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JUGEMテーマ:ものがたり ステージ上には、小さなロボットが立っていた。ステージの真ん中に、居心地悪そうに立ち尽くしていた。ロボットの前にはスタンドマイクが一本、強い照明がロボットとそのマイクを照らしていた。それは都市の片隅、何のために作られたのかよく解らない広場でのこと。太陽はすっかり傾き、錆びたオレンジ色に空気が染まっていた。 「僕は、ここまで歩いてきました」 ロボットの声は高音で、幼い子供のようだった。その声量も子供のように弱かった。 「僕は、飛ぶことが出来ません...
pale asymmetry | 2020.09.19 Sat 19:04
JUGEMテーマ:ものがたり 友人がカエルアンコウをくれるという。アンコウと言うくらいだから美味いのだろうと思って検索したら、食用魚ではなかった。観賞魚のようだが、しかしとくに姿が美しいとか、色彩が豊かとかいうわけでもなく、ポテっとした体型のあまり活発に泳ぎ回りそうもない魚だった。いわゆるキモカワイイ系の魚なのだろう。しかし我が家には水槽がない。そもそも私は魚を飼うことに全く興味がない。それを伝えて断ろうと連絡したら、「水槽はいらないのだ」と友人は言う。魚なのに水槽がいらないとは...
pale asymmetry | 2020.09.18 Fri 21:45
JUGEMテーマ:ものがたり 有翼の光と有翼の光が争っていた。星も月も見えない夜の真ん中で。一方は金色の光で金色の翼。もう一方は銀色の光で銀色の翼。あれは善と悪の戦いだろうか。どちらが善でどちらが悪だろうか。どちらも綺麗だから、どちらも善に見える。同じ理由でどちらも悪に見える。まあ僕の勝手な空想だから、たぶん善も悪もないのだろう。それどころか争っているのかどうかも本当は知らない。戯れているだけかもしれないし、愛し合っているのかもしれない。ああやって激しくぶつかり合うことが、有翼の...
pale asymmetry | 2020.09.14 Mon 21:36
JUGEMテーマ:ものがたり 「世界に最初に降った雨は、千年降り続いたのだそうよ」 彼女が囁く。真っ直ぐに目をむいたまま。僕らは時間を泳ぐ。見知らぬ路地に流れる風に紛れてたゆたう。眠りと紙一重の覚醒を抱えたまま、オートマチックに追跡している。 「それは、この惑星が生まれて二億年ぐらいがたったときのことなんだって」 彼女は僕の少し前を歩いている。足音はしない。実は地面から一ミリぐらい浮き上がっているのかもしれない。そんな足運びだ。僕にはそんなスキルはない。だから慎重に彼女を...
pale asymmetry | 2020.09.13 Sun 21:31
JUGEMテーマ:ものがたり 砂の大地から十三の塔が生え出ていた。それらの塔は半ば砂に埋まっているのだが、それでも高く聳え立っている。半径約一キロの範囲に十三の塔は群れるようにあり、その周り、あるいは塔と塔の狭間が集まった人々のステージというわけだった。 「低いレベルで、ずっと眠気が体内に積もっている。そういう人々がここに集まっています。あなたもそういう感覚が分かりますか?」 メンターが、柔らかな表情で僕に問いかける。生まれてから一度も、負の感情を抱いたことがない。そんな人...
pale asymmetry | 2020.09.12 Sat 22:15
JUGEMテーマ:ものがたり 扇は屋敷の一番奥の座敷にあった。そこには窓はなく、外部の光は一切入ってこない。電気も通じていないので、蝋燭かトーチが必要だった。その座敷に繋がる部屋までは電気が通じていたので、その部屋の明かりを灯し座敷に通じる引き戸を開放しておけば、座敷の内部に光を導くことは出来た。しかし、その状態で扇に触れることは禁じられていた。座敷の中央辺りに鎮座する扇に触れるためには、引き戸を固く閉じなければいけない。だから僕はトーチを手にその座敷へと足を踏み入れ、引き戸をし...
pale asymmetry | 2020.09.04 Fri 20:07
JUGEMテーマ:ものがたり 「たぶんたくさんの訪問者が現れます」 その人は、少し困った表情でそう言った。 「どういう方たちですか?」 私の質問に、その人はしばらく考えてから細かく首を振る。 「端的に言えば、不要な者たちです。私はそう思っています。しかし、彼らは誰一人そうは思っていない。そこが難しいところです」 開放された窓から散歩の所にある大きなプールの水面を見つめて、その人は薄く笑った。ように見えた。 「でも、ここの邸宅のセキュリティーは厳重だと思えますけど。...
pale asymmetry | 2020.09.03 Thu 22:05
JUGEMテーマ:ものがたり 起伏はあったけれど、風景に変化はない。どこまで行っても砂だ。砂と太陽。顔の下半分をフェイスガードで隠していたけれど、それでも口の中がジャリジャリする。ゴーグルがなければ、目の中にも砂が溜まっていたんじゃないかと思えるくらい。それでも僕らは高速でバギーを走らせている。 太陽は黄金色だ。でも空はそうじゃない。こんなにも激しい陽光なのに、どうして空が黄金色に染まらないのだろう。アクセルを踏み込み続けながら、僕は考える。きっと太陽よりも空の方が賢いんだろ...
pale asymmetry | 2020.08.29 Sat 21:31
JUGEMテーマ:ものがたり クシャナクシャレルが繁殖を始めたと、大陸中にアラートが鳴り響いた。盛大なファンファーレのようなそのアラートは、最高レベルの非常事態宣言だったけれど、このサウンドを作った誰かはきっと確信犯だ。確信犯的に終末を愉しもうと呼びかけている人物に違いない。アラートはそんな響きで、大陸中の空気をビンビンに震わせたんだ。 だから僕らは走り出す。マルチパーパスのバギーに乗って、大陸の中心に向かって、はやる気持ちを持て余しながら。乾いた大地が広がる大陸の中心部は、...
pale asymmetry | 2020.08.17 Mon 22:37
JUGEMテーマ:ものがたり ・わけあって没にしている話の断片を勿体ないので載せます。 ・流血注意。 ・おとぎ話の再解釈を小説にしてみようというシリーズ案の1つ。 ・かなり大胆にリメイクしていますので、原作好きな方はご注意を。 ・今回載せるのは「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」の“枠物語”の再解釈モノなのですが…書き始めてから「あれ?これ、主人公の王様が大量殺人鬼ってよろしくないのでは…?」と疑問を抱き、保留することに。むしろ今まで何の疑問もなくアラビ...
言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜 | 2020.08.15 Sat 10:03
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