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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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金魚の恋 37

 ◇◇◇  ◇◇◇  真理江夫人はあの後、久義がこちらにこられないならと、バーマストンに訪問したい旨を打診した。だが、その日は忙しいからと、」バーマストン側から断られてしまった。  もちろん、バーマストン伯爵もフィッツガード伯爵も、暇な訳でも時間がありあまっている訳でもない。社交のシーズンが終わった後は、領地での行事も色々あるし、バーマストン伯爵はそもそも世界に名だたる磁器メーカーの経営者だ。オフシーズンには世界中の工場や各国の支店を視察に行ったり、翌年の新デザインの打ち合わせなど、仕事は...

真昼の月 | 2023.04.15 Sat 23:15

金魚の恋 36

  ◇◇◇  ◇◇◇ 「どうして久義さんがこないの!?」  今日せっかく和菓子をフィッツガード城まで届けてもらったというのに、運んできたのは高校を出たての新人ポーターだった。いかにも「まだ仕事も覚えていないから、ちょうど良いから配達に出しました」と言わんばかりの若造で、「久義さんが来たら通してくれ」と言いつけられたメイドが、困ったように「若い男の子が配達に来た」と告げにきた。  久義ではないのか、車の中に久義はいないのかと確認したが、何度確認しても久義はおらず、仕方がないからそのままお...

真昼の月 | 2023.04.09 Sun 00:16

金魚の恋 35

  ◇◇◇  ◇◇◇    一通り仕事が終わり、自室に戻った後、久義は執事のトーマスの元を訪ねた。  今日、自分がフィッツガード伯爵家に和菓子を配達しなかったが、それで良かったと確認したかったのだ。 「伯爵の指示に従ったのだろう?君が気にする問題ではないのでは?」 「ですが、伯爵が今までフィッツガード伯爵家への対応をするように私に指示されていたのは、特別な事情があったからだと推察します。今回だけの特別措置でしょうか。それとも今後ともなのか……トーマスさんは、何かお聞きですか...

真昼の月 | 2023.04.01 Sat 23:36

金魚の恋 34

  ◇◇◇  ◇◇◇    サマーバケーションの時期がやっと終わり、ティールームは少しだけ落ち着いてきた。だから真理江夫人から秋の練り切りを注文されても、「ああ、今日なら別に時間があるから良かった」と思っただけだった。  だが、お客様が少なくなった途端に「配達はポーターにさせるから、ヒースはジャパニーズケイクの準備だけしてくれ」と言われても、何故それを今!?と思うのは仕方ないだろう。 「それなら、もっと忙しい時期にそうさせてくれれば良かったのに……」  思わず久義が呟くと、...

真昼の月 | 2023.03.25 Sat 22:20

金魚の恋 33

 ◇◇◇  ◇◇◇    結局、久義はウィリアムをローズウッド城の最寄り駅ではなく、フィッツガードとは反対側の、少し離れた駅まで送っていくことにした。ローズウッド城の最寄り駅と言っても城からは車で二十分程かかるが、それでも地元の街には久義の顔馴染みも多くいる。見るからに貴族階級の男と二人で食事などしていれば、どんな噂を立てられるか分かったものではない。  車で街道を走りながら、目についた小さなパブに入る。そこに見知った顔はなくて、久義は小さく安堵の息をついた。 「酒を提供する店だが、...

真昼の月 | 2023.03.18 Sat 22:04

金魚の恋 32

  ◇◇◇  ◇◇◇       「陶器の商用で」と言われたせいか、クラリスは就業後の久義をボーディングルーム(応接室)に案内した。中にはウィリアムとテオドアが既に座って待っている。さすがに久義も一瞬体を硬くしてしまった。そんな久義の様子を見て、ウィリアムがテオドアに向かってよそ行きの笑顔を向ける。 「テオドア。ここから先は、私が対応する。君は席を外してくれないか」 「何故だ?私から言った方が、早く用件が済むだろう」  そのテオドアの台詞に、ウィリアムは眉を顰めた。 「父親の形見を力尽...

真昼の月 | 2023.03.12 Sun 17:57

金魚の恋 31

「おい、夫人には伯爵がガツンと言ったんじゃなかったのか?」 「そ……そうだけど……その時のは子爵、いらっしゃらなかったからなぁ……」  シェフパティシエのウッディがそれを聞くと、むっと顔を顰めた。 「断れ」 「でも……」 「でももヘッタクレもねぇ。お前を見下してやがるんだよ。陶器って、お前の親父さんの形見だろう?そんなもん、他人にくれてやる訳ねぇだろうが!」  ウッディの怒りはもっともだが、久義の困ったような顔にきづいたジェフリーが、「&...

真昼の月 | 2023.03.04 Sat 22:22

金魚の恋 30

「ごめんなさいね、久義さん。私、少し舞い上がっていたみたい。でも、本当に考えておいてね。きっとあなたのキャリアの無駄にはならないから!」 「……いえ」  それでも、久義はもちろん、バーマストン伯爵も、謳子も、真理江夫人に迎合するような台詞を言わなかった。真理江夫人はそれが不満なようだったが、久義を真理江夫人の好き勝手に扱っても良いと思われては困るのだ。 「でも、またお茶菓子をお願いする位は良いでしょう?」  真理江は久義に向かってそうおねだりをするが、それに返事をしたのは久...

真昼の月 | 2023.02.25 Sat 23:18

金魚の恋 29

すいません、先週は1日遅れの日曜22時に更新致しました💦 先週の分を読まれていない方は、『金魚の恋 28』からお読みいただけるようお願い致します!!     イヌ吉拝       ◇◇◇  ◇◇◇    ウィリアムが次に久義と会ったのは、ロンドンに来てから半月後、フィッツガード伯爵家一家でまたバーマストンに遊びに来た時のことだ。いつものように伯爵と真理江夫人、海翔はバーマストン伯爵達とサロンで、ウィリアムとテオドアはビリヤードルームで時間を過ごしている。 「今日...

真昼の月 | 2023.02.19 Sun 02:05

金魚の恋 28

  ◇◇◇  ◇◇◇  目が醒めて、今自分がどこにいるのか一瞬分からなかった。母に与えられた本館のベッド────子供の頃は久義もそこで寝起きしていた────なのか、日本の祖父の家の、畳に敷かれた布団なのか……でも、ここはバーマストンの使用人棟の、自分のベッドの上だ。 「……何か、懐かしいな……。そんな事もあったっけ……」  それまでも、小さな事で「あれ?」と思うことはあった。だが、面と向かって自分がアジア人として差別されていると思い知らされたのは、...

真昼の月 | 2023.02.12 Sun 22:41

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