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◇◇◇ ◇◇◇ 月曜日に会社に行くと、社長にちょいちょいと手招きをされた。 「奏君、こないだはうちの息子がなんか迷惑掛けた?」 「いえ……」 急にそんなことを言われて、奏は返答に困ってしまった。 あの後、奏と優吾と寧音はずっとギクシャクとしていた。食事の間も気詰まりで、ちーちゃんズもずっとそわそわと三人の様子を気にしていたから、きっとあの二人が社長に何か言ったのだろう。 「ごめんねぇ、うちの息子が」 「なんで優吾...
真昼の月 | 2022.02.13 Sun 21:43
◇◇◇ ◇◇◇ 月曜日に会社に行くと、社長にちょいちょいと手招きをされた。 「奏君、こないだはうちの息子がなんか迷惑掛けた?」 「いえ……」 急にそんなことを言われて、奏は返答に困ってしまった。 あの後、奏と優吾と寧音はずっとギクシャクとしていた。食事の間も気詰まりで、ちーちゃんズもずっとそわそわと三人の様子を気にしていたから、きっとあの二人が社長に何か言ったのだろう。 「ごめんねぇ、うちの息子が」 「なんで優吾...
真昼の月 | 2022.02.12 Sat 22:06
「お前は…っ!そうやって、自分は関係ないって思ってるのかもしれないけど、お前がそうやって鈍感だから俺がいつまでも心配するんじゃないか!」 「お前に心配してもらわなくても結構だよ。さぁ、この話はお終い!せっかく作った飯がまずくなるから、もう二度とこの話はするなよ」 さっさと踵を返して自分達のバンガローに戻っていく奏を見つめながら、優吾はまだその場を動くことができずにいた。だって、あの男が奏を狙っているのは一目瞭然だ。今迄寧音を育てることに必死で、自分の恋愛どころではなかった奏が、...
真昼の月 | 2022.02.11 Fri 22:05
「寧音が俺の幸せだよ。俺は寧音がいればじゅうぶん幸せなんだ」 「でも…っ!」 大切な、大切な一人娘。この子が本当の娘じゃないなんて、そんなことある訳がない。だって、ずっと自分が育ててきたんだ。夏の暑い日も、冬の寒い日も、二人で一緒に暮らしてきた。寧音がいたから頑張ってこられた。寧音がいたから幸せだった。それなのに、そんなことを寧音が考えていたなんて。 「お前は俺の本当の娘だ。お前が俺の本当の娘じゃないなんて、そんなこと、寧音にだって言わせない」 「パパ&hellip...
真昼の月 | 2022.02.10 Thu 22:03
「だいたい、寧音ちゃんはお前に、早く結婚して、本当の子供を持ってもらいたいって、いつも言ってるだろ?お前だってそれは知ってるよな?」 「そ…」 そんなこと分かってる。そう言おうとしたその時。 「優吾ちゃん」 バンガローのドアが開いて、寧音が優吾を睨みつけた。はっとして優吾と奏、それぞれが固まると、「ちょっと顔貸してちょうだい」と、優吾の腕を掴んで水場に向かってずんずん歩いていく。 「いや、あの、寧音ちゃん……」 今の話...
真昼の月 | 2022.02.09 Wed 22:09
「ん…奏?」 寝ぼけているのか、低く掠れた声が耳元を掠めて、奏はゾクリとした。うぅう、イケメンは声までイケメンだ。奏より六つも年下だというのに、この色気には、自分はいくつになっても辿り着けないだろう。 「トワレがどうしたって……?」 「あ、ごめん。何でもないよ」 「……そう?」 大雅はそのまま大きくあくびをすると、奏の髪の中に鼻を突っ込んできた。 「うわ、ちょ、大雅君、やめろよ。俺、汗臭いだろ?」 「んん……。焚き...
真昼の月 | 2022.02.09 Wed 09:47
◇◇◇ ◇◇◇ 朝目が覚めると、横臥して眠っていた自分の後ろに、ぴったりと寄り添うように大雅が眠っていた。大雅の頭が奏の肩にはまり込み、長い脚がスプーンを重ねたように、自分の脚にくっついている。 「あぁ、ちゃんと戻ってきて寝たんだ……。良かった」 奏はそう呟いて、大雅の寝顔を見下ろした。 弛緩した寝顔にも関わらず、恐ろしいほど整っていた。ベタな表現だが、ミケランジェロの彫像のような、というのは、こういう男のことを言うのだろう。 ...
真昼の月 | 2022.02.09 Wed 09:46
「……お前さ、困ってることとか……あるんじゃねぇの?」 「困ってること?」 前にも優吾はそう言っていた。自分はそんなに困った顔をしているのだろうか。 「ああ。ほら、引っ越しのこととかさ。……あの兄ちゃん?なんか、お前に無理難題言ってるんじゃないのか?」 「え?いや……」 大雅が、無理難題……そう言われて即座に思い起こしたのは、昨日の会話と、こないだの……キスだった。 変な顔をして...
真昼の月 | 2022.02.08 Tue 22:01
「ん…奏?」 寝ぼけているのか、低く掠れた声が耳元を掠めて、奏はゾクリとした。うぅう、イケメンは声までイケメンだ。奏より六つも年下だというのに、この色気には、自分はいくつになっても辿り着けないだろう。 「トワレがどうしたって……?」 「あ、ごめん。何でもないよ」 「……そう?」 大雅はそのまま大きくあくびをすると、奏の髪の中に鼻を突っ込んできた。 「うわ、ちょ、大雅君、やめろよ。俺、汗臭いだろ?」 「んん……。焚き...
真昼の月 | 2022.02.07 Mon 22:05
◇◇◇ ◇◇◇ 朝目が覚めると、横臥して眠っていた自分の後ろに、ぴったりと寄り添うように大雅が眠っていた。大雅の頭が奏の肩にはまり込み、長い脚がスプーンを重ねたように、自分の脚にくっついている。 「あぁ、ちゃんと戻ってきて寝たんだ……。良かった」 奏はそう呟いて、大雅の寝顔を見下ろした。 弛緩した寝顔にも関わらず、恐ろしいほど整っていた。ベタな表現だが、ミケランジェロの彫像のような、というのは、こういう男のことを言うのだろう。 ...
真昼の月 | 2022.02.06 Sun 22:03
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