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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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家族の肖像 54

  ◇◇◇ ◇◇◇  電子音が鳴っている。シンプルなベルの音。ああ、目覚まし時計が鳴ってる。早く起きて、朝ご飯を作らなくちゃ。ああ、でも目が開かない。早く起きなくちゃ。寧音が遅刻したら大変だ。寧音…、ねね……   「奏さん?」 「え?」    はっと目が開けると、目の前に憧れ続けた男の顔があった。 「え!?LOKI!?え?な、何?何が起きた!?」    寝惚けているのか慌てふためく奏の顎を掬い上げると、世界で一番美しい男が唇を重ねてくる。   ...

真昼の月 | 2022.03.01 Tue 23:03

家族の肖像 53(R18)

(R18)です。このblogは18歳未満の方は読んでいらっしゃらないはずですが、苦手な方が間違えて読まないように、一応たたみます。大丈夫おっけーどんとこい!という方だけ「続きを読む」を押すか、もしくは下にスクロールしてお読み下さい。 -----------------------------

真昼の月 | 2022.02.28 Mon 22:36

家族の肖像 52

「だから、俺、こういうことしたことなくて……だからその、何をどうして良いのかも分からないし、こういう時のマナーとか礼儀とかも知らないし、とても君を歓ばせてあげることなんてできないと思うんだ。あの、ほんと、こんな年で恥ずかしいんだけど……」    女性の処女性を重んじる人はいても、この年の男が童貞だなんて、とても人に自慢できる物ではないだろう。いや、この場合は童貞で良いのかもよく分からないのだが……。処女?処女なのか?いや、どちらにしても、多分、す...

真昼の月 | 2022.02.27 Sun 22:15

家族の肖像 51(R15)

(R15)です。このblogは18歳未満の方は読んでいらっしゃらないはずですが、苦手な方が間違えて読まないように、一応たたみます。大丈夫おっけーどんとこい!という方だけ「続きを読む」を押すか、もしくは下にスクロールしてお読み下さい。 -----------------------------

真昼の月 | 2022.02.26 Sat 22:53

家族の肖像 50

  ◇◇◇ ◇◇◇      その後は、どうやってホテルまで帰ってきたのか、よく覚えていない。ふわふわと、雲の上を歩いているような気持ちがした。帰りの船の中でも大雅は奏を抱きしめたままだったが、うなだれる奏の腰を支えて歩いている大雅は病人の付き添いのようにでも見えたのか、皆気遣いを見せてくれたのがありがたかった。    ホテルについて、寧音達が戻っているかどうか部屋をノックしようとした奏の腕を大雅がグッと掴んだ。   「新婚の二人は二人だけにしておいてやれよ。飯は別に...

真昼の月 | 2022.02.25 Fri 22:41

家族の肖像 49

 ゆっくりと、大雅が奏の下唇を啄む。   「奏……ああ、夢みたいだ。俺、あんたにキスしてるんだな……」  小さく呟くなり、大雅の舌が奏の唇を割って、そっと中に入ってきた。   「ふぁ……」    思わず、変な声が出てしまった。    今迄、寧音の為に全てを捧げてきた奏は、恋愛にかまけている暇も精神的な余裕もなかった。ベルリンに住んでいた時、早熟な女子にキスをされたことは一応あるし、高校時代もなんとなく女の子と付き合ったこと...

真昼の月 | 2022.02.24 Thu 22:21

家族の肖像 48

「俺は、どこにでもいるおじさんで、君の周りには若くて美しくて、君にふさわしい人がたくさんいる。俺は……ただの、君のファンで……。そんな俺が君に愛されるなんてあり得ないし、そんなのはいっときの気の迷いだって……」 「違う!俺は……!!」    大雅は奏の台詞を遮るように叫んだ。だが、まるで大雅の声が聞こえていないかのように、奏は話し続けた。どこか茫洋とした、心をどこかに置き忘れたような声だった。   「君の隣に立つのは、君と同じ...

真昼の月 | 2022.02.23 Wed 22:19

家族の肖像 47

 博物館を出てから、二人はまた並んで歩いた。アポロンとアルテミスが生まれたとされる“聖なる湖”に辿り着いた時、大雅の手は奏の手をそっと握りしめていた。奏はビクリと肩を震わせて、大雅を振り返った。   「頼む。振りほどかないでくれ。それとも、この手を振りほどかないといられないくらい、俺の気持ちは迷惑か……?」 「そんな言い方……」  そんな言い方は、ズルい。自分がLOKIのファンであると先ほど告げたばかりなのに。   「ほら、“聖なる湖&r...

真昼の月 | 2022.02.22 Tue 22:03

家族の肖像 46

 寧音の手は小さくて、頬に触れられても、空気のように軽かった。自分が守るべき手だ。そう思えば、その手は余計に小さかった。  小さくてほっそりとした、寧音の手。奏は、その手しか知らない。    もっと小さい頃には、誰かがこうしてくれただろうか。  ……いいや、自分の父も母も、子供を慈しむように触れる事はしない人達だった。いつも自分の事に必死で、出来損ないの自分には見向きもしなかった。    今迄自分に触れてくれたのは、寧音の小さな手よりほかになかったのだ。   ...

真昼の月 | 2022.02.21 Mon 22:21

家族の肖像 45

 確かに、あのキャンプの時の優吾は少しおかしかった。あんな風に、私生活に横やりを入れられた事も初めてだ。でも優吾からしてみれば、LOKIという有名モデルを前にして、自分が舞い上がっているように見えたのだろう。今まで誰にも告られた事もなければ告った事もない、免疫のない自分の前に初めて現れたのがLOKIなのだ。優吾が心配するのは仕方ないのかもしれない。  でも。   「確かに優吾には昔から世話になりっぱなしだから頭が上がらないけど、あいつと付き合うってのは無いなぁ。俺と違って優吾は...

真昼の月 | 2022.02.20 Sun 22:04

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