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◇◇◇ ◇◇◇ 式が終わると、外に出て何枚も写真を撮った。青い屋根と真っ白い壁が幾重にも並ぶ美しい島の町並み。青い空と青い海をバックにキスをしたり、抱き合ったり、手を握ったりする二人の写真を、大雅も奏も競うようにカメラに収めた。 途中で大成がカメラを受け取って、奏と寧音のツーショットや、奏と大雅のツーショットを撮り、ホテルの人に四人の写真も撮ってもらった。 さすがに大雅はフォーマルをこれ以上は無いほど着こなしているし、大成も寧音も幸せがこぼれんばかりで美...
真昼の月 | 2022.02.14 Mon 22:53
◇◇◇ ◇◇◇ 式が終わると、外に出て何枚も写真を撮った。青い屋根と真っ白い壁が幾重にも並ぶ美しい島の町並み。青い空と青い海をバックにキスをしたり、抱き合ったり、手を握ったりする二人の写真を、大雅も奏も競うようにカメラに収めた。 途中で大成がカメラを受け取って、奏と寧音のツーショットや、奏と大雅のツーショットを撮り、ホテルの人に四人の写真も撮ってもらった。 さすがに大雅はフォーマルをこれ以上は無いほど着こなしているし、大成も寧音も幸せがこぼれんばかりで美...
真昼の月 | 2022.02.14 Mon 22:04
◇◇◇ ◇◇◇ その日は朝から一点の曇りのない青空だった。エーゲ海に浮かぶ白い宝石、ミコノス島。白い漆喰で塗られた美しいホテルで、寧音は純白のドレスを身にまとっていた。 「寧音、綺麗だよ」 奏が微笑むと、寧音は目に涙を浮かべた。 「パパ、今まで本当にありがとうございました。パパのおかげで、私……私……」 そっと、寧音の頭を抱き寄せる。こうして寧音を抱きしめるのはいつ以来だろうか。 「愛してるよ、寧音。大成...
真昼の月 | 2022.02.13 Sun 22:01
◇◇◇ ◇◇◇ 月曜日に会社に行くと、社長にちょいちょいと手招きをされた。 「奏君、こないだはうちの息子がなんか迷惑掛けた?」 「いえ……」 急にそんなことを言われて、奏は返答に困ってしまった。 あの後、奏と優吾と寧音はずっとギクシャクとしていた。食事の間も気詰まりで、ちーちゃんズもずっとそわそわと三人の様子を気にしていたから、きっとあの二人が社長に何か言ったのだろう。 「ごめんねぇ、うちの息子が」 「なんで優吾...
真昼の月 | 2022.02.13 Sun 21:43
◇◇◇ ◇◇◇ 月曜日に会社に行くと、社長にちょいちょいと手招きをされた。 「奏君、こないだはうちの息子がなんか迷惑掛けた?」 「いえ……」 急にそんなことを言われて、奏は返答に困ってしまった。 あの後、奏と優吾と寧音はずっとギクシャクとしていた。食事の間も気詰まりで、ちーちゃんズもずっとそわそわと三人の様子を気にしていたから、きっとあの二人が社長に何か言ったのだろう。 「ごめんねぇ、うちの息子が」 「なんで優吾...
真昼の月 | 2022.02.12 Sat 22:06
「お前は…っ!そうやって、自分は関係ないって思ってるのかもしれないけど、お前がそうやって鈍感だから俺がいつまでも心配するんじゃないか!」 「お前に心配してもらわなくても結構だよ。さぁ、この話はお終い!せっかく作った飯がまずくなるから、もう二度とこの話はするなよ」 さっさと踵を返して自分達のバンガローに戻っていく奏を見つめながら、優吾はまだその場を動くことができずにいた。だって、あの男が奏を狙っているのは一目瞭然だ。今迄寧音を育てることに必死で、自分の恋愛どころではなかった奏が、...
真昼の月 | 2022.02.11 Fri 22:05
「寧音が俺の幸せだよ。俺は寧音がいればじゅうぶん幸せなんだ」 「でも…っ!」 大切な、大切な一人娘。この子が本当の娘じゃないなんて、そんなことある訳がない。だって、ずっと自分が育ててきたんだ。夏の暑い日も、冬の寒い日も、二人で一緒に暮らしてきた。寧音がいたから頑張ってこられた。寧音がいたから幸せだった。それなのに、そんなことを寧音が考えていたなんて。 「お前は俺の本当の娘だ。お前が俺の本当の娘じゃないなんて、そんなこと、寧音にだって言わせない」 「パパ&hellip...
真昼の月 | 2022.02.10 Thu 22:03
「だいたい、寧音ちゃんはお前に、早く結婚して、本当の子供を持ってもらいたいって、いつも言ってるだろ?お前だってそれは知ってるよな?」 「そ…」 そんなこと分かってる。そう言おうとしたその時。 「優吾ちゃん」 バンガローのドアが開いて、寧音が優吾を睨みつけた。はっとして優吾と奏、それぞれが固まると、「ちょっと顔貸してちょうだい」と、優吾の腕を掴んで水場に向かってずんずん歩いていく。 「いや、あの、寧音ちゃん……」 今の話...
真昼の月 | 2022.02.09 Wed 22:09
「ん…奏?」 寝ぼけているのか、低く掠れた声が耳元を掠めて、奏はゾクリとした。うぅう、イケメンは声までイケメンだ。奏より六つも年下だというのに、この色気には、自分はいくつになっても辿り着けないだろう。 「トワレがどうしたって……?」 「あ、ごめん。何でもないよ」 「……そう?」 大雅はそのまま大きくあくびをすると、奏の髪の中に鼻を突っ込んできた。 「うわ、ちょ、大雅君、やめろよ。俺、汗臭いだろ?」 「んん……。焚き...
真昼の月 | 2022.02.09 Wed 09:47
◇◇◇ ◇◇◇ 朝目が覚めると、横臥して眠っていた自分の後ろに、ぴったりと寄り添うように大雅が眠っていた。大雅の頭が奏の肩にはまり込み、長い脚がスプーンを重ねたように、自分の脚にくっついている。 「あぁ、ちゃんと戻ってきて寝たんだ……。良かった」 奏はそう呟いて、大雅の寝顔を見下ろした。 弛緩した寝顔にも関わらず、恐ろしいほど整っていた。ベタな表現だが、ミケランジェロの彫像のような、というのは、こういう男のことを言うのだろう。 ...
真昼の月 | 2022.02.09 Wed 09:46
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