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アイビーの花 第三話 すれ違い-3-

「お前分かってないのか!? アイツはハーフなんだ……ハーフエルフなんかと付き合うな!」「……っ!」 ディンの一言に、クウォードは表情を歪めた。 そして、ディンはアピスの腕を引っ張る。「帰るぞ!」「嫌だ! 今の言葉撤回して! クウォードに謝ってディン!」「謝る? 何で謝らないといけないんだ? 事実だろう!」 ディンはそう叫ぶと、クウォードは立ち上がり、冷たい表情をしてディンを見た。その冷たい視線に、ディンは恐怖を感じだ。 クウォードはその表情のまま、口を開いた。「そう、俺はハーフエルフだ。今更分か...

イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:10

アイビーの花 第三話 すれ違い-2-

「これ、一つクウォードにあげる! ちゃんと花が咲いたら、交換しよう!」 「えっ……あぁ」 クウォードは、微妙ながらも返事をした。「確か、アイリスのはにゃ言葉は……」 ティルがアイリスの花言葉を言おうとした瞬間! アピスが凄い勢いで、ティルの口を塞いだ!「ティルちゃん! ……ダメだよ言っちゃ?」「花言葉は、何なんだ?」 必死で、ティルに口止めするアピスの後ろで、クウォードは首を傾げる。「秘密!」「何だよ、気になるだろ? 教えてくれよ?」 微笑むクウォードを見つめて、少し考え込むアピス。「……なら、アイ...

イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:05

アイビーの花 第三話 すれ違い-1-

  第三話 すれ違い あれからというもの、アピスは天気の日はいつも森に通い、ティルと花摘みをしたり、クウォードとお話をして、楽しく毎日を過ごしていた。 最初はアピスに冷たかったクウォードも、しばらくすると慣れてきたのか、態度が冷たくなくなっていた。 そして、今日もアピスは森の中にあるお花畑へと来ていた。言うまでもなく、アピスは花摘みに夢中になっていた。「また、ここに来てたか」「アピスしゃんは、お花が好きですにゃ」 クウォードとティルは話ながら、楽しそうに花摘みをするアピスに近づいて行く。 だ...

イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:02

アイビーの花 第二話 助け-4-

「本当に何も知らないみただったな……」「ですにゃ。でも、久しぶりですにゃあんな人。友達になれそうですにゃ!」 ティルが嬉しそうに言うが、クウォードは何も言わず、森の中へと帰って行った。ティルは急いでその後を追った。 たまにティルにも、クウォードの考えが分からない時があった。でも、クウォードは彼なりに考えているんだと思い、ティルは深く追求することはなかった。to be continuance....JUGEMテーマ:ファンタジー小説 

イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:08

アイビーの花 第二話 助け-3-

「くっ……」 どうにか魔物を避けたものの、全ては交わせず、クウォードは左腕を引っかかれる。 だが、そんな攻撃に怯まず、クウォードは魔物を斬り付ける! 今度は、魔物の頭を斬り落としたため、魔物はそれ以上動きはしなかった。「だっ大丈夫ですか!?」 アピスは、急いでクウォードに近寄り、左腕を手に取り見た。 魔物の爪が、食い込んでなかったせいか、そこまで酷いモノではなかったが、血は少し滲んでいた。「このぐらい、大丈夫だ」 クウォードは、アピスの手から腕を離し、そっけなく言った。 だが、アピスは「ダメで...

イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:07

アイビーの花 第二話 助け-2-

 だがクウォードは、それを無視するように話を続けた。「俺は、森の出口までしかついて行くことが出来ないけど良いか?」「はっはい! それで良いです!」 アピスが嬉しそうに微笑むと、クウォードは少し頬を染めながらも、それを誤魔化すように歩き出した。その後を、ティルが急いでついていった。 何も気付いていないアピスは、嬉しそうな顔をしながら、クウォードとティルの後ろを追いかけた。――そこまでは良かった。 そこから、永遠と続くのではないか思うほど、沈黙が続いた。 その沈黙が耐え切れず、ティルが最初に口を開...

イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:05

アイビーの花 第二話 助け-1-

   第二話 助け「怪我はないか?」 クウォードの問いかけに、やっと我に返った少女は、首を縦に振る。「そうか……なら良い」 そう言い、クウォードが立ち去ろうとすると、少女はクウォードの服を掴んだ! クウォードは、渋々といった感じで、少女に振り向いた。「何だ?」「あの、さっきはありがとうございました。それでその……」「……早くしろ」 冷たく言うクウォードに、少しビクビクしながらも、少女は勇気を出して言った。「あの、森の外まで一緒についてきてもらえませんか?」 その言葉を聞くなら、クウォードは驚いた表...

イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:04

JIN-7-

  「一人で、起きれるようにならないと! 僕がいなくなったら、いったいどうする気なんだい?」 僕の問いかけに、アリスはにっこりと笑って、僕に答える。「ジンは、ずっとずーっと、私の傍にいるんでしょ? 私、ジンが勝手にいなくなったりしたら、絶対許さないもん!」 これは、まいったな。許さないとまで言われたら、いなくなるわけにはいかない。「そうだね。僕は、アリスの傍で、見守っているよ……ずっとね」 僕のご主人は、頑固な女の子。でも、頑張り屋で、優しくて、少し頼りなくて、たまに泣き虫。 僕は、そ...

イルシオン | 2013.05.19 Sun 13:14

JIN-6-

 「アリスは、自分の間違いを反省してる。だから精霊達も、アリスに力を貸してくれるんだよ。大丈夫だから、そんなに落ち込むな」「うん……」 アリスは、服で目の辺りをぬぐう。どうやら、泣いていたようだ。こうやって、泣いているアリスを見ると、本当に純粋だと、思わされる。「明日は、入学試験だろう? 今日はゆっくり休んで、明日に備えたら良いよ。精霊達が、力を貸してくれるなら、絶対に魔法は成功するしね」「分かった」 僕は、イスから立ち上がり、扉の方へ向おうとしたが、急に後ろに軽くだが、引っ張られた。アリ...

イルシオン | 2013.05.19 Sun 13:13

JIN-5-

  「あら……大変だったわね」「もう、サラマンダー様を召喚した時は、人生終わるかと思いましたよ」「ごめんなさいね……。この子、むちゃばっかりするから」 僕は、すまなそうに頭を下げるウェルさんに、驚いて戸惑ってしまう。「きっ気にしないでください! これが、僕の人生ですから」 ウェルさんは、僕の言葉を聞くと、何故か手で口をおさえて笑い出した。「なっ何故笑うのですか!?」「だって、人生なんて大げさなんですもの……ふふふ」 ウェルさんは、大げさと言うが、僕は大真面目だ。「僕は、召喚した主を見守って...

イルシオン | 2013.05.19 Sun 13:12

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