[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
アピスは、真っ直ぐなティルの瞳と目が合い、断りきれず頷いた。 正直アピスは、もう一度クウォードに合いたかったのだ。「僕は、もう帰りますにゃ。 明日……絶対来てくださいにゃ!」 ティルはそれだけ言うと、部屋の窓から飛び出ていた。「明日……」 部屋に一人残されたアピスは、ティルの出て行った窓を見つめながら、涙を拭っていた。(明日……この気持ちを伝えよう) アピスはそう心に決めると、泣いたせいで赤くなった瞳を冷やすため、顔を洗いに部屋を出た……。to be continuance....JUGEMテーマ:ファンタジー小説
イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:20
「僕は、アピスしゃんに聞いたいことがあって来たにゃ!」「聞きたいこと?」「アイリスの花言葉は……【あなたを愛す】ですにゃ。あの球根をクウォード様にあげたということは、それがクウォード様への気持ちと取っても良いですかにゃ?」 アピスは小さく頷くと、そのまま俯き黙り込んでしまった。「……アピスしゃんは、クウォード様がハーフエルフと知って嫌いににゃったにゃ?」「違うっ!」 アピスは顔を上げて、今にも泣きそうな顔で否定した。「だって私……最初からクウォードがハーフだって知ってたの」「にゃら!」「でも――でも...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:19
第四話 苦しい思い あれから一週間たった。 あの出来事からというもの、クウォードは必要以上に家から出ることはなかった。 アピスが来ていた頃は、毎日のように外に出ていたクウォードの、今の変わりように、ティルは心配をしていた。 そして今日も、ティルはクウォードを心配しながらも、アイリスの花の水遣りをする。 あの日、アピスのくれたアイリス球根を持ち帰ったティルは、クウォードに隠れ、球根を鉢植えに植え、大切に育てていた。 ティルは、植物を育てる時に魔力を注ぐ癖があるせいか、魔力が合わない植物を枯ら...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:17
「お前分かってないのか!? アイツはハーフなんだ……ハーフエルフなんかと付き合うな!」「……っ!」 ディンの一言に、クウォードは表情を歪めた。 そして、ディンはアピスの腕を引っ張る。「帰るぞ!」「嫌だ! 今の言葉撤回して! クウォードに謝ってディン!」「謝る? 何で謝らないといけないんだ? 事実だろう!」 ディンはそう叫ぶと、クウォードは立ち上がり、冷たい表情をしてディンを見た。その冷たい視線に、ディンは恐怖を感じだ。 クウォードはその表情のまま、口を開いた。「そう、俺はハーフエルフだ。今更分か...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:10
「これ、一つクウォードにあげる! ちゃんと花が咲いたら、交換しよう!」 「えっ……あぁ」 クウォードは、微妙ながらも返事をした。「確か、アイリスのはにゃ言葉は……」 ティルがアイリスの花言葉を言おうとした瞬間! アピスが凄い勢いで、ティルの口を塞いだ!「ティルちゃん! ……ダメだよ言っちゃ?」「花言葉は、何なんだ?」 必死で、ティルに口止めするアピスの後ろで、クウォードは首を傾げる。「秘密!」「何だよ、気になるだろ? 教えてくれよ?」 微笑むクウォードを見つめて、少し考え込むアピス。「……なら、アイ...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:05
第三話 すれ違い あれからというもの、アピスは天気の日はいつも森に通い、ティルと花摘みをしたり、クウォードとお話をして、楽しく毎日を過ごしていた。 最初はアピスに冷たかったクウォードも、しばらくすると慣れてきたのか、態度が冷たくなくなっていた。 そして、今日もアピスは森の中にあるお花畑へと来ていた。言うまでもなく、アピスは花摘みに夢中になっていた。「また、ここに来てたか」「アピスしゃんは、お花が好きですにゃ」 クウォードとティルは話ながら、楽しそうに花摘みをするアピスに近づいて行く。 だ...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 10:02
「本当に何も知らないみただったな……」「ですにゃ。でも、久しぶりですにゃあんな人。友達になれそうですにゃ!」 ティルが嬉しそうに言うが、クウォードは何も言わず、森の中へと帰って行った。ティルは急いでその後を追った。 たまにティルにも、クウォードの考えが分からない時があった。でも、クウォードは彼なりに考えているんだと思い、ティルは深く追求することはなかった。to be continuance....JUGEMテーマ:ファンタジー小説
イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:08
「くっ……」 どうにか魔物を避けたものの、全ては交わせず、クウォードは左腕を引っかかれる。 だが、そんな攻撃に怯まず、クウォードは魔物を斬り付ける! 今度は、魔物の頭を斬り落としたため、魔物はそれ以上動きはしなかった。「だっ大丈夫ですか!?」 アピスは、急いでクウォードに近寄り、左腕を手に取り見た。 魔物の爪が、食い込んでなかったせいか、そこまで酷いモノではなかったが、血は少し滲んでいた。「このぐらい、大丈夫だ」 クウォードは、アピスの手から腕を離し、そっけなく言った。 だが、アピスは「ダメで...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:07
だがクウォードは、それを無視するように話を続けた。「俺は、森の出口までしかついて行くことが出来ないけど良いか?」「はっはい! それで良いです!」 アピスが嬉しそうに微笑むと、クウォードは少し頬を染めながらも、それを誤魔化すように歩き出した。その後を、ティルが急いでついていった。 何も気付いていないアピスは、嬉しそうな顔をしながら、クウォードとティルの後ろを追いかけた。――そこまでは良かった。 そこから、永遠と続くのではないか思うほど、沈黙が続いた。 その沈黙が耐え切れず、ティルが最初に口を開...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:05
第二話 助け「怪我はないか?」 クウォードの問いかけに、やっと我に返った少女は、首を縦に振る。「そうか……なら良い」 そう言い、クウォードが立ち去ろうとすると、少女はクウォードの服を掴んだ! クウォードは、渋々といった感じで、少女に振り向いた。「何だ?」「あの、さっきはありがとうございました。それでその……」「……早くしろ」 冷たく言うクウォードに、少しビクビクしながらも、少女は勇気を出して言った。「あの、森の外まで一緒についてきてもらえませんか?」 その言葉を聞くなら、クウォードは驚いた表...
イルシオン | 2013.05.21 Tue 01:04
全490件中 311 - 320 件表示 (32/49 ページ)