話 出会い-2-

 私がぽけぇっと女の人を見ていると、ルークさんがいきなりその場から飛びのき、腰に下げてあった剣を抜いた!「でたな魔女めっ!」「やだわぁ、ルークちゃんそんなに殺気だっちゃって。せっかく異世界に連れてきてあげたのに」 魔女と呼ばれた女の人は、わざとらしく両手を上げため息をついた。「異世界だと!? どーゆうことだ!」「ふふっ。貴方にはこの世界で大切な何かを探して貰わないといけないの。だから、そこのカワイイ子と仲良く探してねん」 魔女さんは、投げキッスをすると空へと登っていく。「待てっ! 大切な何か...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:12

迷いの森の騎士さま 第1話 出会い-1-

   迷いの森の騎士さま               第1話 出会い  田んぼがほとんどの土地を占め、その間にちょこちょこ民家が立ち並ぶ……そう他人に田舎と呼ばれる地域に私の家はある。 そんな田舎から、1時間もかけてちょっと都会の高校へ通う私。 さすがに1時間もかかるから、今日は近道をしようと森の中を通ったのが間違いだった。「ちょっちょっと来ないでよ……」「がぁ……」 私の目の前には、よだれを垂らしながら、牙をむき出しにしてこちらに近づいて来る熊。そして...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:08

青い月 第五話 謎の二人組み-2-

「なるほど……貴方もですか」 ガゼルは、静かに両方の腰にある二つの剣を抜いた。「おー、怖い怖い。リース、相手してやれよ?」 オルグが、後ろを振り返って言うと、背後から深い緑のローブを被った男が飛び出ていた。  そのリースと呼ばれた緑のローブの男は勢いをつけ、長く大きな剣でガゼルに斬りかかってきた!  ガゼルは、その重い攻撃をどうにか片手の剣で防ぐと、もう片方の剣で斬りつける! だが、リースはそれを交わし、間合いを取った。「なかなかやるな……」 リースは、小さな声で呟くと、またガゼルに斬りか...

イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:10

青い月 第五話 謎の二人組み-1-

    第五話 謎の二人組み        レディス王国の王都は、クウォード達の住んでいる大陸から海を挟んで向こう側にあった。  そのため、クウォード達の住んでいる大陸に住む者たちは、王都に向かうためにわざわざ船に乗らないといけなかった。  クウォード達は洞窟を抜け、その日の内に港町に近くまで来ていた。「あそこがニネミアの港町だよ」 リネスは、指を指しながら言った。「でもさ、何かえらく近くなかったか?」 アルは首を傾げた。  彼はいつもこの道を通ってガゼル...

イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:09

青い月 第四話 ハンターと再会-4-

 ティルも、クウォードの横に立ち、不思議そうに球体を見上げた。「おいおい、お前ら! 自分の疑問をぶつける前に、リネスに自己紹介しろよ……」 アルは、ため息を吐きながら続けた。「こっちの青い髪のやつがクウォード。一応、俺の兄貴みたいな存在。こっちの猫みたいなのはティル。クウォードの使い魔だ」 アルは、身振り手びりでリネスに紹介した。「そうだったんだ。よろしくね」 リネスは、にっこり笑う。  そして……。「やだ〜。かわいいね、ティルちゃん」 リネスは顔をデレデレにニヤけさせながら、ティルを撫で回し...

イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:07

青い月 第四話 ハンターと再会-3-

  今まで暗闇に目が慣れていたせいで、眩い光に自然と目が閉じてしまう、アルとエルナ。「……っ! アルじゃない!」 その驚くような声に、アルはゆっくりとその二つの瞳を開いた。「……リネス!」 アルは、驚き目を見開いた。  彼の目の前には、自分の背よりも長い槍を持ち、茶色い短い髪をした女の人がいた。目が大きく童顔で背も低かったせいか、女性というよりは少女のように見えた。  エルナは、驚いているアルを見て、首をひねった。「アルくん、知り合いですか?」「えっあぁ。ハンター仲間だ」 アルは、拍子抜...

イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:06

青い月 第四話 ハンターと再会-2-

 アルは、頭をブンブンと振り、話題を変えた。「うん、聞いたことはあります」「俺、実はハンターライセンス持ってんだ。今は、長期のお休みとってて、たまたまガゼル様の家にいたけど、ほとんどハンターを仕事をしてガゼル様の家にはいないんだ」 エルナは、驚き目を見開いた。「アル君は、ハンターさんだったんですか!? すごいですね! ハンターさんはどんなお仕事をするんですか?」 エルナは、ハンターのことをよく知らず、少しワクワクしていたのか、獣の耳がピクピクと動いていた。「そうだなぁ……。荷物の配達とか、護衛...

イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:05

青い月 第四話 ハンターと再会-1-

 第四話 ハンターと再会        クウォード達は山を下り、その先にある洞窟を進んでいた。  洞窟内は、風の通りが悪いせいか、とてもホコリっぽく、皆たまにセキこんでいた。  暗い洞窟を照らすのは、ガゼルとクウォードの手のひらで光る、光の魔法で作られたクリスタルだけだった。そのため、ゴツゴツした足場な洞窟の中は歩き辛く、ゆっくりと進んでいた。  光の魔法は、魔力が高い者しか扱えない高度な魔法のため、ガゼル、クウォード、ティルしか使えなかった。ティルは、背...

イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:04

青い月 第三話 パペット-3-

「この山の土には、アデシウムという鉱石が混じっているのをご存知ですか?」「アデシウム?」 ガゼルの問いに、少女は意味が分からないのか、視線を外さず問い返した。  すると、クウォードが剣で土をつつきながら、話を続けた。「アデシウムは熱した後に急激に冷やすと、強度を増し、また熱しないとその強度は変わらない。そのためアデシウムを含んだ土は、液状化できない」「まさか!?」 少女は、はっとした顔でクウォード達を見渡した。「そうだ……お前のパペットは一度溶けて、また同じ形になる技を使っていた。だが、強度...

イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:01

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