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「精霊使いなんて関係ない! ウィルは、私を助けてくれて、ゴブリンだって退治してくれた!」 ルナは、ウィルの前に出て、彼を庇うように、両腕を横に広げた。「彼を捕まえさせない!」(ルナ……)ウィルは、驚いたように目を見開いた。「そうか、そうか」 すると、自衛団の後ろの方から、中年ぐらいの濃いグレーのひげを生やした男が、笑顔を振り撒きながら、前へ出てきた。「ルナさんがそこまで言うなら、彼はいい人なのだろう」「バズさん……」 ルナは、笑顔で近寄ってきたバズに、何を思ったのか、心から嫌な顔をした。「ゴブリ...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:28
「皆さん違うの! この子達は魔物じゃ……」「何が違うっていうんだ? 大人しくしてるようだが、紛れもそいつらは魔物だろう!」「そっそれは……」 ルナは、言葉を詰まらせ、ウィルの方を見た。「危険なものを排除するのが自衛団の仕事だ!」 自衛団の弓を持った一人の男が、弓を引き、レンに向けて矢を射った!「うわっ!」 レンは、慌てながらも、どうにか矢を避けた。「あの野郎……」 ラックスは、体勢を低くし、唸る。自衛団側に何か動きがあれば、すぐにでも飛び掛りそうなほどの、雰囲気を出していた。「ラックス止めろ」 ウ...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:26
三 ウィル達は、ゴブリンを退治した後、ルナの剣を探して、森の中を探し周っていた。 ルナとウィルは辺りを見回し、ラックスは臭いで探し、レンにいたっては、空から探していた。「こっちから、キツイ臭いする」 ラックスは、草むらを臭い、嫌そうな顔をしながら言った。「ありがとう」 ルナは、ラックスにお礼をいうと、彼の目線の先にある、草むらをかき分けた。「……あった!」 ルナは、嬉しそうな声を上げてしゃがみ込むと、草むらに落ちていた、一振りの剣を大事そうに手に取った。「それが例の剣か?」「うん!...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:25
ラックスは、待ってましたとばかりにゴブリンから離れ、身軽に木の上へと飛び上がる。「我の魔の力を精霊ラックスに……」 ウィルの言葉とともに、彼の掌の魔石が、青く輝き始める。「全てを凍らせる吹雪を呼べ……」 ウィルがそこまで唱えると、掌の魔石が弾け、今度はラックスの周りが青白く輝きだす!「――アウィザース!」 ウィルが叫ぶ。 すると、ラックスは大きな口を開け、その口から白い息吹をゴブリン達目掛けて吐いた! その息吹が降りかかったゴブリン達は、一瞬にして凍りつき、氷の石造のようになっていった。後ろに控...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:22
「いっいやぁぁー!」 ルナは、両手で頭を押さえながら、その場に座り込み、涙の滲む目をギュッと閉じた。「ラックス!」「おうっ!」「ぐぎゃああ!」 幹の中に響く聞き覚えのある声と、ゴブリンのうめき声。「ルナッ! 大丈夫か!」 隅で小さく震えているルナの両肩に、誰かの手が触れた。ルナはそっと瞳を開け、上を見上げた……。「ウィ……ル?」 ルナは震える声で、名前を呼んだ。 彼女の目に映ったのは、心配そうな表情をするウィルの姿だった。(助けに来てくれた……) 彼女は、安心感から、瞳に溜まっていた涙が溢れ出し、...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:20
そして、ギザギザとした細かい牙の間からヨダレを垂らしていた。獲物を食らうのを待ち切れない、獣のように……。 ルナは、力を失いながらも、木の奥へ行き、座り込んだ。(ゴブリンがいるなんて聞いてないよ……) ルナは、恐怖で身を震わせた。すぐ傍に感じるゴブリンの気配と、誰も助けに来てくれるわけないという思いが、彼女を一層恐怖のどん底へと突き落とす。(死にたくない……死にたくないよ! 誰か……誰か助けてっ――) 彼女は、両手で頭を押さえながら、心の中で何回も叫んだ。「……キがクサイ」「ニンゲン、ニオイスル……」(...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:18
(……母さん、力を貸して!) ルナは瞳を閉じ、念じながら、腰の剣をそっと抜く。「ニンゲン、ニオイスル」 ゴブリンは、着実にルナに近づいてくる。 ルナは一呼吸すると、剣を両手で握り直し、ゴブリンの気配を探った。(……今だ!) ルナは、木の陰から飛び出ると、その勢いのまま、ゴブリンに斬りかかった!「グギャア!」 ゴブリンの一匹は、体を斜めに真っ二つに斬られ、奇声を上げながら倒れた。「オマエっ!」 もう一匹いたゴブリンは、ルナに飛び掛る! だが、ルナはそれを軽く交わし、ゴブリンの後ろから、剣を突き刺し...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:17
二「ウィルー!」 ルナは、森に行く前に自宅へ寄っていた。 彼女は、ウィルから返事が返ってこないことに、首を傾げていた。(あれ……寝てるのかな?) ルナは、そんなことを思いながら、ダイニングに行った。 彼女は、ダイニングの机の上に本の入ったカゴを置くと、裏庭へ続く廊下から、裏庭に出て、隅にある小さめの倉庫の扉を開ける。「うわっ! ほこりっぽい……」 ルナは、倉庫の中で光に照らされながら舞うほこりを片手で払いながら、目的の物を手に取った。――それは、銀色の鞘に入った一本の剣だった。「一様護...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:13
「育ち盛りは、もう過ぎた……」 ザックが言い終わらない内に、カーナの肘鉄がザックのみぞおちにあたる。ザックは、あまりの痛さと苦しさに、「ぐぉっ」とうめき声をあげ、椅子から転げ落ちる。 「もう、ザックったら。ルナちゃんに失礼でしょ」 口に手をあて「ほほほっ」と、上品そうに笑うカーナ。ルナは、こういうカーナを見る度に、自分も同じ女なのに、女は怖い思うのであった。「お母さん……。そーゆうことは、人前じゃやっちゃダメだって言ってるでしょ? ほら、お父さんもいつまで床に転がってるつもり?」 いつもと変わら...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:12
「……それで、ルナ姉。今日は、いったいどんな用で来たの?」 カーナが出て行った後に、アイリが下がった眼鏡をあげながら言った。「えっ?」「何か、僕に聞きたいことがあって来たんじゃないの?」 どこで癖がついたか、昔からアイリは自分のことを「僕」と言う。だが、そんなちょっと変わった所も可愛いと思うルナだった。「……あっバレた? でも、遊びに来たのも本当だよ!」 ころころと表情を変えるルナに、小さく笑うアイリ。「分かってるって。……それで?」 アイリも、ルナが用事だけじゃなく、本当に遊びに来てくれたんだと...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 11:10
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