[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
「ああ、一応話はしました。とりあえずそういう事情なら、挨拶とかは後で良いから、早く籍を入れておいた方が良いだろうって」 「それ、桐生さんが?」 「いや、四代目が」 「ああ……」 ママは軽く頭を振って、小さく溜息をついた。 それは、四代目ならそう言うだろう。でもそういう問題じゃなくて…… 「ヒロさん……あなた、もう少しこういう大事なことは考えてからでないと……桐生さんとだって、もっとちゃんと話をしてからでないと……」 「&hellip...
真昼の月 | 2018.11.22 Thu 08:01
◇◇◇ ◇◇◇ 暖簾を片した後の『三春』を訪ねると、板長の葉賀がヒロの分の親子丼を作ってくれていた。板長と言っても、『三春』に料理人は葉賀しかいない。 元々葉賀は大きな店の板長だったらしい。そのせいで桐生が葉賀を板長と呼び、ヒロもそれに倣っている。 店にヒロが入ると、ママは店のドアに鍵をかけて、それから2階にいる風子に声をかけた。その声を待っていたのか、風子はすぐに2階から降りてきた。 「ヒロちゃん、お帰り!」 「ああ、風子。良い子にしてたか?」 「うん!」 ...
真昼の月 | 2018.11.21 Wed 08:03
「あの…俺、風子とのこと、カシラに何も相談せずに決めてしまって……」 「ん?何を決めたんだよ」 「だから、佐世保さんが、このままだと風子、勝手に結婚させられちまうって言ってたから、じゃあとりあえず俺の籍に入れちゃおうと思って」 「ああ……」 それか〜と、佐世保が頭を掻いた。それから「う〜〜」と唸って、暫く下を向いたまま固まって……でかい溜息をついてからやっと顔を上げた。 「……まぁ、風子ちゃんに関してはそれが正解だと思うぜ?でも、...
真昼の月 | 2018.11.20 Tue 08:03
「そこらのしょぼい組で良いんなら、金さえ稼げて根回しがうまけりゃ組は持てるだろうさ。だが、上に行こうと思ったらそうはいかない。分かるな?」 「分かります」 ヒロはしっかりと頷いた。 まだペーペーの自分ではあるが、組の幹部達を見ていれば、自ずと分かるものがある。 彼らが持っている物。それはとんでもないカリスマだ。この人のためなら死んでも良い。そう思わせる何かを持っていなければ、人はついてこないのだろう。 だが、そんなものは自分には備わっていない。だから、何故自分がと考えるのだ。 ...
真昼の月 | 2018.11.19 Mon 08:01
登場人物プロフィールはこちら 主人公東郷の邸宅 「はい。おはようございます。」結が、iphoneを取った。 「道ノ瀬さん、楠本です。今ご自宅ですか?私は玄関の前にいます。開けていただけますか? 大変なんです、週刊Bezのネット版に、道ノ瀬さんのスキャンダルが出ています!」 「えっ!?」 結が、ベッドにあった水色のガウンを慌てて着る。襟を深く合わせ、壁にかかった大きな鏡で、急いで髪を手櫛で整えると、玄関の方へ出て...
大人のためのBL物語 | 2018.11.18 Sun 20:59
「ごめんごめん。お前、ホストなんてやってた割に、てんでウブいのな。面白ぇわ」 「いや、あの……」 「そんな焦んなくって良いって。お前らのこと気づいてる奴、あんまいねぇから」 「は…はぁ、そ……なんすか……。えっと……あの、でもこれは違って……」 ヒロの焦る様子にふっと笑うと、佐世保は笑いながら、それでも目に力を込めて言い足した。 「いーから。俺は別にそーゆーの偏見もねぇし。お前が体使ってのし上がったとも思ってね...
真昼の月 | 2018.11.18 Sun 08:02
廊下に出て2人きりになると、佐世保はヒロの肩を肩で小突いてニヤリと笑った。 「おい、ヒロ。奢ってやるから、今夜飲みに行こうぜ」 「え……」 佐世保の目が、意味ありげな色を含んでいる。 「あ、はい。分かりました。お願いします」 「おう。じゃ、夜のお勤めが終わったら、店で落ち合おうな。場所は後でメールするから」 「はい」 ヒロが頷くと、佐世保は満足したようにトイレに消えていった。 ◇◇◇ ◇◇◇ 佐世保に指定されたのは、蒲田の小さな呑み屋だった。お世辞にも綺麗な店...
真昼の月 | 2018.11.17 Sat 08:02
登場人物プロフィールはこちら 主人公東郷の邸宅 「はい。おはようございます。」結が、iphoneを取った。 「道ノ瀬さん、楠本です。今ご自宅ですか?私は玄関の前にいます。開けていただけますか? 大変なんです、週刊Bezのネット版に、道ノ瀬さんのスキャンダルが出ています!」 「えっ!?」 結が、ベッドにあった水色のガウンを慌てて着る。襟を深く合わせ、壁にかかった大きな鏡で、急いで髪を手櫛で整えると、玄関の方へ出て...
大人のためのBL物語 | 2018.11.16 Fri 13:35
「兄貴…」 そうだ。何を勘違いしているのだ。 昨日のあれは、互いを求め合ったわけじゃない。 桐生は怒っていた。怒って、……だから、あれはただの暴力だったんだ……。 シーツの上に、ぽつりと水滴が滴った。 くそ。なんで涙なんか……。ヤクザになって、組まで持たせて貰ったのに、どんだけ自分は女々しいんだ。 そう思って自分を叱咤するのに、涙は止むことがなかった。 初めてヒロって呼んで貰ったのに。あんなに強く抱きしめてくれたのに。 でも、...
真昼の月 | 2018.11.16 Fri 08:02
(R18)です! 当blogは18歳未満の方はお読みいただけませんが、苦手な方が目にしないように、一応閉じます! 大丈夫オッケーどんと来い!という方だけ「続きを読む」を押すか、下スクロールでお読み下さいませ。 -----------------------------
真昼の月 | 2018.11.15 Thu 08:01
全1000件中 741 - 750 件表示 (75/100 ページ)