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「なるほど……貴方もですか」 ガゼルは、静かに両方の腰にある二つの剣を抜いた。「おー、怖い怖い。リース、相手してやれよ?」 オルグが、後ろを振り返って言うと、背後から深い緑のローブを被った男が飛び出ていた。 そのリースと呼ばれた緑のローブの男は勢いをつけ、長く大きな剣でガゼルに斬りかかってきた! ガゼルは、その重い攻撃をどうにか片手の剣で防ぐと、もう片方の剣で斬りつける! だが、リースはそれを交わし、間合いを取った。「なかなかやるな……」 リースは、小さな声で呟くと、またガゼルに斬りか...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:10
第五話 謎の二人組み レディス王国の王都は、クウォード達の住んでいる大陸から海を挟んで向こう側にあった。 そのため、クウォード達の住んでいる大陸に住む者たちは、王都に向かうためにわざわざ船に乗らないといけなかった。 クウォード達は洞窟を抜け、その日の内に港町に近くまで来ていた。「あそこがニネミアの港町だよ」 リネスは、指を指しながら言った。「でもさ、何かえらく近くなかったか?」 アルは首を傾げた。 彼はいつもこの道を通ってガゼル...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:09
ティルも、クウォードの横に立ち、不思議そうに球体を見上げた。「おいおい、お前ら! 自分の疑問をぶつける前に、リネスに自己紹介しろよ……」 アルは、ため息を吐きながら続けた。「こっちの青い髪のやつがクウォード。一応、俺の兄貴みたいな存在。こっちの猫みたいなのはティル。クウォードの使い魔だ」 アルは、身振り手びりでリネスに紹介した。「そうだったんだ。よろしくね」 リネスは、にっこり笑う。 そして……。「やだ〜。かわいいね、ティルちゃん」 リネスは顔をデレデレにニヤけさせながら、ティルを撫で回し...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:07
今まで暗闇に目が慣れていたせいで、眩い光に自然と目が閉じてしまう、アルとエルナ。「……っ! アルじゃない!」 その驚くような声に、アルはゆっくりとその二つの瞳を開いた。「……リネス!」 アルは、驚き目を見開いた。 彼の目の前には、自分の背よりも長い槍を持ち、茶色い短い髪をした女の人がいた。目が大きく童顔で背も低かったせいか、女性というよりは少女のように見えた。 エルナは、驚いているアルを見て、首をひねった。「アルくん、知り合いですか?」「えっあぁ。ハンター仲間だ」 アルは、拍子抜...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:06
アルは、頭をブンブンと振り、話題を変えた。「うん、聞いたことはあります」「俺、実はハンターライセンス持ってんだ。今は、長期のお休みとってて、たまたまガゼル様の家にいたけど、ほとんどハンターを仕事をしてガゼル様の家にはいないんだ」 エルナは、驚き目を見開いた。「アル君は、ハンターさんだったんですか!? すごいですね! ハンターさんはどんなお仕事をするんですか?」 エルナは、ハンターのことをよく知らず、少しワクワクしていたのか、獣の耳がピクピクと動いていた。「そうだなぁ……。荷物の配達とか、護衛...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:05
第四話 ハンターと再会 クウォード達は山を下り、その先にある洞窟を進んでいた。 洞窟内は、風の通りが悪いせいか、とてもホコリっぽく、皆たまにセキこんでいた。 暗い洞窟を照らすのは、ガゼルとクウォードの手のひらで光る、光の魔法で作られたクリスタルだけだった。そのため、ゴツゴツした足場な洞窟の中は歩き辛く、ゆっくりと進んでいた。 光の魔法は、魔力が高い者しか扱えない高度な魔法のため、ガゼル、クウォード、ティルしか使えなかった。ティルは、背...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:04
「この山の土には、アデシウムという鉱石が混じっているのをご存知ですか?」「アデシウム?」 ガゼルの問いに、少女は意味が分からないのか、視線を外さず問い返した。 すると、クウォードが剣で土をつつきながら、話を続けた。「アデシウムは熱した後に急激に冷やすと、強度を増し、また熱しないとその強度は変わらない。そのためアデシウムを含んだ土は、液状化できない」「まさか!?」 少女は、はっとした顔でクウォード達を見渡した。「そうだ……お前のパペットは一度溶けて、また同じ形になる技を使っていた。だが、強度...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:01
すると、地面から泥が次々ともり上がり、その泥は人の形を成していった。「さぁ、私のかわいいパペットちゃんたち……やちゃって!」 少女が怪しく微笑むと、鈍い動きで泥人形たちは動き出す。「へっへぇ〜ん。こんなとろい奴らに負けないぜ!」 アルは腰の剣の抜き、人間に斬りかかった!「っ! くそっ、何だこの硬さ!」 アルの剣は、確かに泥人形に命中したが、カキーンっという、金属のぶつかる音とともに弾かれた。「なら、これならどうだ。水よ、我に力を……奴らを飲み込め!」 クウォードが、右手の平を泥人形に向け、...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:01
第三話 パペット クウォード達は森を抜け、海の見える所まで来ていた。「近くに村がありますが、そこには寄らなくて大丈夫ですよね?」 一番前を歩いていたガゼルが、皆に振り返りこう言った。 皆は、それぞれ首を振り、村に寄らないことになった。 ガゼルもそして他の者たちも、出来るだけ人里には寄らない方がいいと分かっていた。 エルナは、フードを取ってしまえば獣族だとすぐにバレてしまう。クウォードは外見はエルフだが、魔力の流れや、体外に放たれる目には見え...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 10:00
「えぇ、私はこれでも、長年王国の騎士団長を勤めた男ですよ? 自分で言うのもおかしいですが、王の信頼は厚いです」「さっすが、ガゼルさま〜!」 アルが叫ぶが、「黙ってろ」とクウォードに止められた。「それに、王もきっとリーナ様の子供であり、自分の孫である貴方と会いたいでしょうから。だから、そんなに不安がらずに私にお任せくださいませんか、エルナさん?」 ガゼルは、立ち上がりエルナに手を差し伸べる。 エルナは、ガゼルの手をとった。彼女は、ガゼルの話した一言一言が、とても信用でき、いつの間にか不安な...
イルシオン | 2013.05.23 Thu 09:58
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