[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]

元々、ロンドンで証券アナリストとして働くウィリアムは、金魚の世話があるからと週末だけには屋敷に帰ってくるが、普段はロンドンにフラットを借りて暮らしている。だから、父と真理江が二人でいる所を見る機会はずっと少ないのだ。本当なら、屋敷に帰ってくるのは必要最低限にしたい所だが……屋敷の金魚たちを不慣れな使用人に任せっきりにする訳にはいかないから、週末は帰ってこざるを得なかった。 日に日に屋敷が変わっていく様子を見るのは、父が母を忘れたがっているようで、母の面影が日ごとに消されて...
真昼の月 | 2022.09.25 Sun 00:32
◇◇◇ ◇◇◇ ウィリアムはテオドアの部屋で、テオドアと向かい合って座っていた。学生時代から仲の良い二人ではあるが、大学を卒業してから、これほど密接に行き来していた事はない。 伯爵は、バーマストンへの来訪にはいつもウィリアムを伴っていた。「ウィリアムもテオドア君と積もる話しもあるだろう」などと言っているが、この機会に息子と夫人を共に出かけさせ、二人の距離を縮めたいという魂胆があけすけと覗える。 確かにテオドアとの時間は有意義だが、それにしても二人はバーマストン伯爵家に甘えす...
真昼の月 | 2022.09.17 Sat 22:16
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML (前の記事)← 番、つがえば番う時!(ポリアカ編) 警察学校の自由時間はほとんど無いと言っていい。 日々の課題を片付け、寝るまでのほんの僅かな時間がそれだった。 ようやく訪れた安息の時間。 その時、昌己はたまたま一人だった。 慣れない報告書を書き上げた身体はいつになく火照った感じがして、窓を開けるとちょうど晩春の夜風が心地よく頬を撫でていった。 都会の喧騒から離れた警察学校の周...
時の過ぎ行くまま(Rink\'s Cafe別館) | 2022.09.12 Mon 04:26
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML →番つがえば(次の記事) 2022年9月4日のJ・GARDEN52で配布した オリジナルオメガバース小説の無配本です 一部ブログ用に書き直しております。 紙本だとあまり改行とか入れないのですがブログは別です! 横読みなのでちょっとスペースを入れさせていただいております! 次の春庭で本編を出す予定ですので 試し読みだと思ってお付き合いください! ◆この物語のオメガバース設定について◆ 全ての生き物は種の保存の為に環境に応...
時の過ぎ行くまま(Rink\'s Cafe別館) | 2022.09.11 Sun 04:38
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML またしてもお久しぶりになってしまいましたRinkです とりあえず私は元気にしています 実は9月4日に秋のJ・GARDENがありました。 秋といっても普通は10月とか11月開催が秋庭だったのですが 今回はCOMITIAと同時開催という事もあって めちゃくちゃ早い開催で 秋庭と言うより夏庭でしたが💦 無事それに参加してきました! お知らせが遅れたのは実は新刊を落としたからです( ;∀;) まあ新刊は落としました...
時の過ぎ行くまま(Rink\'s Cafe別館) | 2022.09.11 Sun 03:34
◇◇◇ ◇◇◇ 初めてフィッツガード伯爵一家がバーマストンを訪れてから、もう三ヶ月が過ぎた。あの時は桜や紫陽花の和菓子を提供する季節だったが、今はもう夏だ。 隣の領地と言っても、フィッツガードは車で一時間もかからずに行き来できる距離だ。あれから何度か一家はバーマストンを訪れているし、逆にフィッツガード邸に出向いてお茶を振る舞われた事もある。 先日、久義と母の謳子は、フィッツガード邸の自慢のお茶室で催された、初めてのお茶会に参加した。といっても客ではなく、久義はお茶菓子の準備や...
真昼の月 | 2022.09.10 Sat 22:10
久義の視線に気がついたらしいウィリアムが、自分の時計に目をやってから、久義を見た。 ウィリアムが久義の顔を見たのは、今が初めて、と言っても良いかもしれない。何か、驚いたような顔をしている。 その二人の雰囲気に気づいたのか、フィッツガード伯爵もウィリアムの時計に目をやり、「ああ」と頷いた。 「金魚の象眼だ。珍しいだろう?」 「はい。素晴らしい造りですね。日本の物ですか?」 「もちろん。息子が日本の職人に作らせたものだ」 そう言われて、ウィリアムは少し躊躇いながら、それでも「手に取...
真昼の月 | 2022.09.04 Sun 14:48
長男であるラッセル子爵を失礼にならないようにそっと見る。子爵はバーマストン伯爵の嫡子であるテオドアと同い年位だろうか。二人は並んで座り、にこやかに談笑しているから、きっと学生時代からの友人なのだろう。 が、ラッセル子爵とテオドアは先程から、夫人とその膝に抱かれた弟の方をまるで見ていない。バーマストン伯爵夫人も、上辺は和やかにしているが、彼女が話しかけるのはフィッツガード伯爵にだけだった。 由緒ある伯爵家の後添えが東洋人となれば、社交界でも色々と言われる事もあるだろう。だからこそ、...
真昼の月 | 2022.08.26 Fri 23:12
◇◇◇ ◇◇◇ 本館のサロンルームのソファには、バーマストン伯爵とその夫人、バーマストン伯爵の嫡男であるメルプール子爵テオドア、久義の母親であり、バーマストンの磁器デザイナー兼プロデューサーの謳子(うたこ)が座っていた。そうして対面するソファには、初めて見る紳士が二人とレディが一人ソファに座っており、まだ赤ちゃんと呼んでも良い小さな男の子がレディの膝に抱かれている。 「伯爵、ヒースをお連れしました」 「ご苦労」 トーマスは小さくお辞儀をすると、部屋の隅の定位置につき、まる...
真昼の月 | 2022.08.20 Sat 23:07
「まぁ、これだけ繊細なスイーツを量産するのは無理だよなぁ……」 「マネージャーに、もう少し人を入れるように頼んでくれよ。ヒース、日本のおじいさんの店から、何人かこっちに引き抜けないか?」 このティールームで働く和菓子職人は、東京にある老舗和菓子屋から引き抜いてきたアシスタントの光留(みつる)と、久義の二人だ。 久義は生まれは日本だが、二歳の時からバーマストンで暮らしているイギリス育ち。ハイスクール卒業後に日本の祖父の店に弟子入りし、バーマストンに戻って...
真昼の月 | 2022.08.13 Sat 22:01
全1000件中 171 - 180 件表示 (18/100 ページ)