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「伊嶋のおじいさま達は皆心が広く、国際的な視野も持っている。私があそこで暮らす為の手はずを整えてくれたのは彼らだ。ここにいるよりも、あそこにいた方が、私は生きがいを感じるだろう」 確かに山深く、駅からは車で2時間もかかる。だが、フィッツガードだって結構な田舎じゃないか。 「イギリスにはお前の友人もいるだろう?私だっている」 「確かに、君は得がたい友人だ。君が私を心配して言ってくれていることも分かっている。だが、私は久義のいない人生は考えられない」 「ウィリアム…!」 ...
真昼の月 | 2024.11.03 Sun 04:52
皆様、コメントありがとうございます。 お返事はコメントをいただいた順に書いております。 先に書いていただいた方のリコメが下になっておりますので、もし自分へのレスがないな、と思われたら、下の方をググッとスクロールしていただけると嬉しいです。 イヌ吉拝 05:25:優様 コメント&和菓子ありがとうございました!! お皿は自作です💦 実は小学校の陶芸クラブに始まり、ちょこちょこ陶芸習いに言っております(^ω^;) とても楽しいです!! ...
真昼の月 | 2024.10.27 Sun 19:22
テオドアは、思わず頭を掻きむしった。髪型が崩れる事も気にならないようで、まるで癇癪を起こした子供のよう。いつも冷静なテオドアの面影は、今はない。 「あんな何もない辺境に暮らして、苦労しない訳がないだろう!?」 そうして出てきたのはそんなありきたりな言葉だ。もちろん、テオドアの言いたいこととは全く違うだろう。だが、彼にはもう、何を言ったらウィリアムを止められるのか分からなかった。 そんなテオドアに対して、ウィリアムは小さく溜息をついた。それでも、彼の癇癪に付き合ってやるのが自分の最後...
真昼の月 | 2024.10.27 Sun 00:39
「……テオドア。君の重責も苦悩も、私は一緒に背負ってはやれない。君の言うとおり、ブリストンに行くが良い。そうして、君のその重責を共感できる友人と一緒に分かち合えば良い」 「なにを……」 何を言われているのか、もちろんテオドアは分かっているだろう。それでも茫然と自分を見つめるテオドアを、ウィリアムは哀れむように見つめた。 「確かに私は君と同じように、爵位の重さや偉大なる祖先への重責に潰されそうだった事もある。君と二人で互いに励まし合い、切磋琢磨し合ってきたね」 ...
真昼の月 | 2024.10.20 Sun 03:04
皆様〜、先週はお休みをいただきありがとうございました! ちょっとまだバタバタしておりますが、できるだけお休みの内容に頑張ります! イヌ吉拝 =============== 「ウィリアム、君はきっとほんの少し疲れているんだ。これから先、フィッツガード伯爵家を守っていくことにおののいているのかもしれないな。だから、ヒースのような外国人の男の手を取れば、歴史あるフィッツガードという重圧から逃げられると、そう思っているのだろう。...
真昼の月 | 2024.10.13 Sun 05:50
皆様、いつも『真昼の月」に遊びに来て下さり、ありがとうございます。 ちょっと今週は色々とプライベートがたてこんでおりまして、今週の更新はお休みさせて下さい💦💦 また来週ぜひ遊びに来て下さると嬉しいです! よろしくお願いします!!! イヌ吉拝 いつもポチありがとうございます!とても励みになります! ランキングも頑張っておりますので、もし良ければ村の方もポチっていただけると喜びます...
真昼の月 | 2024.10.05 Sat 20:23
「どういうつもりだ! 私は認めないぞ!」 バーマストン伯爵がサロンを出て行くなり、テオドアはそう牙を剥いた。普段感情を表に出さないようにと己を律しているテオドアだが、事この事に関しては、その仮面をかなぐり捨てるらしい。 だがそれに対して、ウィリアムはどこまでも冷静だった。 「父の了解が得られているのに、何故君の了解が必要ある?」 穏やかな声。それがまるでテオドアを相手にしていないように感じられるのか、テオドアは余計に声を大きくした。 「ヒースなんかの為に、君は自分の名誉や誇りを...
真昼の月 | 2024.09.29 Sun 04:45
「父上! 今はそのような焼き物の話などより、ウィリアムの話でしょう!? フィッツガードの正当な後継者であるウィリアムが、日本人の男などと一緒に国を出ようというのですよ! ここで我々が彼を正しき道に導かねば、誰がそれをできるというのですか!」 テオドアには父が信じられなかった。 フィッツガード伯爵が許しているから何だというのだ。伯爵は後妻の日本人を優遇し、貴族令嬢だった亡き夫人の名誉を傷つけているではないか。夫人が愛したイングリッシュガーデンを日本庭園に造り替え、茶室を作り...
真昼の月 | 2024.09.22 Sun 03:56
「その台詞は私にではなく、トーマスにでも言ってやると良い」 「え?」 伯爵の言葉の意味を図りかねている久義に向かって、伯爵はもう一度肩を竦めて見せた。 「もしも君が当家の使用人だったとしても、人事権は執事と家政婦にあり、私が口を挟む物ではない。それ以前に君は当家の使用人ではなく、バーマストン社のティールームに所属する職人だ。辞表は既に受理されている。こちらも私が関与するものではない」 伯爵は感情の見えない顔でそう言うと、もう一度ウィリアムに視線をやっ...
真昼の月 | 2024.09.15 Sun 04:23
サロンルームにはバーマストン伯爵とその息子のテオドアが待ち構えていた。久義は小さくぺこりと頭を下げてソファの端に座ろうとしたが、もちろんそんなことをウィリアムが許すはずもなく、堂々と真ん中を2人で共有する。 ソファに座ると馴染みのメイドがコーヒーと簡単なお菓子をセットしていく。今日は男性のみのせいか、ティールームのスイーツではなく、ベルギー産のチョコが添えられていた。 「それで、どこを回って来たのかね」 伯爵は、ウィリアムが久義を追っていったことを知っているのかいないのか、そんな...
真昼の月 | 2024.09.08 Sun 03:30
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