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? ウィルは、自衛団に連行された後、自衛団ギルドの地下にある牢獄で、一夜を過ごした。 ――次の朝。 ウィルは、自衛団の男二人に両腕を捕まれ、バズに後ろから見張られながら、ギルドの二階の中央辺りにある、広い部屋へと連れて行かれた。 その部屋には、コの字型に長方形の机が並べられており、その中央に、ウィルは立たされた。 ウィルの右に面した机には、高価そうな宝石のアクセサリーをした、いかにも金持ちそうな老人と、頭に黒いバンダナをした、筋肉質の肉体を持つ中...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:13
「ウィル君……君は」「なんで、そのこと……」 唖然とするザックに対し、ルナは悲しそうに顔を歪めていた。(ごめん……ルナ) ウィルは、ルナを方を向かず俯くと、心の中でルナに謝った。「くくっ。そういうことか……」 バズは、おかしそうに笑い、ウィルを冷たく睨みつけた。「ならば、お望みどおり、お前だけ連れて行こう。お前がアリードなら、この娘など問題外だからな! この汚れた血の男を連れて行け!」「はい!」 バズの後ろにいた自衛団の二人の男は、返事をすると、ウィルの両腕を持ち、部屋から連れ出した。 ウィルは...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:12
その中には、あのバズもいた。 ウィルは、警戒しながらイスから立ち上がった。 ルナも、驚きのあまり涙を引いたのか、目を丸くしていた。「精霊使いウィル、並びにルナ・クラーク。我々と一緒に自衛団まで来て貰おう!」 バズが、どこか勝ち誇ったような表情で、ウィルを見ながら言った。「ちょっと、通してください!」 ウィルが何もできず、冷や汗をかいていると、自衛団達を押しのけ、ザックが部屋の中に入り、ウィル達を背にし、バズと向き合った。「彼らはまだ病人です! 連れて行くなど許しませんよ!」「これ...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:10
「分かりました」 ウィルが頷くと、ザックは「あっ」と、何か思い出したかのように声を上げた。「でも、その前に食事はしておくように。後から、運んでくるからね。三日も寝っぱなしだと、栄養が足りなくなってるだろうから」「はい」 ザックは、ウィルの返事を聞くと、優しく笑い、部屋を出ていった。 ウィルとレン達は、食事を済ませた後、ルナの部屋の前に来ていた。 彼がドアをノックすると、中から「はーい」と可愛らしい声が聞こえてきて、扉が開いた。「あっ、ウィルさん! それにレンとラックスも。どうぞ」 扉か...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:09
第六話 審議 ? 目覚めると、ウィルは知らない部屋のベットに寝ていた。「ここは……」 ウィルは、天井を見ながら、寝ぼけた頭で今までのことを思い出そうとしていた。「ウィッウィル!」「ごごごっご主人さまぁー!」 すると突然、視界いっぱいに、レンとラックスの顔が入ってきた!「おっお前ら……」 ウィルは驚き、目を丸くした。「もう起きないんじゃないかって、心配したです」 レンは、まだ体を寝かせているウィルの体にしがみ付き、大声泣きじゃくった。「しっ心配させんじゃねー...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 23:05
アラルネは、また余裕があるかのように笑い、炎の力を強めた。「くぅ……」 レンは、ウィルが今から頑張ろうとしている時に、自分がアラルネに負けるわけにはいかないと思っているのか、必死にアラルネの炎を押さえ込んでいた。「聖なる炎の鳥の力にて彼の者を吹き飛ばせ……」 ウィルの声と同時に、彼の周りを飛んでいた魔石が砕け、レンの周りが夕焼けのような、赤に近いオレンジ色に輝きだす!「――バウファード」 ウィルが最後の呪文を叫ぶ! すると、今まで、炎を受け止めていたレンの手から、炎が逆流でもするかのように、放出...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 22:55
アラルネは、顔は笑ってはいたが、レンが気に食わないのか、炎の威力を上げてきた。 レンは、苦しそうな表情をしながら、それをどうにか受け止め続ける。「……ルナっ!」 ウィルの表情が強張った。 アラルネが、むやみやたらにルナの魔力を使い、炎の威力を上げているせいか、今まで立っていたルナが、急によろめき、その場に倒れた。 ウィルは、早くアラルネとの決着をつけないとルナが危ないと焦った。「ラックス、一人で辺りに冷気の結界を貼れるか?」 ウィルは、この状況を打開するため、ラックスに小声で話しかける。「分...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 22:53
ウィル達は、早くこの火事を引き起こしている精霊を止めるため、急いで時計台の正面の方へと回りこんだ。 さすがに、走り続けていたウィルは、少し息を切らせていた。「ご主人様! あれ……」 深く息を吐いているウィルの耳元に飛び込んできたのは、レンの驚いたような声だった。 ウィルは顔を上げ、自分の目に飛び込んできた光景に唖然とした。「……ルナ?」 そこには、剣を持ち背中を向けた、ルナの姿があった。 ルナは、名前を呼ばれたことに反応したように、ゆっくりと振り向くが、その顔には表情はなかった。そして、その瞳...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 22:51
四 ワイズの町の中央にある大時計の建つ広場。日頃は人々が賑わい、花々が咲き乱れ、明るい場所だった。 だが今は、灰色の煙が空へと上がり、人々の悲鳴で満ちていた。 周りには、商店に使われていたレンガや木や布、花壇に生えていた花達が燃える臭いが混ざり合い、何とも言えない臭いがしていた。 まだ横風が吹かず、煙が直接人の歩く道へと流れていないだけ、マシな状況だった。 ウィルは、服の袖で口元を覆いながら、燃え上がる町中を注意深く見渡していた。「レン、目標はどこか分かるか?」「時計台の向こう側...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 22:49
「この袋は?」「触っちゃダメです!」 ウィルが、小さい袋を拾おうとすると、アイリは素早く彼の手を叩き、拾うのを止めた。「あれは、即効性のある眠り薬の香りが染み付いた、香り袋です。少しでも、臭いを嗅ぐと眠っちゃいますよ? ちなみにそこの人達も、臭い袋を顔に投げつけて眠らせてるだけです」 ずれた眼鏡を直しながら説明するアイリに、ウィルは、凄い女の子だなと思いつつ、苦笑いした。「何でそんな物を?」「もちろん護身用です」「そうか。とりあえず、助かったよ」 ウィルがお礼を言うと、アイリは「いえ」と小さ...
イルシオン | 2013.05.22 Wed 22:45
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