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登場人物プロフィールはこちら 主人公東郷の邸宅 週刊Bezで、私が載った号が、わざわざ日本から国際航空便で送られて来た。 差出人は、週刊Bezの諸橋幸司。 謹呈のシールが貼られている。 結の所にも送ったのか。 結に電話をしたら、留守電になっている。舞台かもしくはリハ中か。 マネージャー楠本氏のナンバーを押す。 「楠本です。監督ですか!」 「この度は、週刊誌の件で、ご面倒をおかけし誠に申し訳なく思ってお...
大人のためのBL物語 | 2018.11.27 Tue 09:28
◇◇◇ ◇◇◇ 先日、時村は自分の女性関係を散々笑いものにされたにも関わらず、相変わらず風子のことにもご執心のようだった。 「ヒロ、お前の可愛い風子ちゃんをさ、早く俺にも紹介しろよ」 今日もヒロが射撃場で銃の手入れをしていると、時村がわざわざ顔を出し、ヒロを見つけてはしゃぎだした。 時村はヒロの苛ついた顔などにはまったく頓着せずに、いまだにこうして風子に会わせろと言ってくるのだ。 「時村さん、何でそんなに風子に会いたいんすか」 「だって、お前の嫁だろ?ちゃんと兄貴分の俺に紹介する...
真昼の月 | 2018.11.27 Tue 08:02
「本家では夕食を一緒に食べる機会があるので、その流れで何度か飲みに連れて行ってもらったことがあります」 どちらかというと、香坂に気に入られているというよりは、香坂の女房に気に入られているのだが。香坂は時々ヒロを、自分の女房がやっている銀座の店に連れて行ってくれるのだが、ヒロはその店のお姉さん達からキャーキャー言われるのだ。自分の女房まで一緒になってキャーキャー言っているのだから、普通なら機嫌が悪くなりそうなものなのに、香坂はそれを面白がった。おかげで香坂のヒロへの呼びかけは、いつだって「...
真昼の月 | 2018.11.26 Mon 08:02
「……あのな、ヒロ。良いか、女ってのは」 「ですから!風子には他に好きな男がいるんです!俺にとっちゃあいつは妹だし、あいつだって俺を兄だとしか思っちゃいません!本当なんです!」 「じゃあ何でお前ら結婚なんて」 「だから!!」 思わず二人共声が大きくなってきた時、事務局のドアがガチャリと開いて、本部長の濱野が顔を出した。 「カシラ!香坂のオジキ、ちっとも収まりません!カシラにご足労を願っても良いですか!?」 「ぁあ!?」 思わず桐生が声を荒げた。一瞬、今そんな場合じゃねぇ...
真昼の月 | 2018.11.25 Sun 08:02
◇◇◇ ◇◇◇ 衛を学校に送ってから事務局に行くと、事務局の中には桐生と佐世保だけが座って、なにやら書類を挟んで話し合っていた。他の人間は、本家の誰だかの所で大幹部同士が暴れだし、救助要請が出て駆り出されているらしい。 「もう少ししたら俺も行くから、後よろしく」 ヒロの姿を認めると、ざっと事の経緯を説明した佐世保がそう断った。 「あ、はい。俺は行かなくても良いですか?」 「いや、お前はここでカシラのお手伝いよろしく」 佐世保とヒロのやりとりを、桐生は我関せずと書類を睨んでいるばか...
真昼の月 | 2018.11.24 Sat 08:03
里山がよそに囲っていた女に刺されて入院したとき、その妻である晴美の元に通って面倒を見てくれたのは、里山の組の人間ではなくて、桐生だった。 入院中、気持ちが弱くなった里山はすっかり体も弱くなり、結局入院中に肺炎にかかって死んだ。死ぬ間際に、自分の女房である晴美の後のことを桐生に託して。 だから晴美にとって、桐生は自分の息子も同然だったし、女の元を渡り歩いていた里山よりも、桐生の方をよっぽど頼りにしていた。 その桐生が、ヒロにこの店を譲ると言ったとき、晴美は桐生の心の淵を覗いたような...
真昼の月 | 2018.11.23 Fri 08:02
「ああ、一応話はしました。とりあえずそういう事情なら、挨拶とかは後で良いから、早く籍を入れておいた方が良いだろうって」 「それ、桐生さんが?」 「いや、四代目が」 「ああ……」 ママは軽く頭を振って、小さく溜息をついた。 それは、四代目ならそう言うだろう。でもそういう問題じゃなくて…… 「ヒロさん……あなた、もう少しこういう大事なことは考えてからでないと……桐生さんとだって、もっとちゃんと話をしてからでないと……」 「&hellip...
真昼の月 | 2018.11.22 Thu 08:01
◇◇◇ ◇◇◇ 暖簾を片した後の『三春』を訪ねると、板長の葉賀がヒロの分の親子丼を作ってくれていた。板長と言っても、『三春』に料理人は葉賀しかいない。 元々葉賀は大きな店の板長だったらしい。そのせいで桐生が葉賀を板長と呼び、ヒロもそれに倣っている。 店にヒロが入ると、ママは店のドアに鍵をかけて、それから2階にいる風子に声をかけた。その声を待っていたのか、風子はすぐに2階から降りてきた。 「ヒロちゃん、お帰り!」 「ああ、風子。良い子にしてたか?」 「うん!」 ...
真昼の月 | 2018.11.21 Wed 08:03
「あの…俺、風子とのこと、カシラに何も相談せずに決めてしまって……」 「ん?何を決めたんだよ」 「だから、佐世保さんが、このままだと風子、勝手に結婚させられちまうって言ってたから、じゃあとりあえず俺の籍に入れちゃおうと思って」 「ああ……」 それか〜と、佐世保が頭を掻いた。それから「う〜〜」と唸って、暫く下を向いたまま固まって……でかい溜息をついてからやっと顔を上げた。 「……まぁ、風子ちゃんに関してはそれが正解だと思うぜ?でも、...
真昼の月 | 2018.11.20 Tue 08:03
「そこらのしょぼい組で良いんなら、金さえ稼げて根回しがうまけりゃ組は持てるだろうさ。だが、上に行こうと思ったらそうはいかない。分かるな?」 「分かります」 ヒロはしっかりと頷いた。 まだペーペーの自分ではあるが、組の幹部達を見ていれば、自ずと分かるものがある。 彼らが持っている物。それはとんでもないカリスマだ。この人のためなら死んでも良い。そう思わせる何かを持っていなければ、人はついてこないのだろう。 だが、そんなものは自分には備わっていない。だから、何故自分がと考えるのだ。 ...
真昼の月 | 2018.11.19 Mon 08:01
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